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44 エーリッヒ・ブルタール
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四回戦目となるその日の試合でも、僕は拳一発で相手を沈めた。
勝敗を報告する受付前でエンジの姿を見た途端、歓喜が沸き起こってきて駆け寄る。
「エンジ! 勝ちました!」
「凄いぞアーネス!」
エンジはバッと両手を広げると、飛びついてきた僕を軽々と持ち上げてクルクル回った。回転が終わっても、エンジは僕を正面から持ち上げたまま、下ろそうとはしない。
僕を抱えたまま受付にいくと、「アーネス・ブフタール、勝利だ」と告げ、すぐさま晴れ晴れとした笑顔を僕に向ける。
「勿論俺も勝ったぞ」
「さすがエンジです!」
「もっと褒めろ」
ぐは……っ! 僕に過去を暴露してからというもの、エンジが素直すぎて堪らなく可愛い。だってこんな筋肉隆々のザ・漢が、僕にだけ甘えてくるんだよ?
ああもう、ヘルム王国から逃亡して本当によかった! これまで搾取され続けていた時間に対するご褒美だとしたら、辛かった日々も「ま、いっか」なんて思えてくるんだから凄い。
エンジの頭をヨシヨシする。
「エンジ、頑張りましたね! 偉いですよ!」
「もっと」
「滅茶苦茶格好いいです! 次も頑張りましょうね?」
「ああ、アーネスが褒めてくれるなら頑張れる」
「はう……っ!」
ちょっぴり照れくさそうに小さく笑うエンジの顔を至近距離で見られる幸せが強すぎて、僕はエンジの腕に乗りながら悶えた。推し兼好きな人からこんなことを言われて悶えない人がいるなら教えてほしい。もう絶対こんなの悶えるに決まってるから!
改めて、穏やかな笑みを浮かべているエンジの顔をじっくりと眺める。
無駄な肉がついていない、硬そうな顎のライン。僕とは違って高めの鼻梁は、エンジの男臭さを増加させることに一役買っている。僕の目を覗き続ける切れ長の印象深い真夏の空色の瞳は吸い込まれそうなくらい輝いていて、何時間でも見ていられる気がする。
要は、僕はエンジの見た目が大大大大好物だった。元々、初対面の時から「かっこよ!」て感動してたけど、エンジに対する恋心を認識してからは尚更だ。だけど、好きになったから顔もより好ましく感じるのか、元々単に好みだっただけなのかまでは、恋愛初心者な僕には判別がつかない。とりあえず、ずっと見ていたい。できれば一番近くから、誰にも邪魔されない位置で。
ほう、とうっとりしながら溜息を吐いた。
「笑った顔も格好いい……! へへ、エンジの顔は永遠に見ていられますね……!」
「顔だけか?」
エンジが、若干不服そうな表情に変わる。
「いえ、筋肉も最高です! あ、そうだ。実はエンジのお尻の筋肉にも興味があって……!」
目を輝かせながら上目遣いでおねだりしてみると、若干呆れた目をされながらもエンジは頷いてくれた。
「分かった分かった。触りたいんだろ? 勝ったご褒美に触らせてやる」
「本当ですか!? そうしたら実は下腹部の筋肉がどれだけ硬いのかも一度軽く叩いてみたくて」
「どれだけ筋肉が好きなんだ……まあ、いいが」
「本当ですか!? ありがとうございます!」
大分呆れ顔をされたけど、それでも了承してくれるエンジはやっぱり心が海原のように広い。
そんな風に、僕がその他の筋肉パーツについても熱く語っていると。
「あ、いたアーネス!」
「エンジ様も一緒よ!」
ウキョウとサキョウが、なんだか慌てた様子で駆け寄ってきたじゃないか。そういえば、試合の応援をしてくれると言っていたのに姿を見なかった。どこに行ってたんだろう?
血相を変えているサキョウが、出場者入場口の方を指差す。
「エンジ様! 今すぐ! 今すぐアーネスを下ろして距離を取って下さいっ!」
「は? 断る」
エンジの顔が、不満げに歪められた。サキョウの言葉に逆らうように、僕の足を抱く腕に力を込める。
「エンジ様、ヤバいんですって! 早くしないと来ちゃいますから、早く早く!」
朝から瞼が少し腫れているウキョウも必死に訴えてきた。朝、瞼はどうしたのかと尋ねたら、ちょっと飲み過ぎたと答えが返ってきた。やっぱり飲み過ぎはよくないよね、うん! これでウキョウも少しは飲酒量を控えてくれることを期待したい。
呆れ顔のエンジが、双子に尋ねた。
「来る? 何がだ。お前ら、一体どうした? 何をそんなに慌てている」
「そんな悠長なことを言ってる場合じゃないんですってば!」
「ああ、来ちゃいますよ!? これ絶対修羅場になるやつだ! ひいいいっ!」
ワアワア言っている双子の様子が、あまりにもおかしい。これはひょっとしなくても何か拙いやつなんじゃないかと察した僕は、エンジに問いかける。
「エンジ、言う通り下りときましょうか」
「断る」
フン、と顔を背けるエンジ。
か、かわ……っ!
あまりの可愛さに叫びたくなったけど、人の目がある。懸命に欲求を抑え込むと、双子が振り返っては気にする素振りを見せている入場口の方に目線を移した。
青褪めた双子が、頭を抱える。
「あああ、もう知らないわよ……!」
「俺も知らねーぞ! 後で怒るなよ!?」
次の瞬間、入場口に人影が見えた。キョロキョロと周囲を見渡し、何かを探している様子だ。
「……え」
驚きに目を見張ると、エンジが僕に尋ねる。
「どうしたアーネス」
「えっ、ええっ!?」
「アーネス?」
エンジに問いかけられても、テンパってしまった僕は返事をしてあげることができずにいた。
だって、だってあの人は――!
後ろに黒いリボンでまとめられた真っ白い長髪に、きっちりと整えられた白髭。騎士たるに相応しく隆起して引き締まった筋肉は、齢六十を超えても健在だ。
騎士団を辞した後も、憧れる者が後を絶たなかった理由のひとつである、腰に双剣を帯びたその人物は。
「――お祖父様!」
僕の声が聞こえたのか、お祖父様がバッとこちらを振り返る。
「お祖父様ー! 僕はここですーっ!」
数カ月ぶりに見る姿は元気そうだ。エンジがミカゲさんを通じて、ちゃんと連絡を取ってくれたんだ。嬉しさのあまり、両手を大きく振る。
僕に気付いてくれたら、てっきり喜んでくれると思っていたんだ。
なのに僕を見た瞬間、お祖父様のシュッとした顔からごっそりと表情が抜け落ちる。
「お祖父様?」
どうしたんだろうと不思議に思っていると、横から双子が「あちゃー、やっぱりそうよね」「俺、逃げていい?」とコソコソ話している声が聞こえてきた。え、なに? 逃げるってなんで、どういうこと?
と、次の瞬間。
お祖父様は双剣をスーッと淀みない動きで抜き取ると、猛スピードでこっちに向かって走ってきたじゃないか。
「えっ!? お祖父様どうしたんです!?」
どうしよう!? 毎日美味しく和食を摂取していたから、エンジが「まだ細いが、前より大分改善されたな」と褒めてくれるくらいには少しだけふっくらしたんだよね。もしや、見た目が変わったせいで、僕だって分かってない!?
すると、エンジが僕をそっと地面に下ろして、いつものように頭を手ですっぽりと包んだ。
「アーネスは少し離れていろ」
「え? ちょっと、どういうこと――」
え? え? とどんどん近付いてくるお祖父様と、構えを取るエンジを交互に見る。なに!? 状況がさっぱり分からないんだけど!?
双子がサッと駆け寄ってきて、僕の背中を「アーネス、言われた通りにするわよ」「だな。ひいーっ、怖え!」と言いながら押した。
「で、でも!」
僕が抵抗を見せると、横目でちらりと僕たちの様子を確認したエンジが、ベニに短く指示する。
「ベニ! 全力でアーネスを守り切れ!」
「ガウッ!」
ベニは軽い動きで僕の前まで跳躍してくると、僕の腰に尻尾を絡ませてちょっぴり久々になる秘技・尻尾運びをしてきた。そのまま、軽やかに壁際まで駆けていく。
「は? え、ちょっと待って、なに、なになに!?」
状況が全く掴めない。お祖父様はというと、もうすぐそこ、エンジの目の前に迫っていた。えっ!? お祖父様、なんでエンジに襲いかかろうとしてるの!?
お祖父様が雄叫びを上げる。
「エンジイィ――ッ! 貴様、今すぐここでたたっ斬ってやる!」
「お祖父様!? やめて下さい!」
お祖父様は膝を曲げて前傾姿勢を取ると、地面を蹴って一気にエンジに急襲した。
勝敗を報告する受付前でエンジの姿を見た途端、歓喜が沸き起こってきて駆け寄る。
「エンジ! 勝ちました!」
「凄いぞアーネス!」
エンジはバッと両手を広げると、飛びついてきた僕を軽々と持ち上げてクルクル回った。回転が終わっても、エンジは僕を正面から持ち上げたまま、下ろそうとはしない。
僕を抱えたまま受付にいくと、「アーネス・ブフタール、勝利だ」と告げ、すぐさま晴れ晴れとした笑顔を僕に向ける。
「勿論俺も勝ったぞ」
「さすがエンジです!」
「もっと褒めろ」
ぐは……っ! 僕に過去を暴露してからというもの、エンジが素直すぎて堪らなく可愛い。だってこんな筋肉隆々のザ・漢が、僕にだけ甘えてくるんだよ?
ああもう、ヘルム王国から逃亡して本当によかった! これまで搾取され続けていた時間に対するご褒美だとしたら、辛かった日々も「ま、いっか」なんて思えてくるんだから凄い。
エンジの頭をヨシヨシする。
「エンジ、頑張りましたね! 偉いですよ!」
「もっと」
「滅茶苦茶格好いいです! 次も頑張りましょうね?」
「ああ、アーネスが褒めてくれるなら頑張れる」
「はう……っ!」
ちょっぴり照れくさそうに小さく笑うエンジの顔を至近距離で見られる幸せが強すぎて、僕はエンジの腕に乗りながら悶えた。推し兼好きな人からこんなことを言われて悶えない人がいるなら教えてほしい。もう絶対こんなの悶えるに決まってるから!
改めて、穏やかな笑みを浮かべているエンジの顔をじっくりと眺める。
無駄な肉がついていない、硬そうな顎のライン。僕とは違って高めの鼻梁は、エンジの男臭さを増加させることに一役買っている。僕の目を覗き続ける切れ長の印象深い真夏の空色の瞳は吸い込まれそうなくらい輝いていて、何時間でも見ていられる気がする。
要は、僕はエンジの見た目が大大大大好物だった。元々、初対面の時から「かっこよ!」て感動してたけど、エンジに対する恋心を認識してからは尚更だ。だけど、好きになったから顔もより好ましく感じるのか、元々単に好みだっただけなのかまでは、恋愛初心者な僕には判別がつかない。とりあえず、ずっと見ていたい。できれば一番近くから、誰にも邪魔されない位置で。
ほう、とうっとりしながら溜息を吐いた。
「笑った顔も格好いい……! へへ、エンジの顔は永遠に見ていられますね……!」
「顔だけか?」
エンジが、若干不服そうな表情に変わる。
「いえ、筋肉も最高です! あ、そうだ。実はエンジのお尻の筋肉にも興味があって……!」
目を輝かせながら上目遣いでおねだりしてみると、若干呆れた目をされながらもエンジは頷いてくれた。
「分かった分かった。触りたいんだろ? 勝ったご褒美に触らせてやる」
「本当ですか!? そうしたら実は下腹部の筋肉がどれだけ硬いのかも一度軽く叩いてみたくて」
「どれだけ筋肉が好きなんだ……まあ、いいが」
「本当ですか!? ありがとうございます!」
大分呆れ顔をされたけど、それでも了承してくれるエンジはやっぱり心が海原のように広い。
そんな風に、僕がその他の筋肉パーツについても熱く語っていると。
「あ、いたアーネス!」
「エンジ様も一緒よ!」
ウキョウとサキョウが、なんだか慌てた様子で駆け寄ってきたじゃないか。そういえば、試合の応援をしてくれると言っていたのに姿を見なかった。どこに行ってたんだろう?
血相を変えているサキョウが、出場者入場口の方を指差す。
「エンジ様! 今すぐ! 今すぐアーネスを下ろして距離を取って下さいっ!」
「は? 断る」
エンジの顔が、不満げに歪められた。サキョウの言葉に逆らうように、僕の足を抱く腕に力を込める。
「エンジ様、ヤバいんですって! 早くしないと来ちゃいますから、早く早く!」
朝から瞼が少し腫れているウキョウも必死に訴えてきた。朝、瞼はどうしたのかと尋ねたら、ちょっと飲み過ぎたと答えが返ってきた。やっぱり飲み過ぎはよくないよね、うん! これでウキョウも少しは飲酒量を控えてくれることを期待したい。
呆れ顔のエンジが、双子に尋ねた。
「来る? 何がだ。お前ら、一体どうした? 何をそんなに慌てている」
「そんな悠長なことを言ってる場合じゃないんですってば!」
「ああ、来ちゃいますよ!? これ絶対修羅場になるやつだ! ひいいいっ!」
ワアワア言っている双子の様子が、あまりにもおかしい。これはひょっとしなくても何か拙いやつなんじゃないかと察した僕は、エンジに問いかける。
「エンジ、言う通り下りときましょうか」
「断る」
フン、と顔を背けるエンジ。
か、かわ……っ!
あまりの可愛さに叫びたくなったけど、人の目がある。懸命に欲求を抑え込むと、双子が振り返っては気にする素振りを見せている入場口の方に目線を移した。
青褪めた双子が、頭を抱える。
「あああ、もう知らないわよ……!」
「俺も知らねーぞ! 後で怒るなよ!?」
次の瞬間、入場口に人影が見えた。キョロキョロと周囲を見渡し、何かを探している様子だ。
「……え」
驚きに目を見張ると、エンジが僕に尋ねる。
「どうしたアーネス」
「えっ、ええっ!?」
「アーネス?」
エンジに問いかけられても、テンパってしまった僕は返事をしてあげることができずにいた。
だって、だってあの人は――!
後ろに黒いリボンでまとめられた真っ白い長髪に、きっちりと整えられた白髭。騎士たるに相応しく隆起して引き締まった筋肉は、齢六十を超えても健在だ。
騎士団を辞した後も、憧れる者が後を絶たなかった理由のひとつである、腰に双剣を帯びたその人物は。
「――お祖父様!」
僕の声が聞こえたのか、お祖父様がバッとこちらを振り返る。
「お祖父様ー! 僕はここですーっ!」
数カ月ぶりに見る姿は元気そうだ。エンジがミカゲさんを通じて、ちゃんと連絡を取ってくれたんだ。嬉しさのあまり、両手を大きく振る。
僕に気付いてくれたら、てっきり喜んでくれると思っていたんだ。
なのに僕を見た瞬間、お祖父様のシュッとした顔からごっそりと表情が抜け落ちる。
「お祖父様?」
どうしたんだろうと不思議に思っていると、横から双子が「あちゃー、やっぱりそうよね」「俺、逃げていい?」とコソコソ話している声が聞こえてきた。え、なに? 逃げるってなんで、どういうこと?
と、次の瞬間。
お祖父様は双剣をスーッと淀みない動きで抜き取ると、猛スピードでこっちに向かって走ってきたじゃないか。
「えっ!? お祖父様どうしたんです!?」
どうしよう!? 毎日美味しく和食を摂取していたから、エンジが「まだ細いが、前より大分改善されたな」と褒めてくれるくらいには少しだけふっくらしたんだよね。もしや、見た目が変わったせいで、僕だって分かってない!?
すると、エンジが僕をそっと地面に下ろして、いつものように頭を手ですっぽりと包んだ。
「アーネスは少し離れていろ」
「え? ちょっと、どういうこと――」
え? え? とどんどん近付いてくるお祖父様と、構えを取るエンジを交互に見る。なに!? 状況がさっぱり分からないんだけど!?
双子がサッと駆け寄ってきて、僕の背中を「アーネス、言われた通りにするわよ」「だな。ひいーっ、怖え!」と言いながら押した。
「で、でも!」
僕が抵抗を見せると、横目でちらりと僕たちの様子を確認したエンジが、ベニに短く指示する。
「ベニ! 全力でアーネスを守り切れ!」
「ガウッ!」
ベニは軽い動きで僕の前まで跳躍してくると、僕の腰に尻尾を絡ませてちょっぴり久々になる秘技・尻尾運びをしてきた。そのまま、軽やかに壁際まで駆けていく。
「は? え、ちょっと待って、なに、なになに!?」
状況が全く掴めない。お祖父様はというと、もうすぐそこ、エンジの目の前に迫っていた。えっ!? お祖父様、なんでエンジに襲いかかろうとしてるの!?
お祖父様が雄叫びを上げる。
「エンジイィ――ッ! 貴様、今すぐここでたたっ斬ってやる!」
「お祖父様!? やめて下さい!」
お祖父様は膝を曲げて前傾姿勢を取ると、地面を蹴って一気にエンジに急襲した。
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