今日は贅沢にカクテルはいかが?〖完結〗

カシューナッツ

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人魚の恋と蒼い月

ブルームーン〖5〗

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 僕は『弱いから』とお酒をしらずに言いつつも、初めてのお酒の不思議な味と酔いを、グラスを重ねて楽しんだ。

 しばらくすると僕の身体は、少しふわふわして、熱を帯びた。君にそのことを言うと、

「何にも知らねぇんだな。可愛いな海月は」

 そう、君は、見たこともない視線で僕を見た。暖かい視線とは似てるようで違う。目が合い君は微笑んだけれど、何処か君が君じゃないみたいな、感じがして、少し怖かった。

 女のヒトは酔いつぶれてしまい、ショウは女のヒトの彼に電話した。暫くすると、ウニみたいな髪型の男のヒトが、来た。僕を値踏みするように見て、

「へ~この子か。紗季と付き合ってなかったら、かなりぐらつくな。真面目に綺麗な子だな」

 中々難しそうだな。そう言い、僕を見て次に君に視線を移し、ニヤニヤ笑った。君は、

「なんだよ、うるせぇな。早く紗季さん連れて帰れよ。それと海月は男だよ。お前の大好きな綺麗な女の子じゃねぇよ」

「──これが男?ありえねぇ。それにしても綺麗な子だな。顔も全てが黄金比。完璧だ。ヒトじゃないみたいだ。何処でひっかけた?」

「あーごちゃごちゃうるせぇ! 海月は幼馴染みなんだよ!海月に近よるんじゃねぇ。こら、勝手に触んな。帰れ帰れ。あと、紗季さんにこれ。冷やした緑茶のペットボトル。目ぇ冷ませたら酔いざましに飲ませてやれよ。気をつけてな」

 ウニのような頭をした男のヒトを追い出すように、でも優しく帰した君は『飲みなおすか』と言って笑った。変わらない、笑顔。何でさっきほんの少しだけど、怖いなんて思ったんだろう。こんなに君はやさしいのに。

ウニ頭のヒトの恋人の紗季さんは、笑顔が綺麗で、いい匂いがした。東京が慣れない僕にもやさしく接してくれた。親切で、人当たりがいい女のヒト。

僕がヒトだったらあんなヒトになりたかった。僕は少しだけ哀しくなった。君の隣は、紗季さんみたいなヒトが似合う。僕は君にはどう映る?
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