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1章 チュートリアル
28話 魔神
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「んん?誰だお前」
およそ20mはあるその巨体に近づかれ、圧倒される。
「……魔王退治に来た、一応勇者だ」
自分でも忘れかけていた肩書きを出し、相手の反応をうかがう。
「お、なんだお前らもか。わしも魔王がここに居ると聞いて来たんだが……」
なんなんだこいつ……一体どこから来た?それにこの気配、魔王よりも危険だ。
「――え」
ふと周りを見ると、見たことのない魔物が大量に冬志達を見ていた。
生物同士を、或いは生物と物を無理やりつなぎ合わせたような、あまりにもおぞましい。スライム状に溶け始めているものもいる。その中には、人型の魔物も…
「ん?あぁ、周りのやつらはわしの魔物だから安心しろ」
安心できるか。
「――おい」
「ん?」
ふと、男の片足が浮く。
「ふざけるな、愚物。誰を足蹴にしている」
「あ、人がいたのか。誰かは知らんが悪い」
そう言って男は足をどかした。
「どいつもこいつも……お前らは我を怒らせるのが得意なようだな」
魔王が頭の血管を浮かばせ声を低くして言う。
「もういい、目障りだ。消えろ」
無数に現れた紫色の光が1点に集中、深紅に変化し、地面を大きくえぐりながら超高速でこちらへ放たれる。
「お前こそ、口の利き方に気をつけろよ、おい」
男は周りにいた魔物の尻尾を掴み光に叩きつける。
光は力を失い、魔物とともに消滅する。魔王は驚き、目を見開く。
「痛っ、おいおい、お前、思ったよりやるじゃねーか。ちょっと驚いたぞ」
そう言って男は手をひらひらさせる。
「そんな訳がない、我が、負けるなど...そんな訳がぁあああ!」
魔王は空中から大剣を出し、男に飛びかかる。片腕片足がない状況にもかかわらず、魔王は恐ろしい速さで男に近づき、大剣を振るう。まともに当たれば骨すら残らないであろう一撃を、
「刃物をそんな風に振り回しちゃいけません。危ないでしょう」
横から飛んできた女に胴体を殴られ吹き飛ばされた。
「ガイビス様、危険ですのでお一人で乗り込むのは控えてください」
城の瓦礫にめり込み、動かなくなった魔王をよそに女は男に話しかける。
「いやだって、お前らが遅いから……」
「ガイビス様の速度についていけるのは私とヘレンくらいです。軍全員を移動させているんですから、もう少し合わせて頂かないと」
「あーあー、わかったわかった。次から気をつけるから」
男はそう言うと魔王の所へ行き、首を掴む。すると、一瞬にして魔王の姿が消えた。
なんだ、どうなってる?あの女はどこから来たんだ。一体誰だ。いや、それよりあの魔王があんなに軽々と吹き飛ばされたのか?一体どこに……
次々と押し寄せる情報に冬志の頭はパニックになる。そこに、
「ト、トウジ!山の下からすごい数の魔物が……」
カルミアが走って近づいてきた。
「おい、来るな――」
「さて、魔王も倒したし、今日からこの世界の魔王は俺ってことでいいよな?」
「……は?」
「ん?なにか不満か?……あぁ、そうか。あの程度の魔王と同じ肩書きだとおかしいか。うーむ……お、魔神とかどうだ。」
自分につけた肩書きに満足気に頷く男。
「じゃ、後々面倒起こされたくないし勇者を消しておくか」
――その言葉の意味を理解する間もなく、冬志は吹き飛ばされていた。
およそ20mはあるその巨体に近づかれ、圧倒される。
「……魔王退治に来た、一応勇者だ」
自分でも忘れかけていた肩書きを出し、相手の反応をうかがう。
「お、なんだお前らもか。わしも魔王がここに居ると聞いて来たんだが……」
なんなんだこいつ……一体どこから来た?それにこの気配、魔王よりも危険だ。
「――え」
ふと周りを見ると、見たことのない魔物が大量に冬志達を見ていた。
生物同士を、或いは生物と物を無理やりつなぎ合わせたような、あまりにもおぞましい。スライム状に溶け始めているものもいる。その中には、人型の魔物も…
「ん?あぁ、周りのやつらはわしの魔物だから安心しろ」
安心できるか。
「――おい」
「ん?」
ふと、男の片足が浮く。
「ふざけるな、愚物。誰を足蹴にしている」
「あ、人がいたのか。誰かは知らんが悪い」
そう言って男は足をどかした。
「どいつもこいつも……お前らは我を怒らせるのが得意なようだな」
魔王が頭の血管を浮かばせ声を低くして言う。
「もういい、目障りだ。消えろ」
無数に現れた紫色の光が1点に集中、深紅に変化し、地面を大きくえぐりながら超高速でこちらへ放たれる。
「お前こそ、口の利き方に気をつけろよ、おい」
男は周りにいた魔物の尻尾を掴み光に叩きつける。
光は力を失い、魔物とともに消滅する。魔王は驚き、目を見開く。
「痛っ、おいおい、お前、思ったよりやるじゃねーか。ちょっと驚いたぞ」
そう言って男は手をひらひらさせる。
「そんな訳がない、我が、負けるなど...そんな訳がぁあああ!」
魔王は空中から大剣を出し、男に飛びかかる。片腕片足がない状況にもかかわらず、魔王は恐ろしい速さで男に近づき、大剣を振るう。まともに当たれば骨すら残らないであろう一撃を、
「刃物をそんな風に振り回しちゃいけません。危ないでしょう」
横から飛んできた女に胴体を殴られ吹き飛ばされた。
「ガイビス様、危険ですのでお一人で乗り込むのは控えてください」
城の瓦礫にめり込み、動かなくなった魔王をよそに女は男に話しかける。
「いやだって、お前らが遅いから……」
「ガイビス様の速度についていけるのは私とヘレンくらいです。軍全員を移動させているんですから、もう少し合わせて頂かないと」
「あーあー、わかったわかった。次から気をつけるから」
男はそう言うと魔王の所へ行き、首を掴む。すると、一瞬にして魔王の姿が消えた。
なんだ、どうなってる?あの女はどこから来たんだ。一体誰だ。いや、それよりあの魔王があんなに軽々と吹き飛ばされたのか?一体どこに……
次々と押し寄せる情報に冬志の頭はパニックになる。そこに、
「ト、トウジ!山の下からすごい数の魔物が……」
カルミアが走って近づいてきた。
「おい、来るな――」
「さて、魔王も倒したし、今日からこの世界の魔王は俺ってことでいいよな?」
「……は?」
「ん?なにか不満か?……あぁ、そうか。あの程度の魔王と同じ肩書きだとおかしいか。うーむ……お、魔神とかどうだ。」
自分につけた肩書きに満足気に頷く男。
「じゃ、後々面倒起こされたくないし勇者を消しておくか」
――その言葉の意味を理解する間もなく、冬志は吹き飛ばされていた。
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