君ハ龍ノ運命のヒト~ミズチ編・ウカノ編~【完結】

カシューナッツ

文字の大きさ
20 / 30
君ハ龍ノ運命のヒト~ミズチ編~〖第1部・完〗

ミズチとヒトの姿⑦

しおりを挟む
 
 毎食後の食事の後の洗い物は私の仕事。食後ミズチは上機嫌で、畳の間をごろごろしていた。

 私は手持ちぶさたなのかと思い、プリンを作ってあげた。
ミズチは猫舌なのが解ったので少し冷ましてあげる。ミズチはとても喜んで、




『この世で一番美味しいものだ』

 と言っていた。そして、私が苦笑して、

『誰が作っても一緒なのに』

 と言いながらお皿を拭いていると、

「美雨だからだよ。だから、美味しいプリン、オレ以外に作らないで」

「え?」





 私が心の声ではなくて、透明な人間の声が聞こえたことに不思議に思って、顔を上げると、日本画から抜け出してきたような、着物姿の美少年が立っていた。

 綺麗な顔。やさしい眼差し。
 
 にっこり笑った顔は思わず息を飲む気品と美しさがあった。

 まだ、中性的な少年と青年の狭間のようなミズチには不思議な色香があった。まるで物語ようだと思った。白ヘビが美少年になるなんて。




「美雨が作ったから意味がある。美雨が作ったプリンだから、とっても美味しい」

「ミズチはプリン本当に好きね」

 私はミズチの外見のあまりの変わりようにどぎまぎしている。



 視線を感じる。

あの変化しても変わらないミズチの黒いつやつやした瞳が私を見てる。


「美雨だからだよ。オレ、美雨が好きだから。美雨だけだよ」

 そう言って、ミズチは私を見つめた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

有名俳優の妻

うちこ
恋愛
誰もが羨む結婚と遺伝子が欲しかった そこに愛はいらない

【完結】伯爵令嬢の25通の手紙 ~この手紙たちが、わたしを支えてくれますように~

朝日みらい
恋愛
煌びやかな晩餐会。クラリッサは上品に振る舞おうと努めるが、周囲の貴族は彼女の地味な外見を笑う。 婚約者ルネがワインを掲げて笑う。「俺は華のある令嬢が好きなんだ。すまないが、君では退屈だ。」 静寂と嘲笑の中、クラリッサは微笑みを崩さずに頭を下げる。 夜、涙をこらえて母宛てに手紙を書く。 「恥をかいたけれど、泣かないことを誇りに思いたいです。」 彼女の最初の手紙が、物語の始まりになるように――。

一億円の花嫁

藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。 父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。 もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。 「きっと、素晴らしい旅になる」 ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが…… 幸か不幸か!? 思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。 ※エブリスタさまにも掲載

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

「最高の縁談なのでしょう?なら、かわってあげたら喜んでくれますよね!」

みっちぇる。
恋愛
侯爵令嬢のリコリスは20歳。立派な嫁きおくれである。 というのも、義母がなかなかデビューさせてくれないのだ。 なにか意図を感じつつも、周りは義母の味方ばかり。 そん中、急にデビュタントの許可と婚約を告げられる。 何か裏がある―― 相手の家がどういうものかを知り、何とかしようとするリコリス。 でも、非力なリコリスには何も手段がない。 しかし、そんな彼女にも救いの手が……?

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

拝啓~私に婚約破棄を宣告した公爵様へ~

岡暁舟
恋愛
公爵様に宣言された婚約破棄……。あなたは正気ですか?そうですか。ならば、私も全力で行きましょう。全力で!!!

処理中です...