鮮血の機神兵

安いカラオケ屋さん

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2章・十字架

[遭遇]

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「なんでこんな所に人間がいんの?」

ロングカーディガンをきた黒髪短髪の男がそこにいた。

「あー…。まだ残ってたんだ…。」

と、男はポリポリと頭をかきながら言った。

「何のことだ?」

と自分はこの男が何を言っているのか理解出来なかった。

「残っていたんだ?」と男は言った。

どうゆうことだ?

「お前、ここで起きた殺人のことでなんか知ってるのか?」

男は首をかしげ

そして

あはははははははは!!!と笑い始めた。

なぜ笑っている?

そして男は

「そーそー…。ここであったんだよねー。殺人…。ミイラ死体…だっけ?」

と、不気味な雰囲気を出して言った。

ここにいたら不味い。そう思った。

なにか悪いことが起きると思った。

「お前さ…腹減ってねーか?」

と、男はいきなり言ってきた。

「いいや、減ってないが…。」

「お前…何者だ?残っていたと言ったが、何か勘違いしてないか?」

自分は少し焦って言った。

身の危険を感じたからだ。

「そーか、減ってねーんだ…。」

小さい声でそう言うと

「俺さぁ…今ホントに腹減ってんだよね。だからさ…」  

そう言ってこっちに向かってくる。

自分は後ずさりをしながら男との距離をあけた。

だが刹那、男は自分に向かってきて

「テメーを喰わせろぉ!!」と襲ってきた。

男の一撃をかわし、逃走を試みたが

「逃げんじゃねぇ!」

男は興奮し蹴りをくらわされた。

「痛ぅ…!」

こいつ…強い…。

闘えば必ず負けるだろうと思った。

だが今は闘う事しか解決策はなかった。

男のパンチは素早く、見切るのは難しい。

そしてその拳は自分を確実に殺すために打ち

空気を震わせる。

しかし、自分はカウンターを狙い、パンチをかわしスキが出るのを待つ

「テメー、つえーな!」

男はまるで遊んでいるようだった。

「ここの連中はみんなガリガリだったから歯ごたえなくてよぉ!」

「俺も久しぶりに闘うんだからもっと楽しませろよぉ!」

「ちょっとまってくれ!なにか勘違いしてないか?」

こいつ…何を言ったって聞く耳持たないぞ。 

男のパンチをかわしカウンターパンチを浴びせた。

しかし、それをよけられ、男はハイキックを繰り出した。

自分はもろにみぞにうけ、体制を崩してしまった。

すかさず男はそこを見逃さず

「もうおわりかぁ!」

といい、アッパーを繰り出した。

これ以上やられたらやばい!

そう思い「しょうがない…奥の手だ!」

その瞬間、起動音がなり、瞬時に間合いに入った。

男に驚く暇も与えず自分の重いパンチが男の腹にめり込んだ。

グリィ!!!というめり込む音をしながら男の筋肉を揺らし男を吹っ飛ばした。

男は建物にぶつかり倒れ込んだ。

流石に今回はキツかった。だが、やつは何か知っている。

全てが終わった。そう思った。

しかし、「あー!痛てーじゃねーか!」

男は何事も無かったかのように立ち上がり

「俺にダメージを与えられるなんてやるなぁ!」

と、嬉しそうに言った。

「だがなぁ…お前の腕見てみな!」

自分の腕に切り傷がある。

あの殴られた一瞬でやったのか…。

そして男は

「やめよやめよ!お前ここの人間じゃねーだろ?」

「さっきからそういってんじゃないか!」

少し自分は怒りそう言った。

「でもよー、テメーの腕さぁ、なんかおかしんだよなぁ。」

男はうーんと考えながら言った。

「なんか人間の肌じゃあぁねー気がすんだよ。硬すぎるというかな。」

こいつ…。

自分は少し焦った。こいつまさか自分の正体にきずいてしまったのかと

そして男は確信ある目で

「お前さぁ…人間じゃねーだろ…。」

ニヤリとしながら男はいい

「まぁ、俺も人間とはほど遠いんだが、分かるんだよ。お前美味そうな匂いがしねぇ…。鉄くせぇスクラップの匂いがする。」

自分はずっと黙っていた。

だが、男は1人で喋り続けた。

「さっきの技も打つ前に変な音したよな…。あれってなんかギミックあんじゃねーの?」

「それはお前もだろ?」

「どういうことだ?」

男は少し笑いながら言った。

「お前も人じゃないな。」

すると男はまた笑いだし

「せーかい!!!俺は人じゃねーぞ?やったな!俺とお前はご近所だな!」

無人の住宅街での男2人の会話は続く

絡み合う視線。さっき戦闘をしていただけあり、会話だけなのに、妙な緊迫感がある。

「てか、お前が俺の腹殴る時にした音!あれなんだ?」

「いやぁ、普通は俺の腹をこんなには出来ない…。」

そういい、男は血まみれになった腹を見せた。

「まぁ、こんなの少し経てば治るんだけどな。」

とまた笑いながらいい、傷は瞬時に治ってしまった。

そして

「あとな!いいことおしえてやるよ!」

そういい、男は

「あの事件の犯人よぉ…。俺なんだよ!」

男の顔は狂気に満ちていた。



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