4 / 31
4話 金づちを揮う美少女
しおりを挟む
「それは……金づちだよな? クラーラには、危ないのではないか?」
「もう何度もしてるから、大丈夫です」
柄がすっぽ抜けないよう再び革の手袋をしたクラーラは、石窯から取り出した牛骨へそれを振り下ろす。
ゴッ……ゴッ……
美少女が焼けた骨に金づちを揮う姿は、奇怪だった。
しかしエアハルトは、そんなクラーラにもドキドキしてしまう。
(どうしたんだ、俺の心臓は。さっきから動悸が止まらない)
ときめいていた相手は、スープだけではなかったのだ。
「骨髄から、エキスが出るのだと教わりました。私の牛骨スープのレシピは、精肉店のおかみさんが考案者なんです」
エアハルトの混迷を知らないクラーラは、太い骨をあらかた割り終わると大鍋に移す。
「ここで、玉ねぎの皮の出番です。先ほど剥いたものを、取ってもらえますか?」
「あ、ああ。どうぞ」
クラーラに見とれていたエアハルトは、慌てて布袋に詰められた皮を渡す。
「これを鍋に入れて煮ます。あとは具材ですね。今日は蕪だったから、明日はニンジンにしようかしら」
「ニンジンか……栄養があるらしいね」
エアハルトの声音が硬くなったのを、クラーラは敏感に察知する。
「その反応……もしかして、ニンジンが苦手なんですか?」
「いや、食べられないなんてことはないよ。ニンジンくらい……俺は大人だからね!」
「おやおや? ハルはいつから、ニンジンを食べられるようになったんです? 朝食に出たグラッセは避けてましたよねえ?」
割り込んできた声の方を見ると、にやにやしたフリッツが立っていた。
戻ってこないエアハルトにしびれを切らし、厨房まで覗きに来たのだ。
暴露された内容に、エアハルトは焦る。
「あのニンジンは、甘そうだったから! 朝に食べなくてもいいかなって、思っただけで……!」
「ニンジンが苦手な人、多いですよね」
クラーラに優しく援護されて、エアハルトは言葉を詰まらせる。
「子どもだったら、グラッセみたいに甘くしたほうが食べてくれますが、大人はそれでは誤魔化せないですから――」
どうにかニンジンを食べられるように調理できないか思案しているらしいクラーラに、エアハルトは慌てる。
「大丈夫だから! ニンジンを食べなくても、俺はこんなに大きくなったし!」
「うふふ、たしかにエアハルトさんは大きいですね」
クラーラの気を反らせたことに、エアハルトはホッとする。
服を着ていても、筋肉が盛り上がっているのが分かる逞しい体は、辺境伯領で鍛えられた証だ。
代々、国境を護る任についているだけあって、領民たちは基本的にエアハルトのような体格をしている。
「僕みたいなひょろりとした痩躯は、地元では珍しいんですよ。周りはエアハルトのように、肉壁みたいなのばっかりで」
フリッツの例えにクラーラが噴き出した。
ちょうどエアハルトが力こぶを作って見せていたので、容易に想像ができたのだろう。
「フリッツ! 肉壁はないだろう!? 強靭な精神は強靭な肉体に宿ると――」
「はいはい、そう教えられて育つんですよね。ハルの家系は、筋肉至上主義みたいなとこがあるんですよ」
主従の遠慮のない会話に、クラーラはお腹を抱えて笑った。
こんなにおかしいのは、いつぶりだろう。
修道院でひっそりと生活していると、なかなか年の近い人と触れ合う機会がない。
院長のドリスは40歳も年上だし、子どもたちはまだ未成年だ。
気兼ねなく話せる同世代というのが、こんなにも気分を軽くするのだと、クラーラは初めて知った。
涙を流して笑うクラーラに、エアハルトはまたしても目が吸い寄せられる。
(ああ、俺はクラーラのことが――)
出会ったその日ではあるけれど、エアハルトはもう認めるしかなかった。
◇◆◇◆
夕食までご馳走になるわけにはいかず、エアハルトとフリッツは孤児院を後にした。
名残惜しんでくれた子どもたちへ、必ずまた遊びにくると約束をして。
「ハル、思っていた以上に長居してしまいましたね。今日はもっと、オルコット王国の市場調査をするはずだったのに」
「この寄り道は、して良かったと思っている。……俺は少し、考え方を改めたほうがいいのかもしれない」
「というと?」
陽が沈み始めた空を見上げ、エアハルトはくすぶる胸の内を打ち明ける。
「俺は、自分の未来の可能性を模索するには、世界中を見て回るのが最適だと思っていた。だから姉夫婦に爵位を譲ったあと、ベルンシュタイン領を飛び出したが……」
「間違ってないと思いますよ。領地しか知らなかった頃より、国外へ出てみて視野はうんと広がったでしょう?」
「だが、浅かったと気づいた。表面的にさらうだけじゃ、駄目なんだ」
うまく説明できなくて、もどかしいのだろう。
途切れ途切れになりながらも、エアハルトは一生懸命に言葉を紡ぐ。
「何と言うか、もっと人との付き合いを学びたいと思った。事業っていうのは、相手がいるから成り立つんだって、そんな基本的なことも俺は分かっていなかった」
「今日の触れ合いを通して、そこに気がついたんですね」
2歳年上のフリッツが、お兄さんぶって頷く。
エアハルトの猪突猛進な性格は、長所でもあり短所でもある。
クラーラに惚れたらしいエアハルトが、盲目になったわけではないと知って、フリッツはひとまず安心した。
「考えなしだとカロリーネさまに罵倒されていたハルが、よくぞ成長してくれました」
「姉さんは、そこまで言ってないだろう?」
「同じような意味合いでしたよ」
しょぼんとするエアハルトだが、将来の辺境伯として今まで育てられたのだ。
思考が偏っているのも、仕方がない部分もある。
「ハルが成功するには、これまで研鑽してきた辺境伯家の当主としての技能とは、違う技能が必要なんです。金勘定ができればいいって訳でもない、先が読めればいいって訳でもない、人脈があればいいって訳でもない。商業であれ産業であれ、人は何に対してお金を払うのかを理解していないと、会社を興しても根付くことは難しいでしょう」
フリッツに説かれ、納得したエアハルトも神妙に頷く。
誰かの役に立ちたいと、漠然と考えていたが、それでは駄目なのだ。
もっと具体的に、何をどうしたら誰を助けられるのか、そこまで計画を立てなくてはならない。
「今後の予定はどうしましょう? オルコット王国の城下町に腰を据えて、しばらく過ごしてみますか?」
本来であれば、数日後には発つはずだった。
そしてまた違う国を、旅して回ろうとしていたのだが。
「ここ数年で急に不況になったオルコット王国が、どう立て直しを図るのか、それを見るのも勉強になると思っている。それと……傲り高ぶっているつもりはないんだが、できれば孤児院にいた子どもたちが働ける場所を、俺がつくれたらいいと考えていて……」
やや照れくさそうに話すエアハルトに、フリッツは目を見開く。
まさか、もうそこまで子どもたちに情が移っていたとは思わなかった。
「では、会社を興す国は、オルコット王国に決めるのですね?」
「可能であれば、そうしたい」
巧遅拙速と言うが、それはエアハルトにも当てはまる。
辺境伯家という出自を捨てて裸一貫、見知らぬ土地で事業を始めようというのだ。
失敗を恐れて手をこまねくよりも、若いうちはしくじり上等と突き進んだほうがいい。
「それならば、今後はもっとオルコット王国の文化に触れ、人々の生活を観察し、何をしたら喜ばれるのか研究する必要がありますね」
「うん。それで……できたら拠点を、あの修道院と孤児院の近くにしたいんだが……」
これから戻ろうとしているホテルは、城下町の端っこにある修道院からは程遠い。
それはエアハルトの身に何かあってはいけないと、フリッツがなるべく治安のいい場所を選んだからだ。
しかしエアハルトはもう、オルコット王国に留まると決めた。
「分かりました。ホテルではなく、事務所兼住居になるような物件を探しましょう」
「ありがとう、助かる。なあフリッツ、今日のスープのお礼に孤児院へ物資を持っていくとしたら、何が喜ばれるだろうか?」
クラーラや子どもたちが何を欲しているのか、エアハルトは真剣に悩む。
これも事業のためになると、フリッツは一緒になって考えた。
「そこで直接、お金を渡そうとしないのは、いい配慮ですよ」
「さすがに俺も、それは失礼だと分かってる。院長やクラーラのもてなしに対して、金銭的な価値はつけられないだろう?」
エアハルトよりは世間を知っているフリッツだが、それでも故郷での身分は伯爵家令息だ。
一般的な庶民への贈り物として何が相応しいのか、ふたりはさんざん頭をひねるのだった。
「もう何度もしてるから、大丈夫です」
柄がすっぽ抜けないよう再び革の手袋をしたクラーラは、石窯から取り出した牛骨へそれを振り下ろす。
ゴッ……ゴッ……
美少女が焼けた骨に金づちを揮う姿は、奇怪だった。
しかしエアハルトは、そんなクラーラにもドキドキしてしまう。
(どうしたんだ、俺の心臓は。さっきから動悸が止まらない)
ときめいていた相手は、スープだけではなかったのだ。
「骨髄から、エキスが出るのだと教わりました。私の牛骨スープのレシピは、精肉店のおかみさんが考案者なんです」
エアハルトの混迷を知らないクラーラは、太い骨をあらかた割り終わると大鍋に移す。
「ここで、玉ねぎの皮の出番です。先ほど剥いたものを、取ってもらえますか?」
「あ、ああ。どうぞ」
クラーラに見とれていたエアハルトは、慌てて布袋に詰められた皮を渡す。
「これを鍋に入れて煮ます。あとは具材ですね。今日は蕪だったから、明日はニンジンにしようかしら」
「ニンジンか……栄養があるらしいね」
エアハルトの声音が硬くなったのを、クラーラは敏感に察知する。
「その反応……もしかして、ニンジンが苦手なんですか?」
「いや、食べられないなんてことはないよ。ニンジンくらい……俺は大人だからね!」
「おやおや? ハルはいつから、ニンジンを食べられるようになったんです? 朝食に出たグラッセは避けてましたよねえ?」
割り込んできた声の方を見ると、にやにやしたフリッツが立っていた。
戻ってこないエアハルトにしびれを切らし、厨房まで覗きに来たのだ。
暴露された内容に、エアハルトは焦る。
「あのニンジンは、甘そうだったから! 朝に食べなくてもいいかなって、思っただけで……!」
「ニンジンが苦手な人、多いですよね」
クラーラに優しく援護されて、エアハルトは言葉を詰まらせる。
「子どもだったら、グラッセみたいに甘くしたほうが食べてくれますが、大人はそれでは誤魔化せないですから――」
どうにかニンジンを食べられるように調理できないか思案しているらしいクラーラに、エアハルトは慌てる。
「大丈夫だから! ニンジンを食べなくても、俺はこんなに大きくなったし!」
「うふふ、たしかにエアハルトさんは大きいですね」
クラーラの気を反らせたことに、エアハルトはホッとする。
服を着ていても、筋肉が盛り上がっているのが分かる逞しい体は、辺境伯領で鍛えられた証だ。
代々、国境を護る任についているだけあって、領民たちは基本的にエアハルトのような体格をしている。
「僕みたいなひょろりとした痩躯は、地元では珍しいんですよ。周りはエアハルトのように、肉壁みたいなのばっかりで」
フリッツの例えにクラーラが噴き出した。
ちょうどエアハルトが力こぶを作って見せていたので、容易に想像ができたのだろう。
「フリッツ! 肉壁はないだろう!? 強靭な精神は強靭な肉体に宿ると――」
「はいはい、そう教えられて育つんですよね。ハルの家系は、筋肉至上主義みたいなとこがあるんですよ」
主従の遠慮のない会話に、クラーラはお腹を抱えて笑った。
こんなにおかしいのは、いつぶりだろう。
修道院でひっそりと生活していると、なかなか年の近い人と触れ合う機会がない。
院長のドリスは40歳も年上だし、子どもたちはまだ未成年だ。
気兼ねなく話せる同世代というのが、こんなにも気分を軽くするのだと、クラーラは初めて知った。
涙を流して笑うクラーラに、エアハルトはまたしても目が吸い寄せられる。
(ああ、俺はクラーラのことが――)
出会ったその日ではあるけれど、エアハルトはもう認めるしかなかった。
◇◆◇◆
夕食までご馳走になるわけにはいかず、エアハルトとフリッツは孤児院を後にした。
名残惜しんでくれた子どもたちへ、必ずまた遊びにくると約束をして。
「ハル、思っていた以上に長居してしまいましたね。今日はもっと、オルコット王国の市場調査をするはずだったのに」
「この寄り道は、して良かったと思っている。……俺は少し、考え方を改めたほうがいいのかもしれない」
「というと?」
陽が沈み始めた空を見上げ、エアハルトはくすぶる胸の内を打ち明ける。
「俺は、自分の未来の可能性を模索するには、世界中を見て回るのが最適だと思っていた。だから姉夫婦に爵位を譲ったあと、ベルンシュタイン領を飛び出したが……」
「間違ってないと思いますよ。領地しか知らなかった頃より、国外へ出てみて視野はうんと広がったでしょう?」
「だが、浅かったと気づいた。表面的にさらうだけじゃ、駄目なんだ」
うまく説明できなくて、もどかしいのだろう。
途切れ途切れになりながらも、エアハルトは一生懸命に言葉を紡ぐ。
「何と言うか、もっと人との付き合いを学びたいと思った。事業っていうのは、相手がいるから成り立つんだって、そんな基本的なことも俺は分かっていなかった」
「今日の触れ合いを通して、そこに気がついたんですね」
2歳年上のフリッツが、お兄さんぶって頷く。
エアハルトの猪突猛進な性格は、長所でもあり短所でもある。
クラーラに惚れたらしいエアハルトが、盲目になったわけではないと知って、フリッツはひとまず安心した。
「考えなしだとカロリーネさまに罵倒されていたハルが、よくぞ成長してくれました」
「姉さんは、そこまで言ってないだろう?」
「同じような意味合いでしたよ」
しょぼんとするエアハルトだが、将来の辺境伯として今まで育てられたのだ。
思考が偏っているのも、仕方がない部分もある。
「ハルが成功するには、これまで研鑽してきた辺境伯家の当主としての技能とは、違う技能が必要なんです。金勘定ができればいいって訳でもない、先が読めればいいって訳でもない、人脈があればいいって訳でもない。商業であれ産業であれ、人は何に対してお金を払うのかを理解していないと、会社を興しても根付くことは難しいでしょう」
フリッツに説かれ、納得したエアハルトも神妙に頷く。
誰かの役に立ちたいと、漠然と考えていたが、それでは駄目なのだ。
もっと具体的に、何をどうしたら誰を助けられるのか、そこまで計画を立てなくてはならない。
「今後の予定はどうしましょう? オルコット王国の城下町に腰を据えて、しばらく過ごしてみますか?」
本来であれば、数日後には発つはずだった。
そしてまた違う国を、旅して回ろうとしていたのだが。
「ここ数年で急に不況になったオルコット王国が、どう立て直しを図るのか、それを見るのも勉強になると思っている。それと……傲り高ぶっているつもりはないんだが、できれば孤児院にいた子どもたちが働ける場所を、俺がつくれたらいいと考えていて……」
やや照れくさそうに話すエアハルトに、フリッツは目を見開く。
まさか、もうそこまで子どもたちに情が移っていたとは思わなかった。
「では、会社を興す国は、オルコット王国に決めるのですね?」
「可能であれば、そうしたい」
巧遅拙速と言うが、それはエアハルトにも当てはまる。
辺境伯家という出自を捨てて裸一貫、見知らぬ土地で事業を始めようというのだ。
失敗を恐れて手をこまねくよりも、若いうちはしくじり上等と突き進んだほうがいい。
「それならば、今後はもっとオルコット王国の文化に触れ、人々の生活を観察し、何をしたら喜ばれるのか研究する必要がありますね」
「うん。それで……できたら拠点を、あの修道院と孤児院の近くにしたいんだが……」
これから戻ろうとしているホテルは、城下町の端っこにある修道院からは程遠い。
それはエアハルトの身に何かあってはいけないと、フリッツがなるべく治安のいい場所を選んだからだ。
しかしエアハルトはもう、オルコット王国に留まると決めた。
「分かりました。ホテルではなく、事務所兼住居になるような物件を探しましょう」
「ありがとう、助かる。なあフリッツ、今日のスープのお礼に孤児院へ物資を持っていくとしたら、何が喜ばれるだろうか?」
クラーラや子どもたちが何を欲しているのか、エアハルトは真剣に悩む。
これも事業のためになると、フリッツは一緒になって考えた。
「そこで直接、お金を渡そうとしないのは、いい配慮ですよ」
「さすがに俺も、それは失礼だと分かってる。院長やクラーラのもてなしに対して、金銭的な価値はつけられないだろう?」
エアハルトよりは世間を知っているフリッツだが、それでも故郷での身分は伯爵家令息だ。
一般的な庶民への贈り物として何が相応しいのか、ふたりはさんざん頭をひねるのだった。
12
お気に入りに追加
599
あなたにおすすめの小説
お飾りの側妃ですね?わかりました。どうぞ私のことは放っといてください!
水川サキ
恋愛
クオーツ伯爵家の長女アクアは17歳のとき、王宮に側妃として迎えられる。
シルバークリス王国の新しい王シエルは戦闘能力がずば抜けており、戦の神(野蛮な王)と呼ばれている男。
緊張しながら迎えた謁見の日。
シエルから言われた。
「俺がお前を愛することはない」
ああ、そうですか。
結構です。
白い結婚大歓迎!
私もあなたを愛するつもりなど毛頭ありません。
私はただ王宮でひっそり楽しく過ごしたいだけなのです。
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
【完結】婚約者を譲れと言うなら譲ります。私が欲しいのはアナタの婚約者なので。
海野凛久
恋愛
【書籍絶賛発売中】
クラリンス侯爵家の長女・マリーアンネは、幼いころから王太子の婚約者と定められ、育てられてきた。
しかしそんなある日、とあるパーティーで、妹から婚約者の地位を譲るように迫られる。
失意に打ちひしがれるかと思われたマリーアンネだったが――
これは、初恋を実らせようと奮闘する、とある令嬢の物語――。
※第14回恋愛小説大賞で特別賞頂きました!応援くださった皆様、ありがとうございました!
※主人公の名前を『マリ』から『マリーアンネ』へ変更しました。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
うたた寝している間に運命が変わりました。
gacchi
恋愛
優柔不断な第三王子フレディ様の婚約者として、幼いころから色々と苦労してきたけど、最近はもう呆れてしまって放置気味。そんな中、お義姉様がフレディ様の子を身ごもった?私との婚約は解消?私は学園を卒業したら修道院へ入れられることに。…だったはずなのに、カフェテリアでうたた寝していたら、私の運命は変わってしまったようです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる