25 / 62
第八話-2
しおりを挟むそもそも俺の房中術のスキルが、フレデリックの手を借りずとも上がればいいだけのことなのだ。マグナス団長も攻略対象なのだから、少しは練習台になるのではないだろうか。
そんな風に思ったのが間違いだったのか。
俺は文字通り胸を借りることにした。ついさっき俺もやられたばかりなので、乳首開発についてのおさらい授業だ。
房中術の訓練に付き合ってください、と言うと『は!?』と焦った声を上げられたが、逃げも押し退けもしない。
俺が膝に乗り上がっても困った顔をしているだけだ。
これは、いいってことなのか?
「……触ってもいいですか?」
じ、と膝の上から見つめるとマグナス団長はぐっと言葉に詰まった後ため息をつき、『好きにしろ』と言ってきた。なのでシャツの上から豊かな胸筋を両手で持ち上げてみる。
たぷ、と意外と柔らかい感触がした。服の上からでも乳首の位置が判るので、くりくりと指で摘まんでみる。すりっすりっとシャツの上から頬をすりつけて、その位置からマグナス団長の様子を窺った。
じぃっと観察してみるが団長が感じている様子はない。
俺がこれをやられた時は、びくっと身体が跳ねてしまったんだが。フレデリックのやり方と何が違うのだろう。悔しい。
「公子殿、その目であんまりじっと見られると妙な……。いや、予想以上にでっけえ、猫みたいな目だな」
「『公子殿』ではなく、今はウォルフで」
「ん。……ウォルフ。俺もマグナスでいい。似合わねえ丁寧語もいらねえよ、討伐ん時と同じように喋ってくれ。この天幕の中限定でな」
「判った」
気を取り直してシャツの前を開き、直に胸の膨らみに触れた。
マグナスの胴回りは俺が両腕を回してようやく届くくらいの太さだ。樹齢何百年の大木か?
胴も相当太いが、胸筋の出っ張りがさらに太く……段差が凄い。俺もこの歳にしては鍛えている方だが、段違いの筋肉だった。
その膨らみの上にぽつりとあった乳首に、はむっとかじりついてぺろぺろと舐め始める。尖りを押しつぶすように舌を這わせ、ちゅうっと吸い付いた。舌で見せつける様に舐めながらチラと団長を見ると、少し頬が上気して見える。
ん?少しは羞恥とか、快感とかが生まれてきたところだろうか?
「ウォルフ、……なんか別の意味でいけないことをしている気分になるんだが」
「別の意味ってなんだ」
「その、……お前の舌がエロい。あと舐め方が……」
「舌?」
はむはむと乳輪ごと口に含んだ乳首を、唾液でしっとり濡らしていく。ぷはっと口を離してから、もう片方の乳首に近づき……そのままぽふっと顔を埋めた。
「ウォルフ?」
「んん、予想以上に……気持ちイイな」
弾力があって温かい胸筋は、力が入っていないおかげで枕として最適だ。疲れていたのでそのままウトウトしてしまいそうだった。
これはひどい、マグナスの胸筋には癒やし効果がありすぎる。
すりっ、と頬を擦り付けて目を瞑り、額も押しつけていたら小さな欠伸が漏れた。
俺の背を支えるように太い腕が伸びてきて、ふらつきかけた腰もしっかりと抱かれる。
「なあ、ひとつ可能性として思ったんだが」
「うん……?」
「乳首開発だの口淫だののスキル、する側とされる側でスキルが別にあるんじゃねえか?」
「……え」
眠くなりかけていた顔を上げ、マグナスの顔を覗き込むとあやすように背を撫でられる。ショックを受けている俺に同情じみた視線が向けられた。
そしてそのまま、後ろにある寝床に背をつけるように降ろされる。
は、と気がついた時にはマグナスがこちらに覆い被さってきていた。
「マグナス?」
「する側のウォルフの腕は、まるで赤ん坊だな。俺の乳首咥えたまんま居眠りするとは思わなかった。……ったく、とんでもねえな。で、折角だからされる側のスキルも見てみりゃ判るだろって」
とんでもねえ、と言いつつ頭をぐりぐり撫でられたので怒っているわけではないようだ。
大岩のような巨体で覆い被ってこられると、俺の全身はマグナスの影に入ってしまう。意外に器用な手が俺のシャツのボタンをつまみ、着ていたシャツの前が開かれた。
すうすうと外気に晒された胸が、先程の熱を思い出してじくりと疼いた。
「うわ……えげつねぇ腫れ方してやがる。真っ赤じゃねーか」
「これは、フレデリックが」
「ん。さっき聞いたから大丈夫だ。……痛くはしねえから」
92
あなたにおすすめの小説
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
王様お許しください
nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。
気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。
性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。
義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。
※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました!
えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。
※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです!
※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる