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〖第47話〗
しおりを挟む真波の言葉に、私は彼の両肩を掴み、揺さぶった。
「私はあなたがいてよかった!それに、真波が必要か必要じゃないって誰が決めるの?真波、あなたは今までつらくても筆を折らずに頑張ってきたよ。真波の家族は何処かで真波を見守ってるよ。だから、申し訳ないなんて思う必要ないよ。胸張っていいよ。私にはあなたが必要よ」
いつの間にかぼろぼろに泣いた顔で笑って見せると、真波も笑った顔から大粒の涙をこぼした。
「絵、見にこない? 結構出来てるから。あとは仕上げ」
──────────
いつのまにか積もった雪は、空まで雪雲が立ち込め、時間を解らなくさせる。薄暗い空気は午前十時を、午後四時と言ってもよさそうなほど暗い。車のライトが、私達を余計惑わせた。
歩きながら、出来た絵と外の雪を見ながらお弁当食べようと、二人で話したりしていた。真波の知っている裏道を通って行くと、すぐ着いた。私はあの日酩酊していて何処を歩ったか覚えていない。直樹に振られて雪の中遭難して、真波に拾われ一度だけ来た真波の家。外観は、お洒落な小さな一軒家だ。
「可愛い家でしょ?でも築五十年軽く越してるから家賃安いんだ」
「どんな絵になってるのかな。楽しみ」
鍵を開けようとすると、不思議に鍵が開いていた。真波の顔が翳る。
「泥棒? 真波、大丈夫?」
真波は黙って俯いたままだ。真波は躊躇いがちに、靴を脱ぎ私に言った。
「ごめん。美雨さん。汚いけど上がって。すぐ帰すから。ごめんね」
すぐ帰す?誰かとルームシェアしてるとは聞いてないけど。不振に思いながら上がると見事な刺繍が施されたシースルーの生地の凝ったドレスのような黒のワンピースに身を包んだ恵理子がいた。
ベッドの乱れも、部屋の丁度よい汚れ具合も『生活』を長くしている感じがした。
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