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四話 ねじれる関係性
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「いらっしゃい、エーミール。今日もすてきな花束をありがとう」
「今日は庭師に頼んで水色の花を選んでもらったよ。マルゴットは強い香りが苦手だったろう?ちゃんとそれも考慮してあるからね」
「嬉しいわ、エーミール」
穏やかに三人の関係は続いた。
10歳の誕生日のあとも、エーミールはしばしばプレゼントを持ってバステル子爵家を訪問しては双子の姉妹と親交を深めた。
1年が経ち、2年が経ち。
年頃を迎えるとエーミールには喉仏ができて声が変わり、ユリアーナの体は女性らしい丸みを帯びるようになった。
だがそれを誰も話題にしない。
マルゴットが変わらなかったからだ。
いまだベッドの上か車椅子の上での生活が続いていて、食事の量も、回数も少ないため、全体的に中性的で痩せている。
ふっくらするはずの胸はなく、手足は枯れ枝のよう。
それでも三人は変わらずに幼馴染だったし、中庭でお菓子を食べながらのおしゃべりも楽しかった。
「ユリアーナが好きなあのシリーズ、最新作が出たらしいよ。王都から帰ってきた兄様がもう読んだと自慢していた」
「なんですって、やっぱり領地まで情報がくるのはどうしても遅いわね」
「父様にお願いしてみましょうよ。きっと王都のお友だちに頼んで送ってくださるわ」
だが同時に、大人たちがなにも言わなくても、自分たちに期待されているだろう将来をうっすらと感じ取っていた。
いつか三人に訪れる岐路が、三人を分かたないことを祈った。
◇◆◇
双子の姉妹が18歳の誕生日を迎えたのに合わせて、ユリアーナとエーミールの婚約が発表された。
その日、これまでの誕生日とは比べものにならない盛大なパーティがバステル子爵家で催される。
「これでバステル子爵家は安泰ですな」
「まったくお似合いの二人ですよ」
両家の親族はそろって招待され、ゾマー伯爵家秘蔵のワインも樽ごと開けられた。
マルゴットは心臓に良くないからとバステル子爵に取り上げられていたが、ユリアーナは初めて味わうワインに舌鼓を打った。
「ワインってこんな味がするのね。想像していたよりもずっと美味しいわ」
「ユリアーナが飲んでいるのは、口当たりが軽いワインなんだよ」
エーミールはすでに飲みなれているようで、ユリアーナが飲み過ぎないか隣で心配している。
いずれこの位置が当たり前になるのだ。
夫婦になる実感がユリアーナにじわじわと湧いてきた。
2年後に結婚をして、エーミールが入り婿となって、ユリアーナが正式に子爵位を継ぐのはそのときだ。
バステル子爵とゾマー伯爵が考えていた通りの未来が現実となりつつあった。
ユリアーナとエーミールは、同時にマルゴットのことを憂う。
「父様、マルゴットは私たちが結婚した後はどうなるのでしょう」
「これまで僕たちは幼馴染として三人で仲良くしてきました。それがマルゴットだけ離れて暮らすというのも、寂しいのではないでしょうか」
悲しそうな顔をして相談してきた二人をバステル子爵は無下にはしない。
「そうか、お前たちはマルゴットのことを心から考えてくれているのだな」
バステル子爵はユリアーナが結婚したら隠居して、新婚二人の邪魔にならぬようマルゴットを連れて田舎の別荘にでも引っ込むつもりだった。
もちろん心臓の病の専門医も連れて行く。
なんならその田舎にまた大きな病院を建ててもいいと考えていた。
しかし二人が希望して、マルゴットもこのままバステル子爵家に残りたいのなら、ずっと邸にいても構わない。
そう話すとマルゴットを含めて三人は手を取り合って喜んだ。
「よかったわね、マルゴット。これでずっと私たちは一緒よ」
「ユリアーナ、エーミール、離れ離れになったら嫌だわってずっと思っていたの」
「僕たちは仲良しの幼馴染だからね、これまでもこれからも」
このまま変わらずにいられるとこのときは思った。
◇◆◇
ユリアーナは婚約が決まってから、エーミールと二人だけで外出をするようになった。
「今日は先に僕の見たい店に行っていいかい?質のいい革小物が入荷したらしいんだ」
「ああ、あの通りのお店ね。いいわよ、私もちょうど欲しいものがあるのよ」
恋人同士のようにつれだって、街で買い物をしたりレストランで飲食をしたり、友だちから一歩踏み出すためのデートをした。
これまでも意識してこなかったかと言えば噓になるが、親の了承のもときちんと婚約者となったからには、そういう意味で仲良くなったほうがいいと思ったのだ。
若いメイドが教えてくれた人気の歌劇にはちょっぴり大人っぽい化粧をして、父様に聞いた絶景の名所にはエーミールの操る馬に相乗りして。
「ユリアーナ、本当に僕で良かった?バステル子爵家の入り婿になりたがる男は、他にもたくさんいただろうに」
「そうね、父様に確かめたことはないけれど、いくつか打診があったことは知っているわ」
「やっぱり!ユリアーナは美人だし、バステル子爵家は経営が安定しているし、正直言うとどうして僕なのか不思議に思うよ」
「父様の考えは別にあるかもしれないけれど、私はエーミールを気に入っているわよ。だって最初からマルゴットに優しくしてくれたでしょう?たいていの男の人は上手に隠しているつもりで面倒くさいって顔をするわ」
ユリアーナは、耳にかかるエーミールの吐息と声にドキッとすることも、夕闇に隠れてエーミールにそっと口づけられたことも、ひっそりと心の宝箱に仕舞った。
(マルゴットにはそんなそぶりは見せられない)
父様がマルゴットはどこにも嫁がせないと言っていたから、きっとマルゴットはこれからもずっと独り身だろう。
つまりマルゴットは、こうした幸せを知らずに生きていくのだ。
(そんなマルゴットの前で恋にのぼせた女の顔をすることは絶対に駄目だ)
昔は性格以外そっくりだった双子の姉妹。
今は何もかも違ってしまって、全く別の道を歩んではいるが、それでもユリアーナにとってマルゴットは唯一無二の妹で、悲しませたくはない大切な存在であることに変わりなかった。
◇◆◇
エーミールが以前よりも頻繁にバステル子爵家を訪れては、ユリアーナをいろいろな場所にエスコートしていく。
その間、マルゴットはもちろん留守番だ。
二人は必ずマルゴットに土産を買って帰ってきたし、外で見聞きした話を面白おかしく聞かせてくれる。
どれもマルゴットがさみしい思いをしないようにと気を利かせているのだろうが、マルゴットは疎外感を募らせた。
「行ってらっしゃい。どうかゆっくり楽しんできてね」
今日もユリアーナとエーミールを送り出したあとに、ベッドの上で本を読んでいた。
若いメイドに借りた最新の恋愛小説だ。
ユリアーナとエーミールが観に行った歌劇は、この小説が原作なのだと聞いて興味をもった。
父様はたくさんの本を買ってくれるが、若い女性が好む本は門外漢だ。
だからこっそりメイドに頼んだのだが、その内容に今は打ちのめされている。
カサカサに乾いた指でめくった本の中には、胸を焦がすような男女の切ない愛と、そこから続く絡みつくような熱い夜の生活が生々しく描かれていた。
恋する女はなによりも美しく、それを求める男をこんなにも狂わせるのか。
愛する女を降りかかる不幸から救い出し、腕の中に護る男のなんと逞しいことか。
こんな男に優しく宝物のように抱かれれば、きっとどんな女も幸せを感じられるだろう。
マルゴットはそっと、白くて冷たいシーツに節の目立つ手を滑らせる。
「わたしがこのシーツの上でできることは、せいぜい寝そべることだけ」
女が感じる絶頂や、男に穿たれる悦びからは程遠い世界に自分はいる。
ふと、ユリアーナとエーミールが結婚したら、そういうことをするのだと考えいたる。
もしかすると自分が知らないだけで、すでに二人はしているのかもしれない。
(ユリアーナが男に愛される女の幸せを知っている?)
そう思うと居ても立っても居られない気持ちになった。
王立学園にいるころはユリアーナがお姫さまだったが、領地に戻ってきた今はマルゴットがお姫さまだ。
エーミールは婚約発表前、マルゴットに気があるそぶりをしていた。
年頃になってからは、視線の中にいやらしいものも含まれていた。
それが今ではどうだ。
エーミールは婚約者のユリアーナとしか出かけない。
エーミールを独り占めするユリアーナを憎いと思った。
「そうよ、三人でずっと一緒だと言ったじゃない。私がこの家に残ることを望んだのは二人のほうなんだから」
マルゴットの暗い瞳に、さらに暗い火が灯った。
「今日は庭師に頼んで水色の花を選んでもらったよ。マルゴットは強い香りが苦手だったろう?ちゃんとそれも考慮してあるからね」
「嬉しいわ、エーミール」
穏やかに三人の関係は続いた。
10歳の誕生日のあとも、エーミールはしばしばプレゼントを持ってバステル子爵家を訪問しては双子の姉妹と親交を深めた。
1年が経ち、2年が経ち。
年頃を迎えるとエーミールには喉仏ができて声が変わり、ユリアーナの体は女性らしい丸みを帯びるようになった。
だがそれを誰も話題にしない。
マルゴットが変わらなかったからだ。
いまだベッドの上か車椅子の上での生活が続いていて、食事の量も、回数も少ないため、全体的に中性的で痩せている。
ふっくらするはずの胸はなく、手足は枯れ枝のよう。
それでも三人は変わらずに幼馴染だったし、中庭でお菓子を食べながらのおしゃべりも楽しかった。
「ユリアーナが好きなあのシリーズ、最新作が出たらしいよ。王都から帰ってきた兄様がもう読んだと自慢していた」
「なんですって、やっぱり領地まで情報がくるのはどうしても遅いわね」
「父様にお願いしてみましょうよ。きっと王都のお友だちに頼んで送ってくださるわ」
だが同時に、大人たちがなにも言わなくても、自分たちに期待されているだろう将来をうっすらと感じ取っていた。
いつか三人に訪れる岐路が、三人を分かたないことを祈った。
◇◆◇
双子の姉妹が18歳の誕生日を迎えたのに合わせて、ユリアーナとエーミールの婚約が発表された。
その日、これまでの誕生日とは比べものにならない盛大なパーティがバステル子爵家で催される。
「これでバステル子爵家は安泰ですな」
「まったくお似合いの二人ですよ」
両家の親族はそろって招待され、ゾマー伯爵家秘蔵のワインも樽ごと開けられた。
マルゴットは心臓に良くないからとバステル子爵に取り上げられていたが、ユリアーナは初めて味わうワインに舌鼓を打った。
「ワインってこんな味がするのね。想像していたよりもずっと美味しいわ」
「ユリアーナが飲んでいるのは、口当たりが軽いワインなんだよ」
エーミールはすでに飲みなれているようで、ユリアーナが飲み過ぎないか隣で心配している。
いずれこの位置が当たり前になるのだ。
夫婦になる実感がユリアーナにじわじわと湧いてきた。
2年後に結婚をして、エーミールが入り婿となって、ユリアーナが正式に子爵位を継ぐのはそのときだ。
バステル子爵とゾマー伯爵が考えていた通りの未来が現実となりつつあった。
ユリアーナとエーミールは、同時にマルゴットのことを憂う。
「父様、マルゴットは私たちが結婚した後はどうなるのでしょう」
「これまで僕たちは幼馴染として三人で仲良くしてきました。それがマルゴットだけ離れて暮らすというのも、寂しいのではないでしょうか」
悲しそうな顔をして相談してきた二人をバステル子爵は無下にはしない。
「そうか、お前たちはマルゴットのことを心から考えてくれているのだな」
バステル子爵はユリアーナが結婚したら隠居して、新婚二人の邪魔にならぬようマルゴットを連れて田舎の別荘にでも引っ込むつもりだった。
もちろん心臓の病の専門医も連れて行く。
なんならその田舎にまた大きな病院を建ててもいいと考えていた。
しかし二人が希望して、マルゴットもこのままバステル子爵家に残りたいのなら、ずっと邸にいても構わない。
そう話すとマルゴットを含めて三人は手を取り合って喜んだ。
「よかったわね、マルゴット。これでずっと私たちは一緒よ」
「ユリアーナ、エーミール、離れ離れになったら嫌だわってずっと思っていたの」
「僕たちは仲良しの幼馴染だからね、これまでもこれからも」
このまま変わらずにいられるとこのときは思った。
◇◆◇
ユリアーナは婚約が決まってから、エーミールと二人だけで外出をするようになった。
「今日は先に僕の見たい店に行っていいかい?質のいい革小物が入荷したらしいんだ」
「ああ、あの通りのお店ね。いいわよ、私もちょうど欲しいものがあるのよ」
恋人同士のようにつれだって、街で買い物をしたりレストランで飲食をしたり、友だちから一歩踏み出すためのデートをした。
これまでも意識してこなかったかと言えば噓になるが、親の了承のもときちんと婚約者となったからには、そういう意味で仲良くなったほうがいいと思ったのだ。
若いメイドが教えてくれた人気の歌劇にはちょっぴり大人っぽい化粧をして、父様に聞いた絶景の名所にはエーミールの操る馬に相乗りして。
「ユリアーナ、本当に僕で良かった?バステル子爵家の入り婿になりたがる男は、他にもたくさんいただろうに」
「そうね、父様に確かめたことはないけれど、いくつか打診があったことは知っているわ」
「やっぱり!ユリアーナは美人だし、バステル子爵家は経営が安定しているし、正直言うとどうして僕なのか不思議に思うよ」
「父様の考えは別にあるかもしれないけれど、私はエーミールを気に入っているわよ。だって最初からマルゴットに優しくしてくれたでしょう?たいていの男の人は上手に隠しているつもりで面倒くさいって顔をするわ」
ユリアーナは、耳にかかるエーミールの吐息と声にドキッとすることも、夕闇に隠れてエーミールにそっと口づけられたことも、ひっそりと心の宝箱に仕舞った。
(マルゴットにはそんなそぶりは見せられない)
父様がマルゴットはどこにも嫁がせないと言っていたから、きっとマルゴットはこれからもずっと独り身だろう。
つまりマルゴットは、こうした幸せを知らずに生きていくのだ。
(そんなマルゴットの前で恋にのぼせた女の顔をすることは絶対に駄目だ)
昔は性格以外そっくりだった双子の姉妹。
今は何もかも違ってしまって、全く別の道を歩んではいるが、それでもユリアーナにとってマルゴットは唯一無二の妹で、悲しませたくはない大切な存在であることに変わりなかった。
◇◆◇
エーミールが以前よりも頻繁にバステル子爵家を訪れては、ユリアーナをいろいろな場所にエスコートしていく。
その間、マルゴットはもちろん留守番だ。
二人は必ずマルゴットに土産を買って帰ってきたし、外で見聞きした話を面白おかしく聞かせてくれる。
どれもマルゴットがさみしい思いをしないようにと気を利かせているのだろうが、マルゴットは疎外感を募らせた。
「行ってらっしゃい。どうかゆっくり楽しんできてね」
今日もユリアーナとエーミールを送り出したあとに、ベッドの上で本を読んでいた。
若いメイドに借りた最新の恋愛小説だ。
ユリアーナとエーミールが観に行った歌劇は、この小説が原作なのだと聞いて興味をもった。
父様はたくさんの本を買ってくれるが、若い女性が好む本は門外漢だ。
だからこっそりメイドに頼んだのだが、その内容に今は打ちのめされている。
カサカサに乾いた指でめくった本の中には、胸を焦がすような男女の切ない愛と、そこから続く絡みつくような熱い夜の生活が生々しく描かれていた。
恋する女はなによりも美しく、それを求める男をこんなにも狂わせるのか。
愛する女を降りかかる不幸から救い出し、腕の中に護る男のなんと逞しいことか。
こんな男に優しく宝物のように抱かれれば、きっとどんな女も幸せを感じられるだろう。
マルゴットはそっと、白くて冷たいシーツに節の目立つ手を滑らせる。
「わたしがこのシーツの上でできることは、せいぜい寝そべることだけ」
女が感じる絶頂や、男に穿たれる悦びからは程遠い世界に自分はいる。
ふと、ユリアーナとエーミールが結婚したら、そういうことをするのだと考えいたる。
もしかすると自分が知らないだけで、すでに二人はしているのかもしれない。
(ユリアーナが男に愛される女の幸せを知っている?)
そう思うと居ても立っても居られない気持ちになった。
王立学園にいるころはユリアーナがお姫さまだったが、領地に戻ってきた今はマルゴットがお姫さまだ。
エーミールは婚約発表前、マルゴットに気があるそぶりをしていた。
年頃になってからは、視線の中にいやらしいものも含まれていた。
それが今ではどうだ。
エーミールは婚約者のユリアーナとしか出かけない。
エーミールを独り占めするユリアーナを憎いと思った。
「そうよ、三人でずっと一緒だと言ったじゃない。私がこの家に残ることを望んだのは二人のほうなんだから」
マルゴットの暗い瞳に、さらに暗い火が灯った。
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