適正異世界

sazakiri

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第49話

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「遅いな…」
「そうですね…」
俺とルナは先に店を出ている。
桜川は武器を決め、会計をしているはずだ。
俺たちが店を出てから20分。
まだあいつは出てこない。
「見に行くか」
「そうですね」
ここは待ってもしょうがないので様子をみにいく。

「おまたせ~!まった?」
「待ちまくりだわ」
「あんたには聞いてないわ」
「は?」
「ルナちゃん、ごめんね~」
「いえ!大丈夫です!」
笑顔を見せるルナ
「ところで…」
「なに?」
「会計だけでこんなに時間掛かるか?」
「あ~そのことね」
「何かあったのか?」
「武器のことを聞いてたの」
「武器ですか?」
ルナが確認する
「そう!」
桜川が答える
「なにか分かったのか?」
「強化の仕方が分かったわ」
「強化?」
「そう!」
「あ!なんか聞いたことあります!」
ルナが言う。
「どーゆうのだ?」
「なんか武器にも能力がつくとかなんとか?」
「なんだそれ」
武器に能力?
弾が速くなるとか?それとも威力か?

「で、能力ってのは?」
「それは武器って言うより、使う本人ですね」
「本人?」
「はい!私の家は狩りもしているんですが…」
「能力を持っている武器を使っているのか?」
「はい!」
「どんなのだ?」
「私の家は閃光って言う能力を使ってます」
「カッコいいな」
「え?」
「なんでもない…」
「名前なんてどうでもいいでしょ」
桜川が会話に入ってくる。
こいつ自分の能力の名前を自慢してたくせに…

「それで…それはどんな能力なんだ?」
「簡単に言うと光が出てきて目を眩ませます」
「なるほど」
光を出して目を眩ましながら撃てると…
強くね?
ルナの家って農家なはずじゃ…

「それは家族の誰かの能力か?」
「いえ!私の家族は誰も能力持ってませんよ」
「え?じゃあどうやって?」
「買ったんです!」
「買えるものなの?」
「そりゃーもちろん!」
この世界まじでなんでも金じゃね?
だが、それほど天然な能力は貴重ってことだな。

「じゃあ桜川はどんな能力がついたんだ?」
「ついてないわよ」
「は?」
「つけてません」
「え?」
「能力ないって言ってるでしょ!」
「えぇ…」
「能力をつけなかったんですか?」
ルナが聞く。
「それがさ!」
桜川が答え出す。

でもこの世界は能力は必須級のはずじゃ?
つけなくて大丈夫なのか?
なにか理由はあるようだが…
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