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Q2・差異の要因を説明せよ
事件発生
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それからまた、一週間ほどが経った。
次の幹部会議では新たな相談が議題に上がり、メンバーたちが話し合ったり担当を決めたりしていた。ただ、前回共有された少女の相談については、その後の進展が語られることはなかった。決して放置しているわけではなく、回答自体は済んでいるはずだ。
そもそもアラクネのシステム上、相談後の「進展」というものは存在しない。相談は一度きり。回答も一度きり。もちろん同じ人間が何度もメッセージを送ることはできるが、対応するのは別のメンバーになるかもしれない。素性や所在を知って長期的に寄り添える立場ではない以上、最後に解決するのはアラクネではなく学校や家族であるべきだ――そんな線引きが彼女らの中にはあるようだった。
その日は珍しく、深夜のオフィスで仕事をしていた。大学での作業が長引いてしまい、夕刻からの出社となったのだ。花房と会えるかと思ったが、今日は有給休暇をとっているようだ。自由な時間に出社しているスタッフたちも、夜が更けるにつれ、ひとりまたひとりと消えていく。完全に昼夜が逆転している者は少ない。普段の花房もこんな環境で仕事をしているのだろうか。
とはいえ、今日は仲間がひとりいた。俺は顔を上げ、廊下の奥へと視線を向ける。そこには五つ並んだ扉があり、左端の部屋が使用中だった。風見葛志の撮影部屋、兼執務室、兼実験室。いつもは九時五時の模範的な働き方をしている彼だが、今日は都合がつかずに夜からの出社になったようだ。休みをとればいいのに、と思うものの、きっと色々な仕事を抱えているのだろう。
二十二時を報せるチャイムが鳴る。少し休憩をとろうと思い、手洗いに立った。デスクの引き出しにカップ麺があったはず。このタイミングで風見が出てきたら、既に帰ったと思われてしまうかな。オフィスの施錠をされてしまわないように、存在をアピールしておかなければ――そんな考え事をしながら用を済ませて戻ってくると、先ほどとは少し空気が変わっているような気がした。
(あれ、他に誰かいるのかな)
人の気配がする。それも複数。片方は風見だと思うが、もうひとりは誰だろう。撮影部屋の扉は厚く、中で作業をしていても外には漏れ聞こえない。幹部メンバーが他にも誰か残っていたのか。見渡せる限りに人影はなく、おそらく給湯室にいるものと思われた。カップ麺を作るのは少し待つか。俺はパソコンを置いている席に戻り、五つ並んだ扉を順に眺めた。
紫は風見。緑は蝶野。赤はマリア。黄色は花房。青は蜂須。アラクネへの加入順だ、と気付く。奥へ進むほど古株に。とはいえ、風見以外はほとんど同時期なのだが。この四名は、アラクネの「立ち上げメンバー」と呼んでも良い存在だろう。最年長の後輩。そんな風見の存在が、絶妙なバランスを生み出しているような気がする。
マリアは蜂須に憧れ、そのサポートに徹している。花房もまた、自分の保護者であった彼女に対して思い切った行動には出られないと思う。蝶野は相変わらず掴みどころのない態度だ。もし蜂須が誤った選択をした場合、止められるのは風見だけなのではないだろうか。
考え事をしている間も、給湯室にいるらしき人物は姿を見せない。事務所に来るにしても、撮影部屋へ戻るにしても、必ず俺の視界に入るはずだ。仕方がない、と立ち上がった。ここの給湯室はかなり立派で、一軒家のダイニングルームほどの広さがある。料理企画の撮影に使われることもあるので、キッチンと呼ぶ方が正しいのかもしれない。ひとり増えたところで邪魔にはならないはずだ。
驚かせないように足音を立てて近づこうと思ったが、それは全てカーペットに吸われて消えていった。夜更けのしんとした空気が続いている。廊下の奥、給湯室から予想通りに光が漏れており、人の話し声が届き始めた。男と女。つまり風見と……マリアなのか。いつからいたのだろう。全く気付かなかった。
「……ですから、放物運動の問題では水平成分と鉛直成分に分離して考えることが必要で……」
「等速度運動と等加速度運動に分けるということだよな。運動する時間をtと置いて式を立てるが、最終的にはこれを消去するように変形する、と……」
「放出された小物体は、放出時の二倍の速度で移動することになりますね。いわゆる速度の加法則です。これも伝えた方がいいかと……」
給湯室まであと数メートルの位置で立ち止まる。なんだかすごいことを話しているぞ。物理の問題に関する解説だろうか。分からないから質問しているわけではなく、自分は完全に理解した上で、どうすれば生徒に伝わるのか話し合っているのだ。俺は壁に背中を貼り付けた状態で、会話の続きに耳を傾けた。盗み聞きは良くないが、ここに割り込む勇気が出ない。
放物運動、摩擦、ばね定数、衝突。おそらく力学だということしか分からない話を次々と交わすふたり。風見は化学が専門のはずだが、そうとは思えないほどの知識を披露している。ここは給湯室だ。腰を据え、資料を広げながら話し込んでいるわけではないだろう。つまり単なる立ち話がこのレベルだということだ。
それにしても。風見はまだいい。トウキ大の理系学部を出て、今も理科を教えている人なのだから、まだ納得できる。問題はマリアだ。彼女はいったい何者なんだ。大学で何を専攻したのか知らないが、卒業して社会科ばかりを教えている現在、このレベルを維持するなんて人間離れしている。
俺が畏怖に近い感情を抱いていると、代弁するかのように風見が言及してくれた。もっとも、彼と俺とでは驚きの程度が異なるはずだが。
「前から思っていたんだが、お前はどこの学部にいたんだ? 物理や数ⅢCの話題にも平気でついてくるじゃないか。本当は理系だろ? 大学はどこだ?」
まるで出身地を聞き出すように、気軽な口調で。まずい。非公開情報が飛び出してしまう。風見が知る分には構わないと思うのだが、厄介なのはふたりが俺に気付いていないということだ。大勢が詮索しても決して明かされなかった情報を、ただのアルバイトが聞いてしまうのは荷が重い。もちろん外で喋るつもりはないが、マリアが俺を信用してくれるとは限らないのだ。
しかし今さら立ち去ることもできず、息を殺したまま話を聞き続けることになってしまった。
「出身大学……?」
訊き返すマリアの声がゆらりと動いた気がした。顔も姿も見えないため、この揺らぎが何を表すのかは分からない。ただの概念。何かが起こる前兆。そんなイメージが浮かんだだけだ。
「非公開なのは知っているが、そろそろ教えてくれてもいいんじゃないか? 私立でも公立でも、どんな学部でも、先入観なんて持たないさ。世の中には大学をランク付けする奴がいるが、俺はそういうのを軽蔑している」
ああ、それは分かるなあ。背中越しに風見の声を聞きながら、俺は自身の経験を思い返した。高校生時代の友人にひとりだけ、見事にトウキ大への合格を果たした者がいたのだ。進学してから久しぶりに再会すると、彼は寂しそうな顔をしてこんな話をした。
かつてのクラスメイトに「学生証を貸してくれ」と頼まれた、と――
「馬鹿みたいだよな。学びの場であることをすっ飛ばして、大学のランクだけをを重視する。トウキ大の学生証さえあれば周囲はひれ伏すと思っている。大学なんて、ただ合格すれば終わりというものじゃないのに」
あのときの友人と同じ言葉が、風見の声で耳に流れ込んできた。いや、もう詳細な内容も覚えていなくて、風見の言ったことを重ねているだけなのかもしれない。友人の話を聞いた俺はショックで、それでいて、自分にもやましい気持ちが無かったかといえば否定しきれなくて。もし俺もトウキ大の学生だったら堂々と生きられただろうか、なんて考えたことは何度もあって。軽蔑と自己嫌悪の混ざった感情に混乱したことだけは覚えている。
少しの間があった後、マリアの声が返ってくる。しかしそれは答えではなく、風見に対する質問返しだった。
「風見さんは、トウキ大ですよね」
「そう、トウキ大の理学部だ。公表しているから知っているだろ?」
「ああ……同じですね」
えっ、と声が出そうになるのを押しとどめる。彼女もトウキ大出身だったんだ。それなら隠したりせず、公表すればいいのに――そう考えかけた自分に失望した。そういう視点で人を見るなという話だったじゃないか。トウキ大だろうが、どこの大学だろうが、公表するかどうかは彼女が決めることだ。
風見も驚いたようだが、すぐに声色が明るくなった。彼女が自身の後輩で、しかも学部まで同じだと知れて嬉しいのだろう。俺とは別の意味合いで「公表すればいいのに」と思っている様子だ。
「なんだ、お前もトウキ大の理学部だったのか! 後輩じゃないか。もっと早く知りたかったなぁ」
しかし、マリアの言葉がすぐに返ってこない。先ほどから返答のひとつひとつが重く、覇気のない声色で、何かに取り憑かれているようにも感じる。出身の大学や学部に触れられたことがそんなに嫌だったのか? でも、それならそれではっきりと断れる人だと思うし……。
まさか、嘘をついているのだろうか?
そんな突拍子もないことまで考えてしまったとき。
「私は風見さんの後輩ではありません」
ぽつん、と落とされた声が、給湯室から漏れる光の中に溶け込んだ。
「同じなのは私の兄と、です。風見さんと兄は、トウキ大に合格した年も専攻も同じなんです。どこかで会っていたかもしれませんね」
空気が停止するのを感じる。何と返したものか、風見も困惑しているようだった。どうして彼女は兄の話を始めたのだろう。なぜ自分のことを話さないのだろう。明かすにしても隠すにしても、兄のことを持ち出す理由はない。まるで酔っているかのように、全ての会話が噛み合っていなかった。
「そ、そうか……。お兄さんの話か。勘違いしちまった」
風見は取り繕うが、これは完全にマリアの落ち度だ。勘違いでも何でもなく、一方的に振り回されただけ。俺は心配になってしまった。どこか調子でも悪いのか。普段のマリアなら、こんな不明瞭な発言なんてしない。
よっぽど、飛び出して顔色を確かめようかと考えた。働きすぎなのかもしれない。しかし俺が足を踏み出す直前、マリアの声が耳に届く。
「私、大学には行けなかったんです」
息をのむ音が聞こえる。そこにいる風見の表情が、手に取るように分かった。即座に返そうとした言葉があったはずだ。今までの発言の全てを。前提の誤認を。これ以上なく無神経な話をしていたということを。取り消すことはできないが、せめて詫びたい。
そんな彼に、マリアは一縷の間すら与えなかった。
「兄がトウキ大を目指していて。両親はそれを応援していて。やっぱり色々とお金がかかるじゃないですか。塾とか、参考書代とか。それで、私の分の学費は無くなってしまったんですって」
どこか他人事のように。年端もいかない少女が、台本を渡されてそれを読み上げているかのように。
「私が弟だったら困ったけれど、妹だから助かったそうです。女の子は大学なんて行かなくてもいいから。高校で十分だと言われました。兄が受験生だったとき、私は中学三年生でした。高校受験が、最後に許された勉強だったんです」
「すまなかった」
そこでようやく、風見は口を挟むことができたようだ。心から反省と後悔をしていることが声色から伝わってくる。俺だって共犯だ、と思った。俺も、アラクネに所属している者は全員、どこかの大学を出ているものだと思い込んでいた。今回はたまたま風見とマリアがふたりきりになり、彼が踏み込んでしまっただけで、同じ状況だったら俺が投げかけていたかもしれない言葉だ。
当然、マリアにとっても簡単に流せることではなく。
「親って不思議ですよね。子供が勉強をしない家庭では『勉強しなさい』ばかり言うくせに、いざ楽しそうに勉強していると『他のこともしなさい』なんて言うんです。参考書は買ってもらえませんでしたし、図書館に寄ったりして少しでも帰りが遅くなると叱られました」
今まで自分の中に押し込めて、隠し通していたことが堰を切って溢れてくる。そんな状況なのだろう。本来マリアは、こうやって一方的に話すような人間ではない。苦言でも叱責でも、相手に弁解をする余地を与えている。理性的な人だと思っていた。おそらく今だって理性はある。ただ、現実が理性を飛び越えてきただけで。
「本当に申し訳なかった。先週、そういった問題を抱える女子の相談を聞いたばかりだというのに……」
「兄が使い古して捨てた参考書を、ゴミ箱から拾い上げて読んでいました」
風見の謝罪を遮る声。もはや誰の言葉も聞いていない。マリアは、子供だった頃の自分を慰めるかのように過去を語り続けた。
「自己採点もせず引き出しに突っ込んであった模試の問題用紙を、こっそり持ち去って解いていました。もちろん模範解答は手に入らないので、全部自分で考えるしかなかった……」
恵まれた状況にある者こそ、その事実に気付けない。胸が痛かった。俺も、模試の結果を確かめるのが怖くて放置したことがある。せっかく受けさせてもらえたのに。反省と復習の機会があったというのに、それをふいにして。とはいえ、彼女の兄はちゃんとトウキ大に合格した。そこが俺なんかとは違う。
「トウキ大の二次試験の日のこと、ずっと覚えています。いつものように問題用紙を盗みたかったけれど、さすがに本番のものは放置してくれなくて。仕方がないので、学習塾が翌日に公開していた模範解答を探して解いてみました。答えは見ずに、もし自分がトウキ大を受験できたら受かっていただろうか、って。全く同じように時間を測って……」
盗む、という単語が出たことにどきりとする。金銭は絡まない、兄と妹の間の出来事なのに、その言葉を使わなければならないことが悲しい。済んだ試験の問題用紙くらい、頼めばいくらでも渡してもらえたはずだ。しかし、それが両親に知られてはまずい。まさかトウキ大に興味があるのか、などと思われては、一層に絞めつけられて僅かな希望すら断たれてしまうから――
もっとも、希望なんて最初からどこにも無かったわけだが。
「受かっていましたよ、私。具体的なボーダーラインは分かりませんが、受けていれば合格していたはずの点数をとれました」
声が震えているのを感じる。しかし彼女は、きっと泣いてはいない。風見の前では涙を見せないだろう。兄が受験生だったとき、彼女はまだ中学三年生。その時点でトウキ大の入試問題を解けていたなんて、優秀すぎて恐ろしいほどだ。もし進学の機会に恵まれていれば、どんな人生になっていたのやら。
「本当だったら私、トウキ大に――」
「いや」
そのとき初めて、風見の声が鋭く割り込んだ。今まではマリアを優先し、彼女の言葉が途切れるタイミングを慎重に見計らいながら謝罪を述べていたのに。傷つけた側と傷つけられた側。そんな圧倒的な立場関係が、いま、崩れた。
「本当だったら受かっていた、というのは違うだろう。受験はそんなものじゃない。いくら模試で完璧に解けていても、本番では歯が立たなかったという事例はいくらでもある。確かにお前の置かれていた環境は酷いものだ。親御さんのことが許せない。ただ、お兄さんはトウキ大に受かってお前は受かっていない――その事実は揺るがないんだ」
実際に受験を経験した者だからこそ言える言葉。今まで積み上げてきたものがたった一日に集約されるという事実と戦いながら、彼は自らの夢をつかみ取った。それは家族の協力があったからこそだが、だからといって「本当だったら」という言葉ひとつで追いつかれてなるものか。
風見の方にも自負がある。謝るべきことは謝るが、納得できないことに形だけの同調は示せない。そんな感情が俺にも伝わってきた。
「だって……あんなの、受かるに決まってるじゃないの」
相手によって言葉遣いを分けているはずのマリアが、ついに子供のような口ぶりになった。兄と同じ年齢。年上の後輩。この四年間、風見葛志という存在に対してどのような感情を抱いてきたのか。風見さんは、選ばれていない――そう言いきった彼女の意図が、今なら少し分かる気がする。
「毎日、遠方の塾まで送迎してもらって。参考書や問題集はいくらでも買ってもらえて。少しでも成績が落ちたら、大騒ぎして家庭教師まで雇って。いくら本番と同じ環境じゃないとはいえ、ゴミ箱から参考書を漁って勉強した妹が解けているのよ? 逆に、あれで受からなかったら何なのよ。何だったのよ、私の人生は……」
「つまり、こういうことか?」
風見の方も言い返す。もう、タイミングを計るような気配は感じられなかった。
「勉強に協力的な家庭に生まれた時点で、どれほど努力しても何を成し遂げても、一生『当たり前だ』と言われ続けなきゃならない、と? 諦めなければ夢は叶う。みんなそう言うよな。でも、俺が『努力を評価されたい』と願った場合、それだけは永遠に認められないということになる。生まれる家を自分で選んだわけでもないのに」
それは……確かにそうだ。この世には、貧しい家庭から成功を収めた人の体験談に溢れているし、それを見て励まされた者もいるだろう。もうほとんど望みもない、圧倒的に不利な状況でも、できる範囲の努力をする権利は平等にある。
それなのに、風見のような立場の人間は。成し得た功績も積み上げた努力も全て環境のおかげとされて、常にやんわりとした恨みとやっかみを買い、ともすれば見下しすら受ける。あれで受からなかったら何なのよ――マリアはあくまで兄に対する感情の暴露として告げたはずだが、間違いなく風見にも刺さったはずだ。
そう、ふたりは刺し合っている。この諍いが何の解決にも繋がらないと知りつつも、子供だった頃の自分が顔を出して泣き止んでくれない。トウキ大は、他とは一線を画す超難関大学だ。夢を抱くことすら許されなかったマリアも。遊びたい盛りの子供時代を全て勉強に捧げた風見も。正反対でありながら、胸の奥に引っ掛かるしがらみの部分は一致していた。
「私だって、好きであんな家に生まれたわけじゃないわよ……っ」
シンプルな言葉で表現するならば、喧嘩だ。マリアと風見は、ついに喧嘩をした。給湯室の壁をバンと叩く音がして、その振動に俺は背中を浮かせる。足音が近づいてきた。当然逃げる間もなく、飛び出してきたマリアと目が合う。
「…………あ」
その後ろに追いついた風見とも。薄暗い廊下の端っこ、丸く見開かれた四つの目に見据えられた俺は、情けない作り笑いを浮かべながらカップ麺の容器を掲げた。
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