俺のテイマーとかいう雑魚職業が実はチートだった件

あどりりりりり

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2章 異世界に美少女しかいない件

弱すぎんだろ俺……

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 カーテンから差し込む太陽の光が俺の瞼にチラチラと映り込んでくる。

「……ん。もう、朝か。」

 俺は、寝起きで霞む目を擦りながら、まだ起きたくないと抵抗する上半身を無理矢理起こした。
 横を見ると、クロノスとティアマトが人間の形を保ったまま寝ていた。小さな寝息を可愛らしくスースーと立てている。

「こう見ると、この二人も綺麗だなぁ。流石、俺の想像の人物だな……。やっぱいいセンスしてるわ。俺。」

 俺は、二人を見つめながら自画自賛をした。

 だってホントの事だもん。めっちゃ可愛いし。ちょっとエロチックだし。……多分、中身男なんだけどさ。
 いや、でも、これの中身が男じゃなかったら、俺は理性を保てないんじゃないか? 
 そう考えると、男でよかったとも思えてくる……。……ぐぁぁぁ!! どっちの方が良かったんだ!?

俺が大きな問題に頭を抱えていると、

「んにゃぁぁ……。……お。早起きだな、ユウト。」

「ふわぁ……。本当、お前はいつも俺たちより早く起きてるよな。すげぇわ。早起きの秘訣教えてくれ。」

 クロノスとティアマトも目を覚まし、目覚めて早々、疑問を投げかけてきた。
そんなの、早く寝ればいい話だろ……。
と、俺は思ったが、そんなことでコイツらが早く起きるのなら、そんなに苦労してないだろう、とも思い、言うのはやめておくことにした。

「いや、俺も今起きたところだよ。……ところで、今日は何するかなぁ。」

「そういや、目的もなかったな。よし。ちょっと遠くまで行って、修行でもするか。」

 ティアマトが平然とした顔で絶対に聞き逃せない爆弾発言をした。
 クロノスも、それに同意するようにウンウンと頷いている。
 それを聞いて、さっきまで少しずつ戻ってきていた俺の眠気が一気に吹っ飛ぶ。

「……え? なんか聞き間違えたかも。俺も年かなぁ? もう一回言ってもらえる?」

 答えは分かっているのだ。絶望的な言葉が返ってくると。
 それでも、少なからずある、聞き間違えという可能性に賭けたくなった。
 のだが、まあ、そんなものは無いに等しいようなもので。

「だから、特訓だ特訓。俺たちを使いこなせるようにな。」

「……嫌だと言ったら?」

「フッ。無理矢理でも連れてくさ。私達を舐めるなよ。」

 クロノスがなんかよく分からん、――でもとりあえずヤバそうな魔法陣を地面に描き始めた。

 ……ヤバイな。これは。しかし、こうなってしまった以上、やることは一つ!!!

俺はビョンっと宙に飛翔し、ガンッという音が鳴る程、大きな音を立てて地面に頭を打ち付けた。そして、一言。

「すみませんでしたぁぁぁぁ!!!!! 特訓受けますから殺さないでくださいいいいい!!!!!!」

これぞ日本古来からの必殺技! ジャンピング土下座だ! 日本人のすごさにひれ伏せ! 異世界のドラゴン!

「……」
「……」

全くの沈黙に、俺が顔を上げると、そこには唖然とする二人の顔があった。

「お、お前にはプライドというものがないのか?」

「ティ、ティアマトもそう思うか。これには流石に私も驚いた。」

……え? 土下座ぐらいでそんな言わんでも。いや、確かにプライドは捨ててるけどさ。だってあんなもん要らんだろ。メリットなんてほとんど無いし。

 そんなことを考える俺の目の前で魔法がどんどん構築されていく。
 青白い輝きを放つ、その魔法陣は、まるで、幻想を見ているような感覚に陥るほど美しかった。

「まあ、良いけどな。……よし、ティアマト。結構遠くにある森の中に繋がったぞ。取り敢えず人はいないだろう。」

「そうか。その魔法、まじ便利だな。俺もそっちの方が良かった。」

 そう言って、ティアマトがクロノスの描いた魔法陣の上に乗った。

「……え? それに乗るの?」

「当たり前だろう。これは空間と空間を繋げて転移する、クロノスにしか使えない魔法だ。絶対に俺には使えん。」

 それを聞いて、安心した俺は、ヒョイっと立ち上がると、魔法陣の上に乗った。
 すると、クロノスが何かを唱え、魔法陣がキラリと煌めいた。
 視界が一瞬で真っ白になり、次の瞬間には木が生い茂る森の中に俺はいた。

「すげぇ……。これが空間転移。」

 俺は感動した。ただひたすら感動した。
 この感動を言葉にすることは出来ないだろう。
 言葉にようとすると、どうしても稚拙が生じてしまう。

 地球という星に生まれてきたのにも関わらず、このよく分からない世界に連れてこられ、本物のドラゴンに出会い、そのドラゴンに転移魔法まで見せてもらえたのだ。

 こんな心の底から感動したのは、何年ぶりだろうか。
 久しぶりに生きてる心地がした。クロノスに感謝しなきゃな。

 俺がそう思った矢先、とんでもない言葉が飛んできた。

「よし、じゃあ、特訓始めるか!」

「うぇぇい! 久しぶりに竜に戻れるぜ! 暴れ回ってやるわ!!」

 そう言って、二人は人化の魔法を解いた。二人の体が、白と黒の対象的な光に包まれる。
 その光はみるみる内に大きくなり、元の二人の大きさにまで巨大化した。

光が消え去ると、中から二匹の竜が出てきた。

「も、もしかして、お前らと戦うの?」

「当たり前だろ? 強いヤツと実戦をやればやる程強くなる。成長スピードが早いのならば、それに越した事はないじゃないか。」

「その通りだぞ。……でも、まあ、流石に戦うのは無理だろうから、追いかけっこだけどな。」

「……いや、ちょっと何言ってるか、わからないんだけど。俺がお前らと戦ったら――」

 俺が言葉を言い切る前に、俺の顔の真横を、超高速の魔法弾が通過していった。
俺が古いロボットのように、首を軋ませながら、後ろを振り返ると、そこには小さな、しかし地面の奥深くまで穴が空いていた。

「どうした? 早く逃げんと死ぬぞ?」

「ぎょ、ぎょええええええ!! マジで死ぬ死ぬ死ぬ! アホか!? お前らアホなのか!? ちょっとは手加減しろよこのアホ共がぁぁぁぁ!」

 俺は大きな奇声をあげて、獣に見つかった獲物のように、無様に腰を曲げ、二匹から逃げ出した。 

 だって本当に怖かったんだもん。俺、チート持ってるわけじゃないから、絶対あの魔法当たったら死ぬし。

「ほれほれほれほれ」

 後ろからティアマトの声が聞こえてきたと思うと、俺の顔をかすめて、目の前に幾つかの炎魔法のようなものがが着弾する。
 魔法が着弾した場所は、あまりの熱さにドロドロに溶けて、ガラスになっている。

 それを見た俺は言葉にならない叫びをあげ、何度もコケながら、ただただ、森の中を疾走していった。

 いや、マジで怖いからな?
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