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Q2・差異の要因を説明せよ
準備期間
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また数日が経ち、夏も終わりに近づいた。
と、言いたいところだが、八月の末ではまだまだ夏まっさかりだ。それでも珍しく気温の低い日があり、俺は久しぶりにオフィスの屋上へ向かった。椅子もテーブルもない、ただそこに存在するだけの空間だが、息抜きをするにはちょうどいい。缶コーヒーを片手に外階段を上る。周囲に高い建物のない地域のため、青空に吸い込まれていくかのような心地になった。
「あれ、誰かいる」
鉄格子の扉を開けて足を踏み入れると、先客の姿が目に留まった。珍しいこともあるものだ。座る場所もないし、ここに来るのは俺くらいだと思っていた。
「鳥辺野くん」
そこにいたのはマリアだった。彼女は柵に両肘を置いたまま、顔だけをこちらに向ける。手元には書類ファイルが一冊。長い黒髪が乾いた風になびいていた。
「お疲れさま。息抜きに来たの?」
その問い掛けに頷きながら、彼女の隣に立つ。ふたりきりの空間で、あえて距離をとるのもおかしいだろう。しばらくふたりで真夏の街並みを眺めていた。海の見える立地ではない。どこにでもある小さな街だ。それでも、こうやって空の青さに包まれていると、大海原を行く船の甲板にいるような気持ちになった。
「少し焼けましたね」
この数日の間に、彼女はコラボ企画の撮影に向かったようだ。シャツからすらりと伸びる腕が、健康的な色に焼けている。俺は赤くなるタイプだから羨ましい。
「近いうちに動画が上がると思うわ」
「はい、楽しみです」
今回の『アクアビジョン』とのコラボ動画は、あちらのチャンネルに投稿される。だから俺が編集するわけではなく、ひとりの視聴者として待つことができた。マリアと花房はクイズ大会で勝つことができたのだろうか。勝った方には賞品があったりするのかな、何かを持ち帰ってきた様子はないけれど――そんな他愛もないことで思考を埋めようとしたが、やはり浮かんでくる言葉があった。
「変なことに巻き込んでしまって、ごめんね」
マリアが先に触れてくれたので、安心してこちらからも言及できる。
「俺の方こそ、蝶野さんを止めることができず……」
マリアと風見に数学で勝負をつけさせるという計画は、水面下で着々と進んでいるようだった。いつの間にか風見の方にも話は伝わり、了承を得ているらしい。どう考えても即座に一蹴されるべき提案だ。こんなことで事態が解決するとは思えない。しかし双方が「勝つのは自分なので損はない」と考えた結果、この馬鹿みたいな話が通ってしまったのだ。
「やっぱり、自信あります?」
尋ねてみれば、はっきりと肯定された。もう無かったことにはできないな、と覚悟する。巻き込まれた者として、俺は勝負の結末まで見届けなければならない。
「私は勝つわよ。勝って、風見さんに認めさせるの。私の方がずっと頑張ってきたんだってことを」
これを風見が聞いたら、またひと悶着起きそうだなと思った。和解できていない以上、すれ違った心はそのままだ。そして目下の懸念は、勝敗がついて片方が謝ったところで、このすれ違いが解消するとは限らないということだった。
しかしここで反論しても意味がない。ひとまず、彼女の想像する未来に同調しておくことにした。
「俺も、ひとつ謝らなくちゃならないことがあるんです」
風見がマリアを大卒だと思い込んでいたように。俺にも、あの時になってようやく気付いたことがあった。
「マリアさんが学習塾で働いていたと聞いたとき、当然のように教壇に立っていたのだと考えていました。だから『生徒さんたちは寂しかっただろう』なんてことも言ってしまって……」
教えるのが上手な先生を引き抜かれてしまった。塾の生徒たちの視点ではそうだったのだと、勝手に思い込んでいた。今でも応援してくれていると思う、とも話したはずだ。しかし彼女の事情を知ってから振り返ると、それは根本的な勘違いであったと気付く。
「そうね。私は確かに塾で働いていたけど、先生じゃなかったのよ」
穏やかな口調で彼女は話す。俺に対しては怒っていないようだった。しかし手放しに「良かった」とも思えない。俺が許されたのは、俺みたいなことを言う奴が他にもたくさんいたからだろう。彼女が傷つき、慣れきってしまった分だけ、俺は許されてしまう。
「ただの受付スタッフよ。大半の生徒さんからは、名前も覚えられていなかったと思うわ。それでも雇ってもらうのは大変だったのよ。教える立場でもないのに、大卒しか募集していない塾ばっかりで。でも、どうしても学びの場で働きたかったから、頼み込んで雇ってもらったの」
なぜ、自らを痛めつけるようなことを。俺の価値観ではそう感じてしまうが、彼女にとっては絶対に譲れないことだったのだろう。どんなに望んでもたどり着けなかった桃源郷へ、自ら飛び込んでいく覚悟。他の講師を越える知識を持ちながらも、教壇に立つことは許されない。俺だったら耐えられない状況だ。
「でも、それだったら、蜂須さんはどうやってマリアさんのことを知ったんだろう」
ふと浮かんだ疑問を口にする。彼女が塾講師だったと思っていた頃は、生徒や保護者の噂を聞きつけた蜂須が引き抜きに行った、というストーリィを想像することができた。しかし現実は違う。どれほど能力があろうとも、ただの受付スタッフが見初められるようなシンデレラ・ストーリィは滅多にない。
ほとんど独白のつもりだったが、マリアは微笑みながら答えてくれた。
「私が勤めていた塾は、全国的に有名な大手だったの。難関大学の合格者を多く輩出していて、その評判を聞いて集まった生徒さんで満員だったわ。そうなると当然、講師の数が足りなくなってくる。解けない問題について質問したくても、順番待ちするしかない子が事務所にたむろしていたのよ」
そしてマリアは、その質問に答えるだけの知識を持っている。ああ、繋がってしまった。その後に起きた出来事の想像がつく。
「勝手に教えちゃったの。ただの事務員なのに。先生が忙しそうだったら私のところにおいで、って。もちろん秘密にしていたのだけど、まあ、いつかはバレるわよね。塾長に見つかって、クビになりかけていたところに蜂須さんが……」
四年前。まだアラクネは駆け出しで、あちこちに営業をかけていたと蜂須が話していた時期だ。教材の売り込み、あるいは情報の交換など、何らかの目的で蜂須が訪れていたのだろう。そこで彼女は目の当たりにした。今の居場所から放り出されそうになっているひとりの女性を。
「蜂須さんに拾われていなかったら、どうなっていたことか。もう二度と学びの場に関わることもできなくて、この世の底に沈んでいたかもしれない……」
空に向かって手を伸ばす。彼女の長い指が、何かを掴むような動きをした。そこには八月の風しか漂っておらず、俺の気のせいだったのかもしれない。拾われた、と彼女は言った。つまりマリアは落ちていた。蜂須が雲の上からそれを見つけて、糸を垂らして釣りあげてくれた――
あくまでたとえ話だ。蜂須が聞けば、とんでもないと否定するだろう。彼女らは師弟でもなければ親子でもない。対等な人間同士に「拾う」も「拾われる」もない。そもそも人間は、その辺に落ちて転がっているものではない。それでもマリアにとっては、決して手放すわけにはいかない蜘蛛の糸だった。
「これ、何か分かる?」
マリアは俺に向かって右手を掲げ、唯一の荷物である書類ファイルを見せてきた。片面だけが透明になっていて、中の書類が窺える。手書きの試験問題らしきものが入っていた。まだ幼さの残る筆跡で、長い記述を伴う数学の問題がいくつも記されている。
「もしかして、トウキ大の入試問題ですか」
「そう。兄や風見さんが受けた年の、二次試験本番。翌日に予備校が発表した模範解答を書き写したものよ」
これがあのトウキ大の問題か。さらりと目を通しただけでも、俺が解けるような代物ではないと分かる。手書きということは、つまりプリントアウトすることすら叶わなかったのか。彼女の受けていた束縛は俺なんかには想像もつかない。一字一句書き写された問題に、強い執念を感じ取った。
「数学だけじゃないわよ。全科目、手書きで写して解いてみたわ。さすがに満点とはいかなかったけれど、合格できる点数をとれたと思う。何度も何度も擦り切れるほどに解き直したから、今なら絶対に間違えない」
そして現在も、ファイルに入れて持ち歩いている。これこそが彼女の人生の象徴なのだろう。大学進学を諦めた十五歳の頃から、ずっと囚われて抜け出せない。息抜きをするために屋上へ出ても、その手には古い問題用紙が掴まれたままで。
一方、俺の手には缶コーヒーしかない。未開封のそれを彼女に渡し、屋上を後にした。俺の過去だって平坦とは言えないが、マリアのように執念深く抱き続けているものはない。忘れることができる。あれで良かったのだと思うことができている。あのとき使っていた参考書も問題集も、現在の住処には持ち込んでいない。身軽になった俺は、その分で何を背負えているだろう? どんどん軽くなっていく一方で、何も身についていないのではないか。
「ああ、すまない。ちょっと手伝ってくれないか」
考え事をしながら廊下を歩いていると、不意に誰かに呼び止められた。個室の扉の一つが薄く開けられ、伸び出た腕が手招きをしている。声の正体が即座に分かったので、俺は素直に近寄った。紫の扉。風見の執務室。この時間帯に出社しているのは珍しい。
「俺だって用事があれば来るさ」
マリアと鉢合わせてしまうかもしれないが、いいのか。そんな視線を感じ取った彼は、苦笑しながら言った。
「あいつは社長に合わせて行動しているからな。避けるなら俺の方が調整する必要があるが……まあ、今日は所用があって。少なくともここにいれば会うことはないから安心してくれ」
自分が会いたくないというよりは、ふたりが鉢合わせることによって周囲に緊張が走ることを回避したいのだろう。マリアと風見の間に何かがあったらしい、ということはほとんどのスタッフに知れ渡っていた。とはいえ、自力で真相にたどり着いた者はいないはずだ。アラクネは高学歴の集団で、不和の原因は見事にその盲点の中にある。
風見は白衣を着ていた。撮影の準備のため、薬品を扱っていたようだ。それらは既に棚へ仕舞われていたが、足元には実験器具の入った箱がある。運ぶのを手伝ってほしいらしい。
「そんなに重そうじゃないですね」
正直な感想を口にしてから失言に気付く。風見はあからさまに拗ねたような表情をしていた。
「俺も運動音痴なだけで腕力は人並だし? このくらい運べなくもないが?」
「すみません、適当なことを言いました。半分ずつ持ちましょう」
「もう三十だからなぁ。下手なことをすると腰をやっちゃうわけよ」
ふたりで運べば簡単だ。あるべき場所に箱を仕舞うと、風見は白衣を脱いでフックに掛けた。白衣とはあくまで作業服であり、汚れをばら撒かないためにも無闇に着るものではない――そんな話を聞いたことがある。制服やトレードマークのように扱う科学者もどきが多い中、彼は確かに本物だと感じた。
用が済んだので帰らされるかと思ったが、彼はまだ何か話したそうにしている。俺の方も手が空いているので、椅子のひとつを指して座らせてもらった。
「ちょうど休憩しているところだったので。お話に付き合いますよ」
風見もやんわりと微笑むと、近くの席に座る。整頓された綺麗な部屋だ。育ちの良さが窺える――などと言えば、彼は嫌がるだろうか。
「風見さん、けっこう絵が上手いんですね」
ホワイトボードに描かれた図解を眺めながら俺は言った。実験器具の絵を描く機会が多いから、必要なスキルなのかもしれないが。フラスコの曲線、試験管の直線、気体を発する薬液の表現などに絵心が現れている。このまま教科書に載せても遜色ないレベルだ。
「ああ、少しだけ習っていたからな」
風見は答える。納得したが、どのタイプの絵描きなのか気になった。理科講師として、実験器具や生物の絵が専門? それとも風景画などに手を出している? あるいは、昨今流行りのアニメチックな絵が得意なのか。思考を巡らせる俺の様子を見て、風見は少し困ったような顔をした。
「何か勘違いしているようだが、習っていたといっても未就学児の頃だぞ」
「え?」
未就学児って、幼稚園とか保育園の頃ってことだよな。あの年頃の子供が、絵を習った上で描くことってあるんだ? 俺が四、五歳の頃に描いた絵なんて、友達の顔の隣に先生が「シュークリーム」と添え書きしていたぞ。
「そんなに前のことなんですか」
「もちろん、いきなり今みたいな絵が描けていたわけじゃないが、基礎をプロに教えてもらったという経験は大きいな。斜めから見た立方体の描き方だとか、奥にある物体は小さく見えるだとか……」
確かに、幼稚園児にそういったことを教えてくれる大人は滅多にいない。いつか自分で気付くはずだが、教えてもらえるのならその方が手っ取り早い……のか? 少しつまらない気もする。習っていた内容も、図形とか空間把握がメインで、楽しいお絵描きといった様子でもないし。
「なんだか試験勉強みたいですね」
ぽつりと呟くと、風見は虚を衝かれた顔をした。少しだけ思考した後、ああ、と思い出したかのように続ける。
「まさに試験のためだよ。小学校受験の対策として習っていたんだ」
「受験の科目にお絵描きもあるんですか」
てっきり、小学校の算数だとかを先取りするものだと思っていた。お絵描きまで勉強の一部にされるのか。本来は楽しい遊びであるはずなのに、それを見て大人たちが一喜一憂する。プロを呼んで習わせよう、なんて話す――
つくづく、俺の生きていた世界とは別物だ。
「あくまで小学校の受験だからな。教科書に載っているような勉強はまだ先だ。番号の順に点を繋いでいく問題や、積み上がった立方体の数を答える問題、キャラクター同士の会話にある空欄を埋める問題。それらを制限時間内に解いていく。運動神経を見られる学校もあるから、塾では軽いスポーツの時間も設けられていたが……俺の受けたところには関係ないし、いつも不参加だった。その結果がこれだな」
軽く両手を広げ、自分自身を示すポーズ。高身長で体格も良く、いかにも運動が得意そうなイケメンだ。しかし実際はキャッチボールすら苦手な運動音痴。彼の幼少期の生活を想像すると、当然の結果のように思える。
絵を習っていたので今も絵は上手い。科学館や博物館へ連れ回されていたので、今も理科が好き。目の前にいる彼の存在は、あの頃の両親が与えたものだけで出来上がっているのではないだろうか。
それは少し、怖いような気がした。
「風見さんの、本当に好きなものって何ですか?」
黙っているつもりだったのに、つい口から漏れてしまった。風見は怪訝な顔をして返答する。
「何って、理科だが……。専門は化学だ。見れば分かるだろう?」
「そうじゃなくて、本当に……その、子供の頃の夢とか……」
上手く表現できないのがもどかしい。子供の頃の夢を訊いたところで、彼は変わらず「科学者を目指していた」と言うだろう。未就学児のうちから塾に通い、私学の小学校に進むことが確定しており、必要なものは全て与えられる。勉強のためならどこへでも連れていってもらえるが、庭でキャッチボールをしたことはない。そんな育ち方をした彼の「子供の頃から理科に興味があった」という言葉なんて、いったいどこまでが本当なのだろうか。
いや、失礼なことを考えている自覚はある。それでも。
「ああ……言いたいことは分かる、かもしれない」
溜め息まじりの声で彼は言った。怒っているわけではなく、彼自身も複雑な思いを抱えている様子だ。
「両親の友人と顔を合わせることが、度々あった。大人から子供に対する話題のひとつとして『何が好き?』『将来は何になりたい?』と尋ねるのはよくあるよな。そのとき、俺より先に親が答えていたような気がするんだ。今となっては、もう曖昧な記憶だが……」
葛志は科学が好きなんだよね? 将来は研究者になりたいんだっけ。このまえ科学館に行ったとき、あんなに楽しそうにしていたんだもの。愛読書は理科事典。そう、この子ったらスポーツにもテレビにも興味がなくて……。
自分を構成するものが、自分の外側で作られていく。上手に絵を描きたいという欲望が芽生える前に、試験対策として絵の基礎を叩きこまれる。その経験は今も役立っているし、サイエンスコミュニケーターでありたいという目標は変わらない。ついぞ自転車には乗れずじまいだったが、車の免許はとれたので問題ない。何の不満も不便もないということが、逆に恐ろしい。
そんな感情を、俺にも伝わるようにゆっくりと説明してくれた。
「マリアみたいに、あれは間違いだったと糾弾できれば少しは納得できたのかな。恨むなんてお門違いだし、ただ気味の悪さがここにあるだけだ。ずっと胸の中で澱を成している。俺の本当に好きなものって、何だったんだろう。存在すらしていないのだからタチが悪いよな……」
話を終えた風見は、改めてホワイトボードの絵を見上げた。教科書に載っていそうなほどに緻密な、実験器具や薬品の数々。真っ直ぐな線。正確な円。斜め上からの描写も狂いなく。確かに、こういったことは最初からコツを教えてもらった方が習得しやすい。俺がシュークリームみたいな友達を描いていたのと同じ年齢で、彼は遠くのものは小さく見えるということを教えられていたのだろうか。
「懐かしいことを思い出しちまった。俺に絵を教えてくれた美大生、今頃は何をやっているのかな……」
当時の彼が五歳だとすれば、もう四半世紀も前のことだ。今は四十代の半ばくらいか。良くも悪くも人生の進路が定まりきった頃。どんな形であっても構わないから、大学で学んだことを活かせていればいいな。顔も知らない他人でありながら、真剣に願っている自分に気付いた。
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