学園最低クラスの天才生徒~最強は最弱に配属されるそうです~

あどりりりりり

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最強は最弱を気取るそうです

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 とある晴れた春の日。
 俺は新調した制服を着て、桜の花びらが舞いちる坂を下っていた。

 なんで新調した制服なんか着てるのかって? 理由は簡単。今日、魔法学院の入学式があるからだ。

 魔法学園っていうのは、その名の通り、魔法を使える人間を養成する学校だ。
 といっても、魔法使いの中でも、才能のある魔法使いだけだが。
 まあ、魔法や魔法使いついては後で説明しよう。今は学園に急がねば。

 坂の下の角を曲がると学園が見えてきた。高さは約20メートルってところか……、横幅は……でか過ぎて分からないなー。視界に収まりきらない。

 因みに、魔法学園は毎年女子のレベルがめっちゃ高いらしい。そこだけは男としてちょっと期待してる。
 確かに、注意してみてると、さっきから目につく女子はみんな美人さんだ。これは……なかなか期待できるかもしれない。

 と、未来の自分に期待をはせていると、どっかから声が聞こえてくる。

「俺、絶対この学園で一番の魔法使いになるんだ!」
「へー、そうなんだ……」
 
 見ると、男女(多分同い年)が並んで道を歩いていた。男子がちょっと女子にウザがられてる気がしなくもない……。が、結論としてとりあえず、リア充は死ね。

 ま、それはおいといて。
 学園で一番の魔法使いになる……さっきの男の子の目標なんだろう。
 まあ、目標を持つことも大事だからな。俺もなんか目標を作った方がいいんだろうけど、作ってもすぐ達成しちゃいそうだしなー。まあ、おいおい考えていこう。

「はぁ……強すぎるっていうのも、なかなかに困ったもんだな……」

 俺がそんな贅沢な悩みをこぼしていると、

「あれ?君もEクラスなの?」

 なんか誰かが横から話しかけてきた。
 そっちに視線を向けると、そこには、女子がいた。黒髪のストレートロングの美人だ。……モテそう。俺とは別次元にいる存在かな。……あれ?女子?……幻覚か。そろそろ俺も末期かな……。

「聞いてる?」
「え? あ、ああ。き、聞いてるよ?」

 あれ?もしかして幻覚じゃない?本物の女子?ていうか……誰?俺の知り合いにこんな奴いたっけ……。
 俺が、記憶の中を探っていると、また、その女子が話しかけてくる。

「その胸につけてる記章……Eクラスのだよね?」
「う、うん。多分、そうだと思う」

 ……くそ、女子と話しやすくなる魔法ってないのか!俺の固有魔法【コミュ障】が発動しちまう……いや、現在進行形で発動してる!

「良かった~。同じクラスの人、全然見かけないから、少し不安だったんだよね。」
「あ、確かに……」

 全然Eクラスの記章を付けている人は見てない気がする。他のクラスの生徒はいっぱい居るんだけどな。

「最底辺同士、頑張ろうね!」
「う、うん。がんばろう」

 魔法学園の中でも、強さ順にクラス分けされていて、上から、A、B、C、D、E、という順番になっている。俺とこの子の所属するクラスは最底辺なのだ。

「君、名前は?」
「あ、えっと、神崎 皇です」
「ふむふむ。皇ね。私は鈴谷 遥。よろしくね!」
「う、うん、よ、よろしく……」

 神様……登校一日目でコミュ障の俺にこのミッションはちとばかしキツイんじゃないでしょうか……。いや、正直めちゃくちゃキツイです……。助けてください……。

「きゃっ!」

 俺がどんよりした気分になっていると、遥の小さい悲鳴が聞こえてきた。
 驚いて、そっちを見てみると、そこには、二人のチャラ男(?)に腕を掴まれた遥がいた。
 いや……。

「は、遥の友達怖いな……」

 男二人がかりで女の子の腕をつかむなんて……ちょっと友達としては強引なんじゃないか?女性はもう少し丁寧に扱ったほうがいいって師匠が……。

「いや、友達じゃないから!逆に何でこの状況を見て友達だと思うの!?」
「あ、やっぱりそうなんだ。友達にしてはなんかやばい雰囲気出してる思った」

 なんか、顔が怖いもんな。うん。

「ねえねえ、彼氏さん?ちょっとこの子貸してもらえないかな?」

 あー……チャラ男Aが喧嘩売ってきたみたい。……ん?今、彼氏って空耳が聞こえたような。

「痛い目にはあわせたくないんだがなぁ?」

 と思ったらチャラ男Bも喧嘩売ってきたようだ。
 ……にしても、こんな漫画のキャラみたいな奴ら現実に存在したんだな……。俺としてはこの絶滅危惧種を観察して、どう出るのか知りたいんだが……。

「い、今すぐ離してよ!私、これでも魔法学園の生徒なのよ!?」
「へー、そうなんだー。実は俺らもー、魔法使えちゃうんだよねー」
「見せてやろうか?」

 そんなわけにもいかないみたいだなぁ。あ、でも、チャラ男ABの魔法は見たいかも。手出しするのはもうちょい後にしようか。
 と言う訳で、取り敢えずなにもせずに見守る。

 すると、チャラ男Bが近くの地面に向かって魔法の詠唱を始める。

「《轟け雷鳴》」

 男の体の前に魔法陣が構築され、光を放つ。
 その刹那。雷光一閃。目にも止まらぬ速度で地面をえぐり、霧散した。

 ふむ。【ライトニング】か。ま、一般人としては上出来かな。

「ら、ライトニング……?」

 遥が驚いたように目をぱちくりさせる。
 いや、そんなに驚くことじゃ……もしかして、【ライトニング】程度の魔法すら、Eクラスのやつじゃ使えないのか……?

「俺も魔法学園に通ってたんだよ」
「え?」
「あ!?なんか文句でもあるのか?彼氏さんよぉ」
「いえ何でも……」

   いや、学園に通ってたのに使える魔法が【ライトニング】って……どうやって卒業したんだ……。出来るのか……?あれ、なんか彼氏って聞こえたような……。なんだ幻聴か。

「じゃあ、こっち来てくれるかなぁ?」
「うっ……わ、わかったわ。ただしそこの男の子には何も手出ししないで」

 ん?男の子って俺のこと?別に手出ししてくれてもいいんだが?てか、そっちの方が本気でやれるからありがたいんだけど。まあ、気遣いどうもありがとう。お前の人間性、俺の心には響いたぞ。

「分かった分かった。彼氏さんには手を出すなってことだな?……じゃあ、来い」

 っと……、そろそろ止めなきゃマズイか。遥が連れてかれちゃう。……ん?また彼氏って聞こえたような……。ま、いいや。気のせいだ気のせい。
   そう思い、遥を連れ去ろうとする男達に声をかける。

「俺が相手しますよー」

    すると、男達が一瞬固まって。

「「い、いや、俺たち、生憎、男の趣味はないんだ……」」
「違うわ!……いや、今のは俺が悪かったけどさ……。そうじゃなくて……ああ!もういい!お前ら二人共ビリビリの刑に処す!《神雷よ》!」

 二筋の超高速の雷が遥を避け、的確に男たちを射抜く。
 ドサッという音を立てて男達が崩れ去った。……今度人をからかうときは相手をちゃんと考えろ。

「す、すごい!今のって【ゴッドライトニング】だよね!?そんな魔法使えるんだ!?」
「まあ、そうだな。と言っても、出力最低まで落とした上に、詠唱を究極まで短くしてるから、人を殺すほどの威力はないぞ。気絶させるぐらいの威力はあるけど」
「本物の【ゴッドライトニング】も唱えられるの?」
「ああ。まあ。因みに、元の詠唱は《駆けよ神雷   雷鳴を轟かせ    敵を殲滅せよ》だ。覚えとくと役に立つかもしれんぞ」

 使えるかどうかは分からんが……。まあ、この魔法の詠唱を覚えておくに越したことはないだろ。なかなかに汎用性の高い魔法だからな。

「でも……なんでそんな魔法使えるのにEクラスなんかに……」
「俺はEクラスであってEクラスじゃないんだよ」
「それってどういう意味よ?」
「まあ、その内分かるさ」
「えー……」

   俺の正体なんかもそのうちバレるだろう。詳しいことはバレた時に話せばいい。別に自分から進んで自分のことを人に教える必要は無い。
   
   
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