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君ハ龍ノ運命のヒト~ミズチ編~〖第1部・完〗
ミズチとの出会い①
しおりを挟む『痛い、やめて、痛いよぅ、死んじゃうよぅ………』
私が通りがかった時、近所の悪ガキが二、三人で駐車場の隅で《何か》をいじめていた。
今は初秋。多くの《モノ》が段々と眠りにつき始め力が弱まっていく季節だ。
助けを求める声の主はまだ幼く感じた。しかし耳に強く届く。これは、何処かの式神だろうか、霊獣だろうか。
「弱いものいじめはやめな。学校にチクるよ」
「ネェちゃんも踏んずけてみろよ。鳴くんだぜこのヘビ。キューッて!鳴くヘビなんて初めて見た!」
「可哀相だろ!このクソガキ!やめろって言ってんだろ聞こえねぇのか!」
「ババア、怖ぇ~!」
私はクソガキを追い払ったあと、私は白い、けれどアルビノではない、瞳がオニキスのような真っ黒でつやつやした白ヘビに「おいで、大丈夫?」と言った。
白ヘビは怯えてキューキュー鳴いている。
私は『話しかけた』
『痛かったね。怖かったね。家においで。手当てしてあげるよ』
『あれ?言葉、解る。助けてくれてありがとう。おねえさんは大丈夫?いじめられてない?』
『うん。大丈夫』
小さくても多分《神獣》だ。
自分がこんなにボロボロなのに、私を気遣ってくれる。心根が、慈悲深い。
『家に行こう』と白ヘビに言い、私は片手を差し出した。白ヘビは小さく頷き、するすると腕に巻き付いた。私は白ヘビを携え帰宅の途についた。
細い身体は、傷つき、冷えきっていた。靴の踏み跡がついている。
切なくて、私はマフラーを外し、腕をやさしくグルグル巻きにすると白ヘビは『あったかい』と、穏やかな声で喜んだ。
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