蒼薔薇と禁忌の果実〖完結〗(黒将軍と蒼薔薇の庭とは話が少し異なります)

カシューナッツ

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〖第3話〗

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「……お前の作るデザートは私の楽しみだ。お前にこの庭で泣く権利をやろう。泣き止んだら屋敷に戻れ」

 振り返ると、切なそうに蒼い薔薇を眺めるジルベルト様がいます。私の胸も苦しくなるような、そんな瞳をしていました。

──────────

「………今日のメニューは?」

「ストレートティーとアップルパイです」
   
 最初は『子供相手にままごとだな』ジルベルト様は苦笑し言われました。けれど、段々とジルベルト様はまるく微笑んでくれるようになりました。
 私は毎日一人分の紅茶とデザート──アップルパイを用意し、毎日、蒼い薔薇の庭へ通いました。最初は一週間に一度会えれば良かった。逢えない日は肩を落とし、独りでティータイムを過ごしました。
   
 逢えた日は、ジルベルト様に紅茶を淹れます。少しでも楽しんで頂けたら。ティータイムの度にジルベルト様は花の話を良くしてくださいました。ジルベルト様は薔薇が好きで、中でも此処でしか咲かない蒼い薔薇は大切にしていると仰っていました。

「この薔薇は四季咲きの薔薇だからな。いつも私を慰めてくれる」
 
 私を見るジルベルト様の瞳に影が射した気がしました。私は知らないふりをしました。自分の胸が突かれたように痛んだことも。

 まるで胸から蒼い薔薇が咲いてしまいそうな痛み。経験のない痛みに、知らないふりを決め込んで、毎日のティータイムをジルベルト様と、この秘密の蒼薔薇の庭で過ごします。
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