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君ハ龍ノ運命のヒト~ミズチ編~〖第1部・完〗
ミズチは食いしん坊⑥
しおりを挟む『ミズチが弱っていたから、速く暖まって欲しかったの。簡単だよ、マフラーは買えるけどミズチの健康は買えないから。それに「どろ」くらい構わないよ。洗って干しとけば平気。あと、ミズチ、あとからお風呂一緒に入ろうね。身体とかも洗ってあげるから、楽にしてなよ』
『たぶん、少し落ち着いたら人型になっちゃうと思う。普段は人型なんだ。人型は便利だけど、美雨に、お風呂で、か、身体を見られるなんて恥ずかしいよぅ。み、美雨も裸なの!?』
ミズチは照れながら身体をくねらせて言った。私はつい微笑んでしまう。
『ミズチが人型で湯浴みの時は、絹の肌襦袢を着てもらうから裸じゃないよ。あと、ミズチは神様なんだから、もっと偉ぶってもいいんだよ?恥ずかしがらなくていいの。湯浴みは私は略式の潔斎と、御祓をして、巫女装束で湯浴みの手伝いをするよ。裸じゃないから安心して。……家は分家だから、ミズチが嫌なら、格式が上の家でミズチを預かってもらったほうがいいかもしれない……私の家は神様のお家にしては狭いし……遠慮はしなくていいからね』
『美雨、オレ嫌?オレ美雨の家が良い!オレ美雨好き!美雨の傍にいる!それで、明日もコロッケ食べる。ぐらたんも、わふうぱすたもぷりんもらーめんも美雨がつくる!一緒に食べる。ダメ?』
『コスパのいい神様ね。レパートリー増やさなきゃ』
私はミズチを見て笑う。
夕飯に、グラタンとらーめんをつくってあげた。ちょっと多いかな?
私が正座し膝の上にミズチを乗せ、左手に軽くミズチを巻きつけ、熱かったら可哀想なので、ふーふーしてあげた。
『美味しい?』
『この、ぐらたん?白いとろりとしたのが美味い!あと、まかろに!美雨は料理上手だ!それとらーめんも!ちゅるちゅるしてこんな美味しいの初めてたべた!めんまという、コリコリしたものは、絶品だ!』
『ミズチ、めんまってタケノコよ。竹なの。面白いでしょ?季節……時間によってこんなに変わってしまうの』
多分、ミズチもミズチのお父さんのように、空へ帰ってしまうのかな。そんなことを思うと私は寂しくなる。
いつの間にか私はミズチ専任のご飯当番になっていた。ミズチは食べ上手で、喜び上手だ。色んな物を作ってあげた。
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