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花開く【第26話】──②
しおりを挟む「そうにいちゃん、好き……」
首筋に腕を絡め、耳元で空は言う。蒼はたまらなくなり空を、やさしく檜の床に押し倒す。
空の身体に残した沢山の鬱血痕。まるで『空は自分のものだ』と言っているようだ。
蒼はひたすら空の『初めて』が怖くないもので、心地よいものだと思わせるよう気を配った。空の揺蕩う乱れた髪が、檜の床に波のようにうねった。
空は、無意識の美なのだと思った。この清廉と妖艶が同居する美しさ。強い精神がなければ、ただ、毎日空を求めるだけの好色な者と化してしまう。そして空は、その責めを負う。
ただ美しい、相手のことが好きだった。相手に求められた、それだけで。
終わりのない快楽を無意識にねだるような言葉に蒼は口づけでやさしく応える。完全に蒼は空に溺れる前だ、これで最初で最後だと空と快楽に二人で落ちた。もうこんな抱き方はしない。理性を伴わない抱き合い方しない。
「あいしてるよ、そら」
「そ、に…ちゃん」
口だけで気遣いの余裕が持てない。涙目になりながらも、空は蒼を呼ぶ。
「そ、に、ちゃん……あい、してる……」
花開く。儚い蕾が美しく清廉な華へ。蒼と空の外に放った白を流して、一緒にぬるい風呂に入る。
「そうにいちゃん………ううん、何でもない」
「……身体はつらくないか?」
「う、うん……」
空は顔を赤らめた。
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