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Never sweet love
いつも通りに似た休日〖第4話〗
しおりを挟む俺は悠人を抱きすくめた。往来のひとが、冷やかしの目線でみている。構うもんか。
心地よい風が吹く。頬を撫でて、目尻にたまった涙を拭って去っていった。
『寒いな』
『うん、手先がまだ冷えるね』
『肉まん、食べるか?』
『うん、あそこの店〖人気店〗ってネットにあった』
『行くか!』
軽く早足で振り返り土産袋を大量にぶら下げた悠人が『早く、英明!』と急かす。俺は悠人に『手伝うよ』と、袋を持つ。
『半分個がいいな』
『どうして?お腹空いてるだろ?』
『英明だから』
え?どうして?と訊きかえすと、
『君だから。君と分けあえるのって、ぼくにとっては嬉しいことなんだ。一緒に色んなものを見て、笑って、楽しんで、君との時間を僕に頂戴?』
『うん……そうだな』
それしか言えなかった。最高のプレゼントだ。俺のは小さいな。ポケットの小さい銀色には叶わないほどの。
『あのさ、考えてたことがあってさ。俺と、……あの、……養子縁組しないか?』
『え?』
『パートナーって立場が弱いんだ。俺が稼いだお金や、もしものことがあったとき、家を捨てたおふくろや親父やじーばーに権利をとられたくない。バーのママ、弁護士の資格もってるから、この話をしたいんだけど、悠人はどう思う?』
『……母さんも逝って、もう、あの村に未練はないよ。ただ、あの山に囲まれた空が冬、群青になるのはもう見ることはできないと思うと、それだけは寂しいな……あ、ごめん。何かセンチメンタルになっちゃった。……うん。そうしてもらった方が嬉しい。結婚式がやれれば、もっと嬉しいんだけどな』
『悠人がそう言うんじゃないかと思って調べたんだけど、同性でも式はあげられるみたいだ。あの画商の菅野さんのパートナーの人、ウエディングプランナーなんだって。お金はかけなくても、いい式は挙げられますよってきいた。な、なんかごめんな。俺だけ先走って』
『嬉しいよ。すごく』
『だから、駅弁買って家に帰ったら、ずっと言いたかったこと言わせて?』
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