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二十八話 巨人との対面
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闘技場の外から、岩やら大木やらが投げ込まれる。
観客席は大混乱を極めていた。
翼竜に乗っていた戦士たちが、すぐに戦闘態勢をとり、巨人たちの迎撃にあたる。
いつものようにイリの乾燥葉を巨人の顔にぶつけるが、一向に動きが鈍くならない。
それどころか、いつもより興奮して大暴れする巨人たちに、戦士たちは苦戦させられている。
「俺が出る! 国民の避難を優先しろ!」
空を飛ぶ戦士たちに指示したカルロスは、指笛を鳴らし相棒の翼竜を呼ぶ。
気を失ったエステラをアドリアナに託し、アドリアナにも避難するよう促す。
「どうも巨人の様子がおかしい。エステラと一緒に退避しろ」
それだけを言い残すと、やってきた翼竜に飛び乗りカルロスは出陣した。
アドリアナは自分より大きなエステラを背負い、せめて建物の中へ運ぼうと走り出す。
高台を見やると、そこにバーナビーの姿はなく、避難してくれたことにホッとした。
しかし、それはアドリアナの勘違いであった。
「こっちです! 早く建物の中へ!」
多くの国民を誘導する、バーナビーの声が聞こえた。
バーナビーは観客席で慌てふためく国民を助け起こし、建物の入り口へ連れて行く。
それを何往復もしていた。
アドリアナはバーナビーの姿に、目頭が熱くなった。
命の危険にさらされたとき、人は本性が現れるという。
この混乱する闘技場で、自国民でもない国民を必死に助けようとするバーナビー。
アドリアナは自分の夫を心から誇らしく思った。
バーナビーが、エステラを背負ったアドリアナに気がつく。
ぱあっと顔を輝かせ、アドリアナに手を振ってみせた。
「アナ! アナも早く! この建物なら頑丈です!」
ふつうの女性なら、まずは自分を助けにきて欲しいと思う場面かもしれない。
しかし、バーナビーはアドリアナの強さを疑っていないからこそ、アドリアナの救助には行かなかった。
アドリアナには、そんなバーナビーの気持ちが伝わって、なおさらバーナビーを愛しく感じた。
エステラを背負い直し、さあ駆けようとしたときだった。
ふっと、差していた陽光が陰る。
それまで闘技場の外にいたはずの巨人が、囲いを飛び越して会場内に入り込んでいた。
そしてアドリアナの背後に立った。
日を遮るほどの苔むした巨躯、獲物を探す濁った白い目、ベロベロとしきりに口の周りを舐めとる青い舌。
どれもが異様で見たことのない光景だった。
アドリアナの背筋に、冷たいものが這い上る。
知能のあるオーガとは違って、うなり声しか発しない巨人とは、おそらく意思の疎通が出来ない。
ここは戦うしかない場面だ。
アドリアナがそっとエステラを下ろそうとした瞬間――。
「アナ! 危ない!」
巨人がアドリアナ目がけて、何かを投げつけてきた。
エステラに視線を移していたアドリアナは、それに気がつくのが遅れる。
咄嗟に、アドリアナをかばって前に出たバーナビーが、飛んできたものを薙ぎ払うが頭をかすったようだ。
バーナビーのこめかみから赤い血が散り、皮膚ごと抜け落ちた髪がはらりと舞って地面に落ちた。
衝撃をこらえて踏みとどまったバーナビーが、背後を振り返りアドリアナの無事を確認する。
「当たってはいませんか? 早く、建物の中へ!」
流れてきた血が左目に入り、右目だけしか見えないバーナビー。
それでも視界はクリアだった。
間違いなく右目はアドリアナを捉えていた。
しかし、捉えたはずのアドリアナの様子がおかしかった。
「アナ……?」
エステラはアドリアナの背から転がり落ちたのか、横倒れている。
その傍に、仁王立ちしているアドリアナの黒髪が、ザワリザワリと風もないのにうごめいていた。
バーナビーが吸い込まれそうだと表現する金の瞳に、黒いヒビが入り、侵食するように広がっていく。
翡翠色をした滑らかで美しい鱗からは、鋭く硬質な黒い棘が伸び始めた。
静かに始まった変化によって、まるでカルロスのように、完全なる漆黒色をまとったアドリアナがそこにいた。
「よくもバーニーを!」
バーナビーがしっかり姿を見ることが出来たのは、アドリアナがそう言葉を発した刹那だけだった。
目の前からアドリアナが消え、バーナビーの体の正面にいたはずの巨人から咆哮が聞こえた。
左目の血を拭い、慌てて視線を正面に戻すバーナビー。
すると、巨人の体を駆け上り、岩のような肩からジャンプしたアドリアナが、回し蹴りで巨人の鼻の骨をへし折っていた。
巨人はアドリアナを払いのけようと、手のひらをぶんぶんと振り回すが、その手のひらすら足場にしたアドリアナによって、今度は眉間に踵落としを喰らう。
振動で脳が揺れたのか、巨人がたまらずにふらつくと、アドリアナはいつもより棘の目立つ尻尾をスルリと巨人の首に絡め、巨人の背後から飛び降りた。
後ろに引っ張られた巨人は、アドリアナに導かれるまま体を反り返らせ、そのまま脳天を地面に強打すると、泡を吹いて痙攣し、戦闘不能となる。
ここまで、瞬き数回ほどの時間しか、かからなかった。
三体いたはずの巨人のうち、アドリアナがあっという間に一体を落とした。
もう一体は、翼竜と一心同体になり攻め続けるカルロスが、今にも倒さんとしている。
戦士たちは残る一体に集結し、いつもより暴れる巨人に対し総力を挙げて戦った。
バーナビーは地面に飛び降りたアドリアナが心配で駆け寄ろうとして何かに躓き、先ほど自分が薙ぎ払った足元にある物体が、ボロボロのデリオであることに気がつく。
察しのいいバーナビーには、もうそれだけで今回の事件を引き起こした犯人が誰なのか、分かってしまった。
さっさとデリオを跨いで通り越し、アドリアナのもとへ走る。
「アナ、怪我は無いですか?」
地面にうずくまっていたアドリアナは、おずおずと顔をあげバーナビーを見る。
瞳はいつもの金色に戻っていたし、鱗から出現した黒い棘も無くなっていた。
そして、アドリアナにしては珍しく声を震わせ、バーナビーのこめかみ辺りに手を伸ばしてきた。
「バーニー、血が出ている」
「大したことありません。髪が抜け落ちたところは、少しハゲるかもしれませんが」
アドリアナの手を握りしめ、ふっと笑ってみせるバーナビー。
アドリアナはまたしても泣きそうになる。
どうしてこんなに強いのか。
バーナビーにとって、顔は存在意義だったはずだ。
その顔に、今は抉れたような深い傷と、垂れて乾き始めた血がこびりついている。
髪が抜けたところは、皮膚ごと削れているので、もう髪が生えてこないかもしれない。
自分の負った傷の状況は分かっているはずだ。
衝撃を受け止めたのはバーナビー本人なのだから。
滴り落ちてくる血をそのままに、バーナビーはアドリアナの目線までしゃがみこむ。
「アナは? 怪我をしていませんか? どこか痛いところはありませんか?」
バーナビーはどんなときでも、自分よりアドリアナを優先する。
どう見ても、バーナビーのほうがひどい怪我をしている、今でさえ。
たまらなくなって、アドリアナはバーナビーにすがりつくように抱き着いた。
「愛している、バーニー、愛している」
アドリアナの目から涙が落ちた。
バーナビーが尊くて仕方がなかった。
こんなに気高い人を、アドリアナは他に知らない。
バーナビーが光り輝いて神々しいのは、決して外見のせいだけではないのだと、声を大にして叫びたかった。
えぐえぐと泣くアドリアナの頭を、バーナビーがよしよしと撫でる。
アドリアナの嗚咽が治まるまで、バーナビーは一緒に座り込み、傍に居たのだった。
観客席は大混乱を極めていた。
翼竜に乗っていた戦士たちが、すぐに戦闘態勢をとり、巨人たちの迎撃にあたる。
いつものようにイリの乾燥葉を巨人の顔にぶつけるが、一向に動きが鈍くならない。
それどころか、いつもより興奮して大暴れする巨人たちに、戦士たちは苦戦させられている。
「俺が出る! 国民の避難を優先しろ!」
空を飛ぶ戦士たちに指示したカルロスは、指笛を鳴らし相棒の翼竜を呼ぶ。
気を失ったエステラをアドリアナに託し、アドリアナにも避難するよう促す。
「どうも巨人の様子がおかしい。エステラと一緒に退避しろ」
それだけを言い残すと、やってきた翼竜に飛び乗りカルロスは出陣した。
アドリアナは自分より大きなエステラを背負い、せめて建物の中へ運ぼうと走り出す。
高台を見やると、そこにバーナビーの姿はなく、避難してくれたことにホッとした。
しかし、それはアドリアナの勘違いであった。
「こっちです! 早く建物の中へ!」
多くの国民を誘導する、バーナビーの声が聞こえた。
バーナビーは観客席で慌てふためく国民を助け起こし、建物の入り口へ連れて行く。
それを何往復もしていた。
アドリアナはバーナビーの姿に、目頭が熱くなった。
命の危険にさらされたとき、人は本性が現れるという。
この混乱する闘技場で、自国民でもない国民を必死に助けようとするバーナビー。
アドリアナは自分の夫を心から誇らしく思った。
バーナビーが、エステラを背負ったアドリアナに気がつく。
ぱあっと顔を輝かせ、アドリアナに手を振ってみせた。
「アナ! アナも早く! この建物なら頑丈です!」
ふつうの女性なら、まずは自分を助けにきて欲しいと思う場面かもしれない。
しかし、バーナビーはアドリアナの強さを疑っていないからこそ、アドリアナの救助には行かなかった。
アドリアナには、そんなバーナビーの気持ちが伝わって、なおさらバーナビーを愛しく感じた。
エステラを背負い直し、さあ駆けようとしたときだった。
ふっと、差していた陽光が陰る。
それまで闘技場の外にいたはずの巨人が、囲いを飛び越して会場内に入り込んでいた。
そしてアドリアナの背後に立った。
日を遮るほどの苔むした巨躯、獲物を探す濁った白い目、ベロベロとしきりに口の周りを舐めとる青い舌。
どれもが異様で見たことのない光景だった。
アドリアナの背筋に、冷たいものが這い上る。
知能のあるオーガとは違って、うなり声しか発しない巨人とは、おそらく意思の疎通が出来ない。
ここは戦うしかない場面だ。
アドリアナがそっとエステラを下ろそうとした瞬間――。
「アナ! 危ない!」
巨人がアドリアナ目がけて、何かを投げつけてきた。
エステラに視線を移していたアドリアナは、それに気がつくのが遅れる。
咄嗟に、アドリアナをかばって前に出たバーナビーが、飛んできたものを薙ぎ払うが頭をかすったようだ。
バーナビーのこめかみから赤い血が散り、皮膚ごと抜け落ちた髪がはらりと舞って地面に落ちた。
衝撃をこらえて踏みとどまったバーナビーが、背後を振り返りアドリアナの無事を確認する。
「当たってはいませんか? 早く、建物の中へ!」
流れてきた血が左目に入り、右目だけしか見えないバーナビー。
それでも視界はクリアだった。
間違いなく右目はアドリアナを捉えていた。
しかし、捉えたはずのアドリアナの様子がおかしかった。
「アナ……?」
エステラはアドリアナの背から転がり落ちたのか、横倒れている。
その傍に、仁王立ちしているアドリアナの黒髪が、ザワリザワリと風もないのにうごめいていた。
バーナビーが吸い込まれそうだと表現する金の瞳に、黒いヒビが入り、侵食するように広がっていく。
翡翠色をした滑らかで美しい鱗からは、鋭く硬質な黒い棘が伸び始めた。
静かに始まった変化によって、まるでカルロスのように、完全なる漆黒色をまとったアドリアナがそこにいた。
「よくもバーニーを!」
バーナビーがしっかり姿を見ることが出来たのは、アドリアナがそう言葉を発した刹那だけだった。
目の前からアドリアナが消え、バーナビーの体の正面にいたはずの巨人から咆哮が聞こえた。
左目の血を拭い、慌てて視線を正面に戻すバーナビー。
すると、巨人の体を駆け上り、岩のような肩からジャンプしたアドリアナが、回し蹴りで巨人の鼻の骨をへし折っていた。
巨人はアドリアナを払いのけようと、手のひらをぶんぶんと振り回すが、その手のひらすら足場にしたアドリアナによって、今度は眉間に踵落としを喰らう。
振動で脳が揺れたのか、巨人がたまらずにふらつくと、アドリアナはいつもより棘の目立つ尻尾をスルリと巨人の首に絡め、巨人の背後から飛び降りた。
後ろに引っ張られた巨人は、アドリアナに導かれるまま体を反り返らせ、そのまま脳天を地面に強打すると、泡を吹いて痙攣し、戦闘不能となる。
ここまで、瞬き数回ほどの時間しか、かからなかった。
三体いたはずの巨人のうち、アドリアナがあっという間に一体を落とした。
もう一体は、翼竜と一心同体になり攻め続けるカルロスが、今にも倒さんとしている。
戦士たちは残る一体に集結し、いつもより暴れる巨人に対し総力を挙げて戦った。
バーナビーは地面に飛び降りたアドリアナが心配で駆け寄ろうとして何かに躓き、先ほど自分が薙ぎ払った足元にある物体が、ボロボロのデリオであることに気がつく。
察しのいいバーナビーには、もうそれだけで今回の事件を引き起こした犯人が誰なのか、分かってしまった。
さっさとデリオを跨いで通り越し、アドリアナのもとへ走る。
「アナ、怪我は無いですか?」
地面にうずくまっていたアドリアナは、おずおずと顔をあげバーナビーを見る。
瞳はいつもの金色に戻っていたし、鱗から出現した黒い棘も無くなっていた。
そして、アドリアナにしては珍しく声を震わせ、バーナビーのこめかみ辺りに手を伸ばしてきた。
「バーニー、血が出ている」
「大したことありません。髪が抜け落ちたところは、少しハゲるかもしれませんが」
アドリアナの手を握りしめ、ふっと笑ってみせるバーナビー。
アドリアナはまたしても泣きそうになる。
どうしてこんなに強いのか。
バーナビーにとって、顔は存在意義だったはずだ。
その顔に、今は抉れたような深い傷と、垂れて乾き始めた血がこびりついている。
髪が抜けたところは、皮膚ごと削れているので、もう髪が生えてこないかもしれない。
自分の負った傷の状況は分かっているはずだ。
衝撃を受け止めたのはバーナビー本人なのだから。
滴り落ちてくる血をそのままに、バーナビーはアドリアナの目線までしゃがみこむ。
「アナは? 怪我をしていませんか? どこか痛いところはありませんか?」
バーナビーはどんなときでも、自分よりアドリアナを優先する。
どう見ても、バーナビーのほうがひどい怪我をしている、今でさえ。
たまらなくなって、アドリアナはバーナビーにすがりつくように抱き着いた。
「愛している、バーニー、愛している」
アドリアナの目から涙が落ちた。
バーナビーが尊くて仕方がなかった。
こんなに気高い人を、アドリアナは他に知らない。
バーナビーが光り輝いて神々しいのは、決して外見のせいだけではないのだと、声を大にして叫びたかった。
えぐえぐと泣くアドリアナの頭を、バーナビーがよしよしと撫でる。
アドリアナの嗚咽が治まるまで、バーナビーは一緒に座り込み、傍に居たのだった。
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