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50 サキョウ対ハル
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その日の夜、寝不足から解消されたミカゲさんにようやく挨拶することができた。
エンジは照れくさいのかどう伝えたらいいのか分からなかったのか、僕を「アーネスだ」と短く紹介するに留まった。でも、僕の腰に二重に巻きつけられたベニの尻尾を見たミカゲさんはニコニコになって、僕に握手を求めてきた。
「アーネス、エンジのことをよろしくな」
「はい、任せて下さい!」
ドンと胸を叩くと、ミカゲさんが破顔一笑。
「ははっ、頼もしい! これで俺もひと安心できるなあ」
しみじみと語るミカゲさんがエンジに向ける眼差しは、大切な相手に向けるものに思えた。
「じゃあアーネスにはエンジの小さい頃の話でも」
「えっ! 聞きたいです!」
「待て待てミカゲ! ただでさえ格好悪いところばかりを見せてるんだ、これ以上俺の印象を悪くするのはやめてくれ!」
エンジが慌てて止めると、ミカゲさんがニヤリとする。
「ほー? 格好悪いところばかり、なあ。いいんじゃねえか? 俺はそういう関係が一番だと思うぞ」
「ですよね!? それにエンジって結構可愛いところがあって――」
「わあああっ! お前たち黙れ! 余計なことを喋るなっ!」
「むぐ」
エンジに口を押さえられると、ひょいと抱え上げられてしまった。そのまま踵を返して、ズンズン廊下を進んでいく。
「明日も試合だから寝るぞ!」
「もが」
深酒をしたがるエンジにしてはいい心がけだと思って頷くと、エンジの眉が垂れ下がり。
僕の口から手を外すと、ちゅ、と一瞬触れるだけのキスをされた。
◇
エンジとウキョウが五回戦目で当たった。
二人はいつもの稽古の時のように打ち合っていて、途中からどちらも笑顔で戦うものだから、僕は「これだよ……! これが熱い漢の勝負の世界だよ!」と胸を熱くしていた。
軍配はエンジに上がる。「アーネスが応援しているのに負ける訳にはいかないだろう」と冗談めかして言われて、いつもはエンジが赤くなる方なのに、今回ばかりは僕の方が赤くなってしまった。
「次はサキョウの番だが、相手は――ハルか」
エンジの目が細められる。
そう、ハルさんも着々と勝ち進んできていたんだ。ちなみに双子がミカゲさんのところに弟子入りしたのは、ハルさんが出て行った年だ。なのでハルさんの存在は聞いて知ってはいても、実際に手合わせをしたことはないんだって。
ちなみに今回サキョウが勝てば、次の準々決勝は僕と当たることになっていた。反対にサキョウが負けたら、僕の次の対戦相手はハルさんになる。
元は千人近くいた本戦出場者も、この五回戦目が終われば八名に絞られる。その中にエンジがいるのは当然だけど、まさか僕も残れるなんて思ってなかった。
それに双子だって五回戦まで勝ち残れた。これって凄くない? だって僕たちが四人とも勝ち残ったんだよ?
双子に関しては、本人たちのセンスや実力は当然だけど、元々ミカゲさんという実力を持った師匠がいたことに加えて、現在二十歳という脂が乗った時期に現国王であるエンジに集中的に鍛えられたお陰もあったと思う。
そう、僕たちがエンジの屋敷に厄介になるようになってからというもの、僕だけじゃなく双子もエンジの指導を受けるようになっていたんだよね。
エンジはこれまで弟子を取ったことはなかったようだけど、ひとりひとりの伸ばしていく点や修正すべき点をちゃんと言葉と実技とで丁寧に教えてくれる姿は、堂に入っていた。
今日の朝稽古の時、ウキョウが「毎日メキメキと強くなっているのを実感できるんだ。持つべきものはいい師匠だな」ってサキョウに稽古を付けているエンジを見て嬉しそうに目を細めてた。
ウキョウはもう、エンジに対する警戒心は持っていないんじゃないかな。僕はそれを、エンジの為にも嬉しいと思っている。
まあそんな訳で、ここは是非サキョウに勝ってもらって、ウキョウが欠けてしまってはいるけど、残りのチームエンジで熱いバトルを繰り広げたい。
「いいかサキョウ、ハルの型は所謂お手本に近いものがある。相手を翻弄して流れを掻き乱せば、お前にも十分勝ち目はある!」
「はい!」
サキョウにアドバイスをするエンジの目は、真剣そのものだった。
最初はエンジと距離があった双子も、日を追うごとにすっかり師弟のような関係になった。微笑ましくて、見ているだけで笑顔になってしまう。
「では行ってこい!」
「はい!」
サキョウはミカゲさん、お祖父様、エンジにと、歴代国王に若干臆した表情でグータッチをしていく。そりゃそうだよね。観客席からも「あの嬢ちゃん何者だ!?」っていう声が聞こえてくるし。
「サキョウ、頑張って!」
「サキョウ、ぶっ飛ばせよ!」
僕とウキョウの番が回ってくると、サキョウは少しホッとしたように小さく笑みを浮かべた。
「うん、全力で頑張ってくるわね!」
覚悟を決めたように小さくひとつ頷くと、元気に舞台に上がる階段を駆け上っていく。
別の階段からは、ハルさんがゆっくりと舞台に上がってくるところだった。「ハール! ハール!」というハルさんコールが闘技場内に響き渡る。ハルさんて人気があるんだなあと思ったけど、僕の隣に立っているエンジの眉間にグッと皺が寄せられていたので、声に出すのは控えた。
ハルさんの気持ちは僕には分からないけど、エンジとの確執は確実に深い。臣下に国王であるエンジの声が響かず部下である筈のハルさんの声ばかりが届いては、そりゃそうなるもの仕方ないと、僕ですら思えるもんな。
ハルさんと直接会話を交わしたのは、最初に会ったあの日が最後だ。エンジに何か言いたげな寂しそうな表情をしていたから、決して今の状況はハルさんが望んだものではないんだと思う。
――だけど、実際問題難しいよなあ。
二人の確執は、出会った頃からの根深いものな気がした。それを話し合わないままここまで来てしまって、捻じれに捻れて今に至っている。この先修復するにしても、相当な苦労が伴うのは目に見えていた。
「サキョウ、勝つといいですね」
「――ああ」
だけど僕たちの願いは届かず、試合開始早々にハルさんに飛びかかられて反応が遅れてしまったサキョウは、拳で打ち合うまでもなく襟首を掴まれて場外へ放り出されてしまった。地面を転がるサキョウを上から眺めながら、ハルさんが申し訳なさそうに眉毛を垂らす。
「女性と戦うのは気が引けますからね」
ごく小さく呟かれた言葉が、僕たちの耳には届いてしまった。エンジのこめかみに、ビキッと青筋が立つ。
ハルさんは僕たち一同に軽やかな一礼をすると、落ち着いた様子で階段を下り、大会本部受付の方に向かっていった。
ハルさんの背中を睨みつけながら、エンジが奥歯をギリ、と鳴らす。
「ゴウワンの民なら、相手が誰であろうが正々堂々と戦え……!」
「同感です……!」
低い声で同意する僕。だって、サキョウはここまで勝ち残った猛者のひとりであることに間違いはない。なのに女性だというだけで正面から戦いもせず場外に投げ捨てておしまいにするなんて、相手に失礼すぎる!
もしかしたらこれはハルさんなりに気遣った上での選択だったのかもしれないけど、あからさまに相手を格下に見ているのが分かるだけに……くっそー! 悔しい!
ウキョウに助け起こされて凹んだ様子を見せているサキョウの後ろ姿を見つめながら、エンジが言った。
「アーネス、明日の準々決勝であいつをぶちのめせ。俺が許す」
二人して身体の前で腕を組み、仁王立ちして受付で係の人と談笑しているハルさんの背中を睨みつける。
「当然です」
僕は鼻息荒く返した。
エンジは照れくさいのかどう伝えたらいいのか分からなかったのか、僕を「アーネスだ」と短く紹介するに留まった。でも、僕の腰に二重に巻きつけられたベニの尻尾を見たミカゲさんはニコニコになって、僕に握手を求めてきた。
「アーネス、エンジのことをよろしくな」
「はい、任せて下さい!」
ドンと胸を叩くと、ミカゲさんが破顔一笑。
「ははっ、頼もしい! これで俺もひと安心できるなあ」
しみじみと語るミカゲさんがエンジに向ける眼差しは、大切な相手に向けるものに思えた。
「じゃあアーネスにはエンジの小さい頃の話でも」
「えっ! 聞きたいです!」
「待て待てミカゲ! ただでさえ格好悪いところばかりを見せてるんだ、これ以上俺の印象を悪くするのはやめてくれ!」
エンジが慌てて止めると、ミカゲさんがニヤリとする。
「ほー? 格好悪いところばかり、なあ。いいんじゃねえか? 俺はそういう関係が一番だと思うぞ」
「ですよね!? それにエンジって結構可愛いところがあって――」
「わあああっ! お前たち黙れ! 余計なことを喋るなっ!」
「むぐ」
エンジに口を押さえられると、ひょいと抱え上げられてしまった。そのまま踵を返して、ズンズン廊下を進んでいく。
「明日も試合だから寝るぞ!」
「もが」
深酒をしたがるエンジにしてはいい心がけだと思って頷くと、エンジの眉が垂れ下がり。
僕の口から手を外すと、ちゅ、と一瞬触れるだけのキスをされた。
◇
エンジとウキョウが五回戦目で当たった。
二人はいつもの稽古の時のように打ち合っていて、途中からどちらも笑顔で戦うものだから、僕は「これだよ……! これが熱い漢の勝負の世界だよ!」と胸を熱くしていた。
軍配はエンジに上がる。「アーネスが応援しているのに負ける訳にはいかないだろう」と冗談めかして言われて、いつもはエンジが赤くなる方なのに、今回ばかりは僕の方が赤くなってしまった。
「次はサキョウの番だが、相手は――ハルか」
エンジの目が細められる。
そう、ハルさんも着々と勝ち進んできていたんだ。ちなみに双子がミカゲさんのところに弟子入りしたのは、ハルさんが出て行った年だ。なのでハルさんの存在は聞いて知ってはいても、実際に手合わせをしたことはないんだって。
ちなみに今回サキョウが勝てば、次の準々決勝は僕と当たることになっていた。反対にサキョウが負けたら、僕の次の対戦相手はハルさんになる。
元は千人近くいた本戦出場者も、この五回戦目が終われば八名に絞られる。その中にエンジがいるのは当然だけど、まさか僕も残れるなんて思ってなかった。
それに双子だって五回戦まで勝ち残れた。これって凄くない? だって僕たちが四人とも勝ち残ったんだよ?
双子に関しては、本人たちのセンスや実力は当然だけど、元々ミカゲさんという実力を持った師匠がいたことに加えて、現在二十歳という脂が乗った時期に現国王であるエンジに集中的に鍛えられたお陰もあったと思う。
そう、僕たちがエンジの屋敷に厄介になるようになってからというもの、僕だけじゃなく双子もエンジの指導を受けるようになっていたんだよね。
エンジはこれまで弟子を取ったことはなかったようだけど、ひとりひとりの伸ばしていく点や修正すべき点をちゃんと言葉と実技とで丁寧に教えてくれる姿は、堂に入っていた。
今日の朝稽古の時、ウキョウが「毎日メキメキと強くなっているのを実感できるんだ。持つべきものはいい師匠だな」ってサキョウに稽古を付けているエンジを見て嬉しそうに目を細めてた。
ウキョウはもう、エンジに対する警戒心は持っていないんじゃないかな。僕はそれを、エンジの為にも嬉しいと思っている。
まあそんな訳で、ここは是非サキョウに勝ってもらって、ウキョウが欠けてしまってはいるけど、残りのチームエンジで熱いバトルを繰り広げたい。
「いいかサキョウ、ハルの型は所謂お手本に近いものがある。相手を翻弄して流れを掻き乱せば、お前にも十分勝ち目はある!」
「はい!」
サキョウにアドバイスをするエンジの目は、真剣そのものだった。
最初はエンジと距離があった双子も、日を追うごとにすっかり師弟のような関係になった。微笑ましくて、見ているだけで笑顔になってしまう。
「では行ってこい!」
「はい!」
サキョウはミカゲさん、お祖父様、エンジにと、歴代国王に若干臆した表情でグータッチをしていく。そりゃそうだよね。観客席からも「あの嬢ちゃん何者だ!?」っていう声が聞こえてくるし。
「サキョウ、頑張って!」
「サキョウ、ぶっ飛ばせよ!」
僕とウキョウの番が回ってくると、サキョウは少しホッとしたように小さく笑みを浮かべた。
「うん、全力で頑張ってくるわね!」
覚悟を決めたように小さくひとつ頷くと、元気に舞台に上がる階段を駆け上っていく。
別の階段からは、ハルさんがゆっくりと舞台に上がってくるところだった。「ハール! ハール!」というハルさんコールが闘技場内に響き渡る。ハルさんて人気があるんだなあと思ったけど、僕の隣に立っているエンジの眉間にグッと皺が寄せられていたので、声に出すのは控えた。
ハルさんの気持ちは僕には分からないけど、エンジとの確執は確実に深い。臣下に国王であるエンジの声が響かず部下である筈のハルさんの声ばかりが届いては、そりゃそうなるもの仕方ないと、僕ですら思えるもんな。
ハルさんと直接会話を交わしたのは、最初に会ったあの日が最後だ。エンジに何か言いたげな寂しそうな表情をしていたから、決して今の状況はハルさんが望んだものではないんだと思う。
――だけど、実際問題難しいよなあ。
二人の確執は、出会った頃からの根深いものな気がした。それを話し合わないままここまで来てしまって、捻じれに捻れて今に至っている。この先修復するにしても、相当な苦労が伴うのは目に見えていた。
「サキョウ、勝つといいですね」
「――ああ」
だけど僕たちの願いは届かず、試合開始早々にハルさんに飛びかかられて反応が遅れてしまったサキョウは、拳で打ち合うまでもなく襟首を掴まれて場外へ放り出されてしまった。地面を転がるサキョウを上から眺めながら、ハルさんが申し訳なさそうに眉毛を垂らす。
「女性と戦うのは気が引けますからね」
ごく小さく呟かれた言葉が、僕たちの耳には届いてしまった。エンジのこめかみに、ビキッと青筋が立つ。
ハルさんは僕たち一同に軽やかな一礼をすると、落ち着いた様子で階段を下り、大会本部受付の方に向かっていった。
ハルさんの背中を睨みつけながら、エンジが奥歯をギリ、と鳴らす。
「ゴウワンの民なら、相手が誰であろうが正々堂々と戦え……!」
「同感です……!」
低い声で同意する僕。だって、サキョウはここまで勝ち残った猛者のひとりであることに間違いはない。なのに女性だというだけで正面から戦いもせず場外に投げ捨てておしまいにするなんて、相手に失礼すぎる!
もしかしたらこれはハルさんなりに気遣った上での選択だったのかもしれないけど、あからさまに相手を格下に見ているのが分かるだけに……くっそー! 悔しい!
ウキョウに助け起こされて凹んだ様子を見せているサキョウの後ろ姿を見つめながら、エンジが言った。
「アーネス、明日の準々決勝であいつをぶちのめせ。俺が許す」
二人して身体の前で腕を組み、仁王立ちして受付で係の人と談笑しているハルさんの背中を睨みつける。
「当然です」
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