僕の宿命の人は黒耳のもふもふ尻尾の狛犬でした!【完結】

カシューナッツ

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星影の棲みかは宝石の中〖第47話〗

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「うわあ、綺麗だね」

    暁と蒼とで指輪を眺めていると、空が二人の間にヒョイッと顔を出した。

「目が覚めたか?身体は大丈夫か?無理はするな、空」

    蒼の言葉に、空は苦笑いする。

「うん。大丈夫だよ。ごめんね、体力なくて。少し休めば楽になるんだけど。あ、あきにいちゃんは?あきにいちゃんのお父さんは?」

「おう。大丈夫だよ。ありがとうな、空。親父は……この部屋の屋根裏に縛り上げられてた。ひでぇことしやがる。親父……つらかったろうな。親になると余計に解るよ。我が子が苦しんでるのを指くわえて見てるしかできねぇなんて。あんまりだ。可哀想だ」

「暁の親父さんを見つけてくれたのはこの子だ。出ておいで」

    蒼が優しくそう言うと、星影がきらきらと姿を表した。

「お、蝶々か!こんな寒いのに、綺麗だなぁ。本当にありがとな。感謝してるよ。ほら、おいで」

    素直に星影が暁の指にとまる。星影が嬉しそうに、羽根をパタパタ閉じたり広げたりするのが友達ながら嬉しい。暁はどんな動物とも会話する。そして、すぐ仲良くなれる。そんな暁が昔は誇らしい反面、少し羨ましかった。

「あきにいちゃんも好きみたい。そうにいちゃんも、あきにいちゃんが好きだから、星影もあきにいちゃんが好きなんだよ。星影はそうにいちゃんを想いながら作ったの。綺麗な色でしょ?」

「ああ。蒼の尻尾の色だな。良い色だ」

    暁は、ニコリと笑って薬湯を飲む。あまりに元気で怖いくらいだ。また幻術なんじゃないかと勘ぐってしまいそうになる。

「お前の考えてること当ててやろうか、蒼。俺は本物だよ。空の持ってきた薬草と粉を固く溶いて湿布したんだ。匂いで、神泉のものだと解った。一気に傷が癒えていく感じがしている。ありがとな、空」

    空は困ったように苦笑する。湯の花の精製した粉を持っていこうと言い出したのは蒼だった。

「粉はね、そうにいちゃんが、持っていこうって荷物に入れたの。僕はその粉が何か解らなかったんだけど、神泉のなんだ」

    蒼は言いづらそうに言った。

「たまたま、刺客に会って怪我をした所に神泉の湯の花を塗ったらとても効いたんだ」

    心配させたくなかった。浅い傷だし、大丈夫だと思っていた。

「怪我してたの、聞いてないよ。嘘ついたの?昨日お風呂ではなんともないって言ってたのに」

「後から話そう。ここは、暁の家だから……」

「お前ら一緒に風呂入ってんの?何だかやらしいな」

「ちょっとやらしくて、そうにいちゃんとお風呂入るの、恥ずかしい……」

    頼むから、やめてくれ。親友の前で話すことじゃない。頭を抱えていたとき、パタパタと星影は蒼の指輪に止まり、すっと姿を消した、と思いきや空の指輪から姿を表した。

『え?』

   どうなってるんだ?三人で頭をひねる。暫くして出た結論は、

『二人の指輪は繋がってる?』

   少なくとも星影にはそうらしい。この、夜の星空のような宝石の住人に一番似合う。指輪に星影を入れたまま紫の小箱にしまった。
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