15 / 30
君ハ龍ノ運命のヒト~ミズチ編~〖第1部・完〗
ミズチの本当②
しおりを挟む『助けてくれてありがとう。でも、何でおねえさんはオレの声が聞こえる?今まで誰もいなかった』
『私の家はね、喜多見の家なの。まあ《鬼》多見の家。見鬼の家なんだよ。簡単に言えばヒトじゃないものが見えたり聴こえたりするんだ。私は両方。白ヘビちゃんは……』
ムッとしたように白ヘビちゃんは私を見つめる。
『……オレ、ミズチっていうよ。それにヘビ違う。もっと偉い。今は『力』がなくってこんな姿だけど、普段は人型だよ。人間の世界では人型の方が生きやすい。おねえさんはなんて呼べばいい?』
『美雨』
『美雨、助けてくれてありがとう。美雨いいひと』
それからミズチは嬉しそうな声で、沢山話をした。殆どが今までのミズチの冒険譚。
勿論『心の声』──心の中での会話──で色々なことを話した。取り敢えず、まず解ったことは、まずミズチは無音の『心の声』で話しても、小さく『キューッ』と声が出てしまうことだった。少し可愛らしい。
『あったかい。美雨の気もあったかい』
『カシミヤのマフラーだからフワフワでしょ』
『うん。これも暖かい。でも、美雨のマフラーだから暖かいんだよ』
ミズチは、今自分がここにいる理由を語り始めた。
オレ、一年くらい前、空から落とされた。
来年までに帰れないと、次に空の門が開くのは十二年後なの。シレンなんだって。
本物のタツになるには本当のアイと千切れるようなベツリを知らないと涙の雨を降らせられないって。
人間の世界で学んでこいって。お父さんが。それが代々受け継がれてきた《ことわり》だって。
30
あなたにおすすめの小説
【完結】伯爵令嬢の25通の手紙 ~この手紙たちが、わたしを支えてくれますように~
朝日みらい
恋愛
煌びやかな晩餐会。クラリッサは上品に振る舞おうと努めるが、周囲の貴族は彼女の地味な外見を笑う。
婚約者ルネがワインを掲げて笑う。「俺は華のある令嬢が好きなんだ。すまないが、君では退屈だ。」
静寂と嘲笑の中、クラリッサは微笑みを崩さずに頭を下げる。
夜、涙をこらえて母宛てに手紙を書く。
「恥をかいたけれど、泣かないことを誇りに思いたいです。」
彼女の最初の手紙が、物語の始まりになるように――。
一億円の花嫁
藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。
父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。
もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。
「きっと、素晴らしい旅になる」
ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが……
幸か不幸か!?
思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。
※エブリスタさまにも掲載
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
「最高の縁談なのでしょう?なら、かわってあげたら喜んでくれますよね!」
みっちぇる。
恋愛
侯爵令嬢のリコリスは20歳。立派な嫁きおくれである。
というのも、義母がなかなかデビューさせてくれないのだ。
なにか意図を感じつつも、周りは義母の味方ばかり。
そん中、急にデビュタントの許可と婚約を告げられる。
何か裏がある――
相手の家がどういうものかを知り、何とかしようとするリコリス。
でも、非力なリコリスには何も手段がない。
しかし、そんな彼女にも救いの手が……?
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる