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9 女顔ビジュアル系攻め x 可愛めがんばり屋受け(2023.07.3)
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ノンケの受け。
高校時代、ひとつ上の先輩A♂から猛攻を受け、お付き合いを開始。
男同士なんてと最初は思っていたけど、Aに抱かれてる内に「いいかも」と思い始める。
Aが卒業する頃にはすっかりAにべた惚れしていたけど、Aは春から上京してしまう。
寂しくて泣く受けに、「一年後待ってるから」と言ってくれたA。
受けは頑張って勉強して、Aと同じ大学合格を目指す。
なんだけど、最初はこまめに連絡を取り合っていたのに、
「お前も受験勉強頑張れよ」
と段々と連絡が減っていくA。
夏休みは帰省してくれたけど、サークル活動とバイトがあるからと早々に帰ってしまう。
自分に勉強しろと言っているんだと捉えた受けは、そこから真剣に勉強に取り組む。
だけどどんどん減っていくAからの連絡。既読スルーも多くなり、電話すると
「疲れて寝てた」
「バイト中だった」
などばかり。
冬休み、とうとうAは帰省してこなかった。
「合格祈願、一緒にしようって言ってたじゃん」
「悪い、バイトが入っちゃって」
「……そっか」
「勉強頑張れよ」
「うん」
それでもAが頑張れと言ってくれたから、頑張った。
そして受けは無事Aと同じ大学に合格。
「受かったよ!」
と連絡すると、
「おめでとう受け。あ、ごめん、ちょっと急いでるんだ」
と切られてしまう。
ずっとまさかな、まさかなと思いながら、引っ越しの準備やらなにやらに忙殺される受け。
上京し、入学式を迎えた受け。
Aはサークルの合宿に行っていると言われ、会えなかった。
なにかおかしいと、薄々感じ始めていた受け。
でも、ノンケだった自分をこうしたことの責任は一生取ると言ってたAがまさか……と疑うのはやめようとした受け。
数日後、登校してサークル勧誘の波に揉まれていると、遠目に背の高いAを発見。
ようやく会えた! と思い追いかけようとしても、人混みに邪魔されて近付けない。
そうしている間にもAはどこかへと行ってしまう。
追いかける受け。
Aは誰かと並んで校舎の陰に隠れてしまった。
必死に探してようやくAを見つけた受け。
だけどAは可愛らしい男の子に抱きついてキスをしているところだった。
「今夜泊まりに行っていい?」
と甘い声で囁くA。
受けは何が起きているか分からず、その場に立ち尽くす。
「明日休みだからいいよ。楽しみ」
とか言っている可愛い男の子朝までしようとか言っているのを聞いて、愕然とする受け。
怒りで我を忘れた受け、
「A!」
と叫ぶ。ビクッとするA。
「……別れくらい、ちゃんと言えよ! ばーか!」
「……受け!」
Aは驚いて挙動不審。
「Aなんて、だいっきらいだ!」
「ま、待てよ受け!」
ぼろぼろ泣きながら走り去る受け。
やっぱりそうだったんだ。Aの態度が途中から素っ気なくなっていたのは、他に恋人が出来ていたからだったんだ。
涙で前が見えないまま走っていた受け、角で人とぶつかる。
「わっ」
「ご、ごめんなさい!」
ぶつかった相手は全身黒い服を着た、ピアスじゃらじゃらの黒髪長髪のきれいな女の人だった。
「大丈夫?」
受けよりも背が高くて、格好いい彼女は受けに手を貸して起こしてくれると、泣いている受けを見てぎょっとする。
「えっ! どこか痛い!?」
きれいな見かけからはちょっと意外なハスキーボイスで慌てる女の人。
「や、ちが、ごめんなさい……!」
「と、とりあえず泣き止んでよ」
女の人はお人好しなのか、涙が止まらない受けの肩を抱いて
「話してごらん、楽になるから」
と言ってくれた。
初対面の人に、しかもきれいな女の人にこんなことをと思ったけど、
「笑わないって約束するから吐き出しちゃいなよ」
と言われ、受けは泣きながらも事情を説明。
すると女の人は怒ってくれて、
「そんなサイテーな奴、そっちから振っちゃいなよ!」
と励ましてくれた。
男同士だからとか変な目で見られることもなくて、ようやく少し涙が止まってきた受け。
ふと気が付くと、受けは女の人にふんわりと抱き締められて腕の中にいる。
あれ? 距離バグってない? と思っていると、女の人は名前をマコトと名乗る。
「じゃあ傷が癒えるまでの間、ボクと付き合おうよ」
と提案してきた。びっくりする受け。
名前を聞かれて
「ライっていうんだ」
と名乗ると、
「ウソとマコトってぴったりじゃん」
と笑いながらキスされた受けことライ。
ボクっ子なのか、でも似合ってるなあとか、自分は元々ノンケだしありかも、と思ったライ、
「お友だちから」
って返事する。
連絡先を交換してお互いの学部を確認すると、同い年で同じ学部なことが判明。
「サークル入った?」
「ううん、まだ」
なんて仲良くなり、サークルもいいけど二人で夜ご飯を食べようって話になる。
結局Aは追いかけてこなかったな、なんて悲しく思っていると、マコトが目敏く気づいて
「そいつがいたら教えて」
と言われる。
「次の授業なに?」
「憲法」
「あ、一緒じゃん」
なんて言いながら歩き始めると、Aが走ってやってきた。
「ライ! 待てよ! 話を聞いてくれ!」
と言い出すAを見て、マコトが「あれ?」と尋ねる。
今更何を聞いたところで言い訳だろう。
裏切った言い訳なんて聞きたくない。
ライは返事をしないでマコトに「行こう」と声をかけると、マコトは何を思ったのかライを抱き寄せ、突然ぶちゅー! とキスをする。
「お、お前誰だよ!」
と騒ぐA。
マコトはキスをしたままAを見て鼻で笑うと、いきなりのことで目を白黒させているライを抱き寄せた。
「悪いけど今日からライはボクのものだから、消えろよ」
あれ? 思ったよりも低い声が出るんだね、なんてパニックになりながらも思ったライ。
「ライ! お前浮気してたのかよ!」
「浮気してたのはお前の方だろ、ばーか」
マコトは何も言い返せないライの代わりにポンポン言い返してくれた。
「二度とライに近づくんじゃねえよ浮気野郎が!」
とドスのきいた声で言い放ったマコトは格好よくて、ライはこれまでの何ヶ月間悶々と悩んでいたのがようやくすっきりできた気になった。
「マコトありがと」
また泣きながら言うと、
「……ライって可愛いよね」
とまたぶちゅーっとされる。
女の子ってこんなに積極的なんだ!? とカルチャーショックを受けるライ。
呆然とするAを尻目に授業に向かい、二人は授業の後食事をすることに。
マコトのアパートがすぐ近くだということで、マコトの家に招待される。
会ったその日におうちに行くとかいいのかな、なんてドキドキするライ。
「あー疲れたーちょっと部屋着に着替えさせて」
と言うマコトがいきなりガバっと脱ぎ始めたので「ええっ!?」と思って固まっていると、なんと出てきたのはぺったんこの胸。
「は!? お、男!?」
「え? ライってばボクのこと女だと思ってた訳? やだなあ」
と苦笑するマコト。
よくみたら喉仏もあるし、パンツ一丁になった下半身にはアレの膨らみもあればすね毛も生えている。
「ええええっ」
と更に驚くライを見ておかしそうに笑うマコト。
「女顔がどーしても直らなくてさ。ほら、ちゃんと男だろ?」
とか言いながら近寄ってくるマコト。
髪の毛は、マコトの姉が伸ばせ伸ばせとうるさくて伸ばしてたと聞き、
「……ライが短い方がいいって言うなら切るよ? 実家からようやく離れられたし」
とライを引き寄せる。
ライは驚きすぎて混乱していて、「???」状態。
「泣いてる顔が可愛くって、ボクのものにしようって思ったら家まで連れ込んじゃった。ごめんね?」
と言われながら、あれよあれよという間に食べられちゃうライ。
マコトはAと比べてメチャクチャ優しくて、
「こんないいものだったっけ!?」
と驚く。
「早くボクを好きになってね~」
と言うマコト、ライの色んな表情を見たくて映画を一緒に見て泣かせたりお笑いライブ行って思い切り笑ったりして、ライもマコトの素直さに絆されていく。
Aのことはショックだったけどこのまま忘れられるかな、なんて思っていた矢先、大学でひとりで講義を受けていると、Aに待ち伏せされる。
「話すことなんてない!」
というライに、Aは言い訳をした。
田舎に彼氏がいるのがダサく感じてしまい、遠距離してると言えなかったこと。
田舎よりも可愛い子が多くて目移りしてしまって、夏にライに会ったら野暮ったく感じてしまったこと。
だけど久々に会ったライは垢抜けてて、目を奪われてしまった。
不誠実なことをしたのは反省する、だから自分とやり直してほしいと頭を下げられ、怒髪天をついちゃうライ。
先に上京したAに見劣りしたくなくて、受験が終わってすぐにたくさんおしゃれを研究したライだったけど、まさか見た目しか見てなかったと知り、怒りに震えていると。
「そりゃまあライはボクが一目惚れしちゃうくらいには見た目可愛いけど、お前何も見えてねえの、もったいねえ」
と颯爽と現れるマコト。(次の講義が一緒なので迎えにきた)
「お前誰だよ! ライ、お前女と付き合ってたんじゃ!?」
とマコトを見て驚くA。
それもその筈、マコトは長かった髪をばっさりと切り、姉に見繕われていたビジュアル系っぽい服を一掃、どこから見ても男にしか見えない。(顔はきれいだけど)
「ライは子供ものを見るとすぐ泣くし、動物は大好きでペットショップの前から離れないし、卵焼きは激あまが好きでいつも砂糖たっぷり入れろって可愛いこと言うんだぞ! 脇の下よりヘソが弱いとか、お前はこれのどれかひとつでも知ってるのかよ!」
答えられないA。何故ならAはいつだって自分の話ばかりで、しかも奉仕も一切しなかったのだ。
マコトは
「見た目で判断されるのって嫌だもんな」
と言ってくれて、ライは
「マコトは俺が泣くときゅんとした顔になるし、料理は上手だし動物はそんなに好きじゃないの知ってるけど俺が好きだからって動物園も一緒に行ってくれて、俺の下手くそな焦げたカレー食べても美味しいって言ってくれるんだ!」
「人一倍お人好しで困ってる人は放っておけなくて、本当は拒絶されるのをすごく怖がって無理に笑ってる時があるのも知ってる! 俺はそんなマコトの隣で『俺がいるよ』って言い続けたい!」
驚き顔のマコトに、ライが伝える。
「マコト、大好き!」
「ライ……!」
Aは返事をされるまでもなく振られ
「ライ、今言ったこと本気にしていいの?」
「そうだよ!俺は女の子にしか見えないマコトでも、男っぽい今のマコトでも、全部ひっくるめてマコトだ好きだ!」
「ライ……!」
心から結ばれた二人は、大学卒業後に同棲。
パートナーになって、仲睦まじく暮らしましたとさ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ツイノベ集の表紙絵になっているのは、この作品に出てくるマコトくんです。
高校時代、ひとつ上の先輩A♂から猛攻を受け、お付き合いを開始。
男同士なんてと最初は思っていたけど、Aに抱かれてる内に「いいかも」と思い始める。
Aが卒業する頃にはすっかりAにべた惚れしていたけど、Aは春から上京してしまう。
寂しくて泣く受けに、「一年後待ってるから」と言ってくれたA。
受けは頑張って勉強して、Aと同じ大学合格を目指す。
なんだけど、最初はこまめに連絡を取り合っていたのに、
「お前も受験勉強頑張れよ」
と段々と連絡が減っていくA。
夏休みは帰省してくれたけど、サークル活動とバイトがあるからと早々に帰ってしまう。
自分に勉強しろと言っているんだと捉えた受けは、そこから真剣に勉強に取り組む。
だけどどんどん減っていくAからの連絡。既読スルーも多くなり、電話すると
「疲れて寝てた」
「バイト中だった」
などばかり。
冬休み、とうとうAは帰省してこなかった。
「合格祈願、一緒にしようって言ってたじゃん」
「悪い、バイトが入っちゃって」
「……そっか」
「勉強頑張れよ」
「うん」
それでもAが頑張れと言ってくれたから、頑張った。
そして受けは無事Aと同じ大学に合格。
「受かったよ!」
と連絡すると、
「おめでとう受け。あ、ごめん、ちょっと急いでるんだ」
と切られてしまう。
ずっとまさかな、まさかなと思いながら、引っ越しの準備やらなにやらに忙殺される受け。
上京し、入学式を迎えた受け。
Aはサークルの合宿に行っていると言われ、会えなかった。
なにかおかしいと、薄々感じ始めていた受け。
でも、ノンケだった自分をこうしたことの責任は一生取ると言ってたAがまさか……と疑うのはやめようとした受け。
数日後、登校してサークル勧誘の波に揉まれていると、遠目に背の高いAを発見。
ようやく会えた! と思い追いかけようとしても、人混みに邪魔されて近付けない。
そうしている間にもAはどこかへと行ってしまう。
追いかける受け。
Aは誰かと並んで校舎の陰に隠れてしまった。
必死に探してようやくAを見つけた受け。
だけどAは可愛らしい男の子に抱きついてキスをしているところだった。
「今夜泊まりに行っていい?」
と甘い声で囁くA。
受けは何が起きているか分からず、その場に立ち尽くす。
「明日休みだからいいよ。楽しみ」
とか言っている可愛い男の子朝までしようとか言っているのを聞いて、愕然とする受け。
怒りで我を忘れた受け、
「A!」
と叫ぶ。ビクッとするA。
「……別れくらい、ちゃんと言えよ! ばーか!」
「……受け!」
Aは驚いて挙動不審。
「Aなんて、だいっきらいだ!」
「ま、待てよ受け!」
ぼろぼろ泣きながら走り去る受け。
やっぱりそうだったんだ。Aの態度が途中から素っ気なくなっていたのは、他に恋人が出来ていたからだったんだ。
涙で前が見えないまま走っていた受け、角で人とぶつかる。
「わっ」
「ご、ごめんなさい!」
ぶつかった相手は全身黒い服を着た、ピアスじゃらじゃらの黒髪長髪のきれいな女の人だった。
「大丈夫?」
受けよりも背が高くて、格好いい彼女は受けに手を貸して起こしてくれると、泣いている受けを見てぎょっとする。
「えっ! どこか痛い!?」
きれいな見かけからはちょっと意外なハスキーボイスで慌てる女の人。
「や、ちが、ごめんなさい……!」
「と、とりあえず泣き止んでよ」
女の人はお人好しなのか、涙が止まらない受けの肩を抱いて
「話してごらん、楽になるから」
と言ってくれた。
初対面の人に、しかもきれいな女の人にこんなことをと思ったけど、
「笑わないって約束するから吐き出しちゃいなよ」
と言われ、受けは泣きながらも事情を説明。
すると女の人は怒ってくれて、
「そんなサイテーな奴、そっちから振っちゃいなよ!」
と励ましてくれた。
男同士だからとか変な目で見られることもなくて、ようやく少し涙が止まってきた受け。
ふと気が付くと、受けは女の人にふんわりと抱き締められて腕の中にいる。
あれ? 距離バグってない? と思っていると、女の人は名前をマコトと名乗る。
「じゃあ傷が癒えるまでの間、ボクと付き合おうよ」
と提案してきた。びっくりする受け。
名前を聞かれて
「ライっていうんだ」
と名乗ると、
「ウソとマコトってぴったりじゃん」
と笑いながらキスされた受けことライ。
ボクっ子なのか、でも似合ってるなあとか、自分は元々ノンケだしありかも、と思ったライ、
「お友だちから」
って返事する。
連絡先を交換してお互いの学部を確認すると、同い年で同じ学部なことが判明。
「サークル入った?」
「ううん、まだ」
なんて仲良くなり、サークルもいいけど二人で夜ご飯を食べようって話になる。
結局Aは追いかけてこなかったな、なんて悲しく思っていると、マコトが目敏く気づいて
「そいつがいたら教えて」
と言われる。
「次の授業なに?」
「憲法」
「あ、一緒じゃん」
なんて言いながら歩き始めると、Aが走ってやってきた。
「ライ! 待てよ! 話を聞いてくれ!」
と言い出すAを見て、マコトが「あれ?」と尋ねる。
今更何を聞いたところで言い訳だろう。
裏切った言い訳なんて聞きたくない。
ライは返事をしないでマコトに「行こう」と声をかけると、マコトは何を思ったのかライを抱き寄せ、突然ぶちゅー! とキスをする。
「お、お前誰だよ!」
と騒ぐA。
マコトはキスをしたままAを見て鼻で笑うと、いきなりのことで目を白黒させているライを抱き寄せた。
「悪いけど今日からライはボクのものだから、消えろよ」
あれ? 思ったよりも低い声が出るんだね、なんてパニックになりながらも思ったライ。
「ライ! お前浮気してたのかよ!」
「浮気してたのはお前の方だろ、ばーか」
マコトは何も言い返せないライの代わりにポンポン言い返してくれた。
「二度とライに近づくんじゃねえよ浮気野郎が!」
とドスのきいた声で言い放ったマコトは格好よくて、ライはこれまでの何ヶ月間悶々と悩んでいたのがようやくすっきりできた気になった。
「マコトありがと」
また泣きながら言うと、
「……ライって可愛いよね」
とまたぶちゅーっとされる。
女の子ってこんなに積極的なんだ!? とカルチャーショックを受けるライ。
呆然とするAを尻目に授業に向かい、二人は授業の後食事をすることに。
マコトのアパートがすぐ近くだということで、マコトの家に招待される。
会ったその日におうちに行くとかいいのかな、なんてドキドキするライ。
「あー疲れたーちょっと部屋着に着替えさせて」
と言うマコトがいきなりガバっと脱ぎ始めたので「ええっ!?」と思って固まっていると、なんと出てきたのはぺったんこの胸。
「は!? お、男!?」
「え? ライってばボクのこと女だと思ってた訳? やだなあ」
と苦笑するマコト。
よくみたら喉仏もあるし、パンツ一丁になった下半身にはアレの膨らみもあればすね毛も生えている。
「ええええっ」
と更に驚くライを見ておかしそうに笑うマコト。
「女顔がどーしても直らなくてさ。ほら、ちゃんと男だろ?」
とか言いながら近寄ってくるマコト。
髪の毛は、マコトの姉が伸ばせ伸ばせとうるさくて伸ばしてたと聞き、
「……ライが短い方がいいって言うなら切るよ? 実家からようやく離れられたし」
とライを引き寄せる。
ライは驚きすぎて混乱していて、「???」状態。
「泣いてる顔が可愛くって、ボクのものにしようって思ったら家まで連れ込んじゃった。ごめんね?」
と言われながら、あれよあれよという間に食べられちゃうライ。
マコトはAと比べてメチャクチャ優しくて、
「こんないいものだったっけ!?」
と驚く。
「早くボクを好きになってね~」
と言うマコト、ライの色んな表情を見たくて映画を一緒に見て泣かせたりお笑いライブ行って思い切り笑ったりして、ライもマコトの素直さに絆されていく。
Aのことはショックだったけどこのまま忘れられるかな、なんて思っていた矢先、大学でひとりで講義を受けていると、Aに待ち伏せされる。
「話すことなんてない!」
というライに、Aは言い訳をした。
田舎に彼氏がいるのがダサく感じてしまい、遠距離してると言えなかったこと。
田舎よりも可愛い子が多くて目移りしてしまって、夏にライに会ったら野暮ったく感じてしまったこと。
だけど久々に会ったライは垢抜けてて、目を奪われてしまった。
不誠実なことをしたのは反省する、だから自分とやり直してほしいと頭を下げられ、怒髪天をついちゃうライ。
先に上京したAに見劣りしたくなくて、受験が終わってすぐにたくさんおしゃれを研究したライだったけど、まさか見た目しか見てなかったと知り、怒りに震えていると。
「そりゃまあライはボクが一目惚れしちゃうくらいには見た目可愛いけど、お前何も見えてねえの、もったいねえ」
と颯爽と現れるマコト。(次の講義が一緒なので迎えにきた)
「お前誰だよ! ライ、お前女と付き合ってたんじゃ!?」
とマコトを見て驚くA。
それもその筈、マコトは長かった髪をばっさりと切り、姉に見繕われていたビジュアル系っぽい服を一掃、どこから見ても男にしか見えない。(顔はきれいだけど)
「ライは子供ものを見るとすぐ泣くし、動物は大好きでペットショップの前から離れないし、卵焼きは激あまが好きでいつも砂糖たっぷり入れろって可愛いこと言うんだぞ! 脇の下よりヘソが弱いとか、お前はこれのどれかひとつでも知ってるのかよ!」
答えられないA。何故ならAはいつだって自分の話ばかりで、しかも奉仕も一切しなかったのだ。
マコトは
「見た目で判断されるのって嫌だもんな」
と言ってくれて、ライは
「マコトは俺が泣くときゅんとした顔になるし、料理は上手だし動物はそんなに好きじゃないの知ってるけど俺が好きだからって動物園も一緒に行ってくれて、俺の下手くそな焦げたカレー食べても美味しいって言ってくれるんだ!」
「人一倍お人好しで困ってる人は放っておけなくて、本当は拒絶されるのをすごく怖がって無理に笑ってる時があるのも知ってる! 俺はそんなマコトの隣で『俺がいるよ』って言い続けたい!」
驚き顔のマコトに、ライが伝える。
「マコト、大好き!」
「ライ……!」
Aは返事をされるまでもなく振られ
「ライ、今言ったこと本気にしていいの?」
「そうだよ!俺は女の子にしか見えないマコトでも、男っぽい今のマコトでも、全部ひっくるめてマコトだ好きだ!」
「ライ……!」
心から結ばれた二人は、大学卒業後に同棲。
パートナーになって、仲睦まじく暮らしましたとさ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ツイノベ集の表紙絵になっているのは、この作品に出てくるマコトくんです。
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