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もう一度、恋に落ちたら〖第18話〗──②
しおりを挟む沢山傷つけた。けれど感情のままに現れた罪悪感。普段なら上辺で取り繕うだけなのに。空との幸せだった時間を覚えているわけではない。あの五年前の半年を忘れているのに、あの日会ったばかりの空を抱きしめて蒼は泣いた。
嫌わないで欲しい。それは好きだということ。どうしようもなく、惹かれていること。切ない感覚だけで、金の笛を渡したりしない。自分は十歳の空に恋に落ち、十五歳の空に一目で惹かれた。
同じひとに二度恋をした。宿命の星はあると信じたい。今思い出しても変わらない。優しい、綺麗な空。五年前のあの日々と変わらない。
「獅子尾家に戻る。空を家で引き取る。俺の花婿は、空だ。それ以外ない」
「それでこそ若様!」
爺は嬉しそうだった。巫女の親子を散々に言っていたのにと、ジロリと見ると、爺はニヤリと笑って言った。
「散々けなしておいて、と言いたいようですな。でも、ああでも言わなければ、若様は空様に興味をお持ちになりませんでしょうし、空様の秘密は他言無用でしたゆえ。一つ問題と言えば……」
「弟の翠だろう?あいつは何でも首を突っ込むからな。厄介だ」
──────────────
「空、調子はどうだ?お腹すいたろ。朝飯、持ってきたから」
暁は空を抱き起こし、玉子の雑炊を食べさせる。
「美味しい……温かくて、優しい味だね。もう、痛くないよ。だから大丈夫」
「良かった。でも空、お前はもっと甘えたり頼ったりすることを覚えろ。美味いか?雑炊。俺が作ったんだ。もっと食え」
「ありがとう。あきにいちゃん。でも充分甘えさせてもらってる。あきにいちゃんに料理教えて欲しいな。僕も下手だけど料理するの。毎日作るのが億劫になっちゃうときもあるけど」
面倒臭がり屋だね、と照れ臭そうに笑う空に暁の胸が熱くなる。
これは、やばい、そう思い暁は自然を装い、空から目を逸らす。可憐で儚い花のようだが、すべてを魅了するような色香がある。早く来い、蒼。じゃなきゃ俺、お前の親友の資格がなくなる……。つぼみが花開いたみたいだ。匂いたつ無垢ではあるがゆえの色香。俺には許嫁の薫がいる………!蒼、早く帰ってこい!暁は唯々そう願った。
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