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29話 在りし日の姿
完全に体の自由を奪われたデクスターの喉を伝い、珈琲が体内へと入り込む。
対象者に摂取されたのを感知して、媚薬ポーションはすぐに効能を発揮し始めた。
「ぐう……っ」
珈琲が喉を通った後に、レイチェルはデクスターの束縛を解いたようだ。
おかげで体は動くようになったが、それでもデクスターは立ち上がることができなかった。
手足の先まで痺れて、まったく力が入らない。
座っていたソファから崩れ落ち、床に這いつくばると、はあはあと荒い息を吐く。
体が芯から火照っていて、うまく思考を制御することができない。
デクスターの中で、熱が奔流となって渦巻いていた。
「素晴らしい効き目だわ。見ているだけで、私の体も熱くなりそう」
デクスターの苦しむ姿にレイチェルはもよおし、簡易なドレスのスカート越しに、自分の秘所を指で擦り出す。
それだけでたまらなくなったのか、うずくまるデクスターに馬乗りになるレイチェル。
「早く交わりましょう。そして勇者さまは、私の夫となるのよ」
デクスターの服を脱がそうと手をかけたレイチェルだったが、そこで布が避ける音がして異変に気がつく。
馬乗りになっていたデクスターの下半身が揺れると、大きな丸太のように安定感のあるものに変わったのだ。
不思議に思って、下半身を覆い隠している己のドレスの裾を持ち上げかけたが、今度はバリィッと派手な音がして、デクスターの上衣が背中から破れた。
その原因は、レイチェルにもはっきり見えた。
「な、何……その蝙蝠みたいな翼、それに……頭から角?」
下半身でとぐろを巻き、ゆっくりと起き上がったデクスターは、完全に在りし日の淫魔の姿を取り戻していた。
◇◆◇
【お嬢ちゃん、大変だ! デクスターがお姫さまに、媚薬ポーションを飲まされた!】
そのころ、危機を察知したホレイショは、すでにウェンディのもとへ飛んでいた。
懐かしい学園時代の友だちとおしゃべりを楽しんでいたウェンディだったが、デクスターを助けるためホレイショと共にすぐさま瞬間移動をする。
そして、会場の奥にひっそりと用意された休憩室で、レイチェルと同じものを目にするのだった。
「デクスターさま……その姿は、どうして?」
【オレが見たときはまだ、デクスターは人間の姿だったぜ】
「ということは、効能を発揮した媚薬ポーションに反応して、魔王の核が目覚めてしまった可能性があるわ」
【どうする? お嬢ちゃんは何か、手立てになるポーションを持ってるか?】
「夜会に参加するには、王城の入り口で手荷物検査を受けるの。だからポーションの類は持ち込めないのよ」
本来は、こうした媚薬ポーション等の持ち込みによる事故や事件を防ぐための手荷物検査だが、王族が使用しているのだから本末転倒だ。
デクスターの姿に怯えたレイチェルは、部屋の隅まで後ずさり、泣きながらガタガタと震えている。
それを横目で確認して、ウェンディはホレイショと話し合う。
「ここにポーションはないけれど、私の体にはまだ、時を遡るポーションで描いた魔法陣が残っているの」
【あのピンク色の派手なやつか。デクスターに吸い込まれて、消えたんじゃなかったのか?】
「三つは消えたわ。実は、あと二つ残っているのよ」
残った二つは、緊急用だった。
三つまで使用して、どうしても駄目だったときのために描いたものだ。
実際、デクスターには三つの使用で終わった。
もはや残った二つが活躍する場面などないだろうと、思っていたのに。
デクスターは、どこか遠くを見るような虚ろな目をして、目の前に立つウェンディをウェンディと認識していない。
しかし下半身のスリットからは、禍々しい男性器が飛び出し、媚薬ポーションと淫魔寄りの思考に、侵されているのが分かる。
「ホレイショ、お父さまにもこの状況を伝えてくれる? お父さまには、媚薬ポーションの効果を打ち消すポーションを制作してもらいたいの。王城の施設を使うより、うちの研究室へ飛んだほうが材料も揃っているはずよ」
【それまでお嬢ちゃんは、ここでデクスターを見張るんだな?】
「ええ、できれば残った魔法陣を使って、デクスターさまの中の魔王の核を、また眠りにつかせるつもりよ」
【お嬢ちゃんに危険はないか? 魔王の核の反発がすごいと、デクスターはまた乗っ取られるんだろう?】
「デクスターさまは毎日、魔王の核を小さくするポーションを飲んでくれたわ。だから、以前に封じ込めたときよりも、魔王の核は力を削がれているはずなの。目算では勝率があるんだけど……」
なんでもやってみるまでは、結果は出ない。
机上の論にあふれているのが、研究の世界だ。
このままではデクスターが魔物だと、方々に知られてしまう。
それはなんとしても防ぎたい。
「やるしかないわ。ホレイショも、お父さまの件、頼んだわよ」
【分かった! 行ってくる!】
ウェンディとホレイショは作戦会議を終え、それぞれの役目を果たすために動き出す。
ウェンディはデクスターを興奮させないよう、ゆっくりと近づいていく。
そして淫魔となった体に腕を回し、愛するデクスターを抱き締めた。
「デクスターさま、大丈夫、私が必ず、元に戻してみせます」
デクスターの紫色の瞳が、ようやくウェンディの存在を捉える。
しかし、そこに意思は感じられず、口からはうめき声が漏れるだけだった。
「デクスターさまも戦っているのね。魔王の核が、思考を奪おうとしているのでしょう?」
デクスターを苛む忌々しい核の弱点は、快楽だ。
防御が緩むその瞬間を狙って、時を遡るポーションで描いた魔法陣を叩きこんでやる。
いつもは穏やかなウェンディの青い瞳に、闘志の炎が燃えた。
「いつかは結ばれるんだから、それが今日になっただけよ。だからデクスターさま、後で悔やまないでくださいね」
ウェンディが伸ばした手の先には、うねうねと興奮しているデクスターの男性器がある。
イソギンチャクの棘は柔らかく、嬉しそうにウェンディの指に絡みついてきた。
ウェンディが両手をつかって扱き上げると、頭上からデクスターの嬌声が聞こえ始める。
「ぁ、はっ……ん、ん」
「デクスターさま、愛しています。どんな姿であっても、あなただけを」
すぐにデクスターの男性器の溝を通り、精液が漏れてきた。
ウェンディの手淫に、感じているのだろう。
まだ意識が朦朧としているデクスターに、協力してもらうのは難しいので、ウェンディは自分の力でデクスターによじ登ると、両脚をデクスターの腰に回した。
とぐろを巻いて床の上に座るデクスターへ、しがみつく格好になったウェンディ。
「対面座位って名前だったかしら? 位置を確認しながら入れられるし、ちょうどいいかもね」
ウェンディは握りしめているイソギンチャクを、スカートを捲り上げた己の下半身にあてがう。
下着のクロッチをずらし、ここだと思う場所へ狙いをつけた。
デクスターの男性器は、膨らんだ風船のように柔らかいので、握り方で形を変えられる。
なるべく入りやすいように先を細くすると、ウェンディは躊躇わずに己の両孔にそれらを突っ込んだ。
奥へぐっと押しつけると、ウェンディの中に描かれた魔法陣が、デクスターを対象者だと認識したのが分かった。
「これでいいわ。あとはデクスターさまを射精まで導けば、時を遡るポーションが仕事をしてくれるはず」
ウェンディに残された二つの魔法陣は、女陰と後孔にあった。
どちらも反転させた魔法陣を描くのに、とても苦労したのをウェンディは思い出す。
「あのときほど、体が硬いのを恨んだことはなかったわ。あとから紙に描いて転写する方法を思いついて、どうして最初からこうしなかったのか、愚かな自分に呆れたものよ」
前後に腰を動かし、デクスターの精液で滑りをよくする。
そして、いよいよ最奥までデクスターを迎えようとしたとき、ウェンディの尻肉を持ち上げる手があった。
「ウェンディ、これは……どういう状況?」
躊躇いがちに尋ねる声は、デクスターのものだ。
時を遡るポーションが仕事をするより早く、デクスターの精神力が魔王の核に打ち勝ち、意識を取り戻したのだろう。
そして予想外の現状に、デクスターはひどく困惑していた。
対象者に摂取されたのを感知して、媚薬ポーションはすぐに効能を発揮し始めた。
「ぐう……っ」
珈琲が喉を通った後に、レイチェルはデクスターの束縛を解いたようだ。
おかげで体は動くようになったが、それでもデクスターは立ち上がることができなかった。
手足の先まで痺れて、まったく力が入らない。
座っていたソファから崩れ落ち、床に這いつくばると、はあはあと荒い息を吐く。
体が芯から火照っていて、うまく思考を制御することができない。
デクスターの中で、熱が奔流となって渦巻いていた。
「素晴らしい効き目だわ。見ているだけで、私の体も熱くなりそう」
デクスターの苦しむ姿にレイチェルはもよおし、簡易なドレスのスカート越しに、自分の秘所を指で擦り出す。
それだけでたまらなくなったのか、うずくまるデクスターに馬乗りになるレイチェル。
「早く交わりましょう。そして勇者さまは、私の夫となるのよ」
デクスターの服を脱がそうと手をかけたレイチェルだったが、そこで布が避ける音がして異変に気がつく。
馬乗りになっていたデクスターの下半身が揺れると、大きな丸太のように安定感のあるものに変わったのだ。
不思議に思って、下半身を覆い隠している己のドレスの裾を持ち上げかけたが、今度はバリィッと派手な音がして、デクスターの上衣が背中から破れた。
その原因は、レイチェルにもはっきり見えた。
「な、何……その蝙蝠みたいな翼、それに……頭から角?」
下半身でとぐろを巻き、ゆっくりと起き上がったデクスターは、完全に在りし日の淫魔の姿を取り戻していた。
◇◆◇
【お嬢ちゃん、大変だ! デクスターがお姫さまに、媚薬ポーションを飲まされた!】
そのころ、危機を察知したホレイショは、すでにウェンディのもとへ飛んでいた。
懐かしい学園時代の友だちとおしゃべりを楽しんでいたウェンディだったが、デクスターを助けるためホレイショと共にすぐさま瞬間移動をする。
そして、会場の奥にひっそりと用意された休憩室で、レイチェルと同じものを目にするのだった。
「デクスターさま……その姿は、どうして?」
【オレが見たときはまだ、デクスターは人間の姿だったぜ】
「ということは、効能を発揮した媚薬ポーションに反応して、魔王の核が目覚めてしまった可能性があるわ」
【どうする? お嬢ちゃんは何か、手立てになるポーションを持ってるか?】
「夜会に参加するには、王城の入り口で手荷物検査を受けるの。だからポーションの類は持ち込めないのよ」
本来は、こうした媚薬ポーション等の持ち込みによる事故や事件を防ぐための手荷物検査だが、王族が使用しているのだから本末転倒だ。
デクスターの姿に怯えたレイチェルは、部屋の隅まで後ずさり、泣きながらガタガタと震えている。
それを横目で確認して、ウェンディはホレイショと話し合う。
「ここにポーションはないけれど、私の体にはまだ、時を遡るポーションで描いた魔法陣が残っているの」
【あのピンク色の派手なやつか。デクスターに吸い込まれて、消えたんじゃなかったのか?】
「三つは消えたわ。実は、あと二つ残っているのよ」
残った二つは、緊急用だった。
三つまで使用して、どうしても駄目だったときのために描いたものだ。
実際、デクスターには三つの使用で終わった。
もはや残った二つが活躍する場面などないだろうと、思っていたのに。
デクスターは、どこか遠くを見るような虚ろな目をして、目の前に立つウェンディをウェンディと認識していない。
しかし下半身のスリットからは、禍々しい男性器が飛び出し、媚薬ポーションと淫魔寄りの思考に、侵されているのが分かる。
「ホレイショ、お父さまにもこの状況を伝えてくれる? お父さまには、媚薬ポーションの効果を打ち消すポーションを制作してもらいたいの。王城の施設を使うより、うちの研究室へ飛んだほうが材料も揃っているはずよ」
【それまでお嬢ちゃんは、ここでデクスターを見張るんだな?】
「ええ、できれば残った魔法陣を使って、デクスターさまの中の魔王の核を、また眠りにつかせるつもりよ」
【お嬢ちゃんに危険はないか? 魔王の核の反発がすごいと、デクスターはまた乗っ取られるんだろう?】
「デクスターさまは毎日、魔王の核を小さくするポーションを飲んでくれたわ。だから、以前に封じ込めたときよりも、魔王の核は力を削がれているはずなの。目算では勝率があるんだけど……」
なんでもやってみるまでは、結果は出ない。
机上の論にあふれているのが、研究の世界だ。
このままではデクスターが魔物だと、方々に知られてしまう。
それはなんとしても防ぎたい。
「やるしかないわ。ホレイショも、お父さまの件、頼んだわよ」
【分かった! 行ってくる!】
ウェンディとホレイショは作戦会議を終え、それぞれの役目を果たすために動き出す。
ウェンディはデクスターを興奮させないよう、ゆっくりと近づいていく。
そして淫魔となった体に腕を回し、愛するデクスターを抱き締めた。
「デクスターさま、大丈夫、私が必ず、元に戻してみせます」
デクスターの紫色の瞳が、ようやくウェンディの存在を捉える。
しかし、そこに意思は感じられず、口からはうめき声が漏れるだけだった。
「デクスターさまも戦っているのね。魔王の核が、思考を奪おうとしているのでしょう?」
デクスターを苛む忌々しい核の弱点は、快楽だ。
防御が緩むその瞬間を狙って、時を遡るポーションで描いた魔法陣を叩きこんでやる。
いつもは穏やかなウェンディの青い瞳に、闘志の炎が燃えた。
「いつかは結ばれるんだから、それが今日になっただけよ。だからデクスターさま、後で悔やまないでくださいね」
ウェンディが伸ばした手の先には、うねうねと興奮しているデクスターの男性器がある。
イソギンチャクの棘は柔らかく、嬉しそうにウェンディの指に絡みついてきた。
ウェンディが両手をつかって扱き上げると、頭上からデクスターの嬌声が聞こえ始める。
「ぁ、はっ……ん、ん」
「デクスターさま、愛しています。どんな姿であっても、あなただけを」
すぐにデクスターの男性器の溝を通り、精液が漏れてきた。
ウェンディの手淫に、感じているのだろう。
まだ意識が朦朧としているデクスターに、協力してもらうのは難しいので、ウェンディは自分の力でデクスターによじ登ると、両脚をデクスターの腰に回した。
とぐろを巻いて床の上に座るデクスターへ、しがみつく格好になったウェンディ。
「対面座位って名前だったかしら? 位置を確認しながら入れられるし、ちょうどいいかもね」
ウェンディは握りしめているイソギンチャクを、スカートを捲り上げた己の下半身にあてがう。
下着のクロッチをずらし、ここだと思う場所へ狙いをつけた。
デクスターの男性器は、膨らんだ風船のように柔らかいので、握り方で形を変えられる。
なるべく入りやすいように先を細くすると、ウェンディは躊躇わずに己の両孔にそれらを突っ込んだ。
奥へぐっと押しつけると、ウェンディの中に描かれた魔法陣が、デクスターを対象者だと認識したのが分かった。
「これでいいわ。あとはデクスターさまを射精まで導けば、時を遡るポーションが仕事をしてくれるはず」
ウェンディに残された二つの魔法陣は、女陰と後孔にあった。
どちらも反転させた魔法陣を描くのに、とても苦労したのをウェンディは思い出す。
「あのときほど、体が硬いのを恨んだことはなかったわ。あとから紙に描いて転写する方法を思いついて、どうして最初からこうしなかったのか、愚かな自分に呆れたものよ」
前後に腰を動かし、デクスターの精液で滑りをよくする。
そして、いよいよ最奥までデクスターを迎えようとしたとき、ウェンディの尻肉を持ち上げる手があった。
「ウェンディ、これは……どういう状況?」
躊躇いがちに尋ねる声は、デクスターのものだ。
時を遡るポーションが仕事をするより早く、デクスターの精神力が魔王の核に打ち勝ち、意識を取り戻したのだろう。
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