僕の宿命の人は黒耳のもふもふ尻尾の狛犬でした!【完結】

カシューナッツ

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乞食の忌み子〖第11話〗──②

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    のんびり茶を啜りながら、平然と爺は言った。湯飲みを置き、爺は続ける。人払いをさせたあと、爺は言葉を繋げた。

「『五年前の半年を返せ』そう、いつ若様の口から出るか。待っておりました。やっとたどり着きましたな。会っておよそ五日もたたず………。やはり宿命はあるのでしょうなぁ。先代から記憶の解除の術を仰せつかっております。爺の目をみて下され……」

    湯飲みを置き、蒼はその言葉に従う。爺は印を組み、ある瞬間手を目の前でパンッと叩いた。  


******
純粋とはまるで言えない出会いの続きは、切ないものが待っていた。守ってあげたい。二人で幸せになりたい。もう充分、君は傷ついてきた。幸せになろう。拙い初恋の、出した答え。そんな恋を大人たちは握り潰した。
******


 ──子供の声がする──

「乞食の忌み子!」
「あっち行け!」
「きったねぇっ!くっせぇっ!」
    
笑い声と罵声と共に石や泥団子を投げられる、ボサボサの長い髪が鳥の巣のように絡まった子供。丸まって頭を押さえて泣いていた。偶然、供の者と通りがかった蒼は、

「やめないか!」

    と声を張った。蒼が汚い身なりの子供に手を差し伸べ助けた理由……忌み嫌われている、黒い毛並みの自分……あの子供に、幼い頃の自分を見るようで、あのままにしておくのは嫌だった。

それに可哀想だ、という気持ちもあったが、珍しい傷ついた動物を籠に入れるような気持ちが大きかった。まず、興味があった。どんな薄気味悪い顔をしているのか。

『乞食の忌み子』の正体を知りたいと思った。子供ならではの残酷な傲慢さだった。……それだけ。正義感なんて微塵もない。ただの興味本位の同情と好奇心だった。
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