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問四・このときの感情を答えよ
作戦遂行
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体育館の屋上を気にかけるようになってから、約一週間が経った。
出社時刻をずらし、陽が沈み始める頃合いが空くようにして、隣の棟から見張り続けている。絵を描いたり、本を読んだり、講義の課題に取り組んだりしながら。空振りに終わるかもしれないという予感は何度も過ったが、諦めることができない。どうせ期間限定の挑戦だ。最後まで試す価値はある。
俺がミズキに〈背景付きの人物画〉を課してから、それが提出されるまで。俺がここにいなければならないのはその間だけだ。その期間に何も起きなければ、企みは失敗に終わったということになる。少しでも成功率を上げるため、仕込んでいることがあった。それに相手が引っ掛かってくれたなら。
俺はついに、あの人と対面することができるのだ。
(……誰か来た)
その瞬間は不意に訪れた。否、何かが起きると信じて待っていたのだから、不意打ちなんてあり得ないのだが。
(きっと〝あの人〟だ。会いに行かなきゃ)
左肩に鞄。右手にはタブレット。その状態のまま教室を後にした。階段を下りて建物の外へ出たあと、目指すのはすぐ隣の体育館だ。今年の四月、俺がアラクネの求人を見かけた場所。全てのきっかけとなった場所。
あのとき座ったベンチには目もくれず、外階段を使って屋上へと向かう。何の設備も整っていないので、ここまで来る学生は少ない。ましてや、クリスマス直前のこんな寒空の下なんて。空と同じく灰色の、コンクリートのタイルばかりが広がる場所へ足を踏み入れた。
「……ミズキ」
声を出したが、届いてはいないだろう。出入口の対角線上にその男はいた。こんなに広い場所で、わざわざ最も離れた位置にいるなんて。胸のうちで苦笑しながら彼の元まで歩いた。運動不足が祟ってか、会話できる距離まで近づく頃には少し息が切れていた。
「ミズキ」
もう一度呼び掛けると、やっと男は振り返る。この広さでは足音も風に流れ、気配すら感じ取れなかったのかもしれない。俺はひとまず苦情を伝えた。
「遠いよ。あのとき君がいたのは、この位置じゃなかった」
男は驚いた顔をしている。どうして君がここにいるのか、とでも言いたげだ。しかし具体的な質問は無かったので、そのまま話を続けた。片手を上げ、大学のシンボルでもある時計台を指し示しながら。
「君が撮影するべき時計台は、あっちじゃなくてこっちの。よく似ているけどね。だから実際は、もっと手前側にいた」
「じゃあ、移動する?」
拗ねたように相手は言い返す。今さら戻っても無駄に疲れるだけだし、重箱の隅をつつく発言に対する皮肉だろう。当然、ふたりとも動き出さない。このまま俺たちの間に起きた出来事の答え合わせをするだけだ。
「蝶野さんだったんですね」
がらりと口調を変えて、俺は確かめた。そこに立つ男の全身を改めて眺める。コーヒー色のトレンチコートが梟のように膨らんでいた。朴訥な印象を与える黒髪。野暮ったい丸眼鏡。ぼんやりとした視線。どこをとっても普段と変わらない、アラクネ幹部・国語講師の蝶野翡翠がいる。
そんな、俺にとっては「職場の変な先輩」としか説明できない人が、俺の通う大学に来ているのだ。
当然、母校ではない。彼はトウキ大出身だ。ここで友人を待っているだとか、興味本位だとか、単純な話でもない。彼は今日、ここに来なければならなかった。俺はそれを待ち続けていた。隣の棟の窓から毎日見張って。今まで通りの時刻に出勤すればオフィスで会えるはずの、鬱陶しいほどに人懐こい先輩を。
「やっと会えましたね。ミズキさんの描いた、四枚目の絵。あれはまさにここで描かれたものなのですが、あなたが現れる日時までは特定できなかった。だから毎日見張っているしかなかったんです」
「……最後の絵は、まだ届いていないはずだけど」
「そうですね。彼の相談の担当者として、まだ三枚しか課題の作品を受け取っていません。でも、四枚目に何が描かれているのかは知っているんですよ」
俺は鞄から冊子を取り出す。ミズキに課題を出すにあたって、ずっと参考にしてきた過去問題集だ。美大の入試問題は、年度によって大きく内容が変わることはない。どの年を参考にしても、ほとんど同じ指示をすることになる。
一問目、静物デッサン。ティッシュケースとテニスボール。
二問目、着彩デッサン。太陽系の模型。
三問目、自由なイメージで描く。エメラルドグリーンのモルフォ蝶。
そして四問目の内容が、人物デッサンだった。
以前、残業があった際に花房と話をした。蝶野が小説家を目指し、専門学校に入ることも考えていたという話。それでもミズキを彼に託してはいけない、という話。そして、太陽系の模型の絵に冥王星があるのはおかしいという話。混乱する俺たちのもとに届いたのが、三枚目の作品――モルフォ蝶の絵だった。
そして四枚目はまだ、届いていない。
「まあ、まずは送ってくださいよ。四枚目の作品を」
手を差し出して促すと、蝶野はコートのポケットからスマホを取り出した。画面を数回触って何かを表示する。やがて深く溜め息をつき、指先で叩いた。
ピコン、と俺の手元で通知音が鳴った。右手に携えたタブレットに光が灯る。画面を見ると、確かにチャットルームに画像が送られていた。目の前にいる蝶野が操作をして、ミズキの名前で画像が届く――これが、全ての答えだ。
文面もなく単独で送られてきた画像。俺はタブレットを眼前に掲げ、その細部まで眺めた。初めて見るわけではないが、しっかりと記憶に残っているわけでもない。もしどこかが描き換えられていても気付けないだろう。もっとも、蝶野がそんなことをする理由などないのだが。
柵に取り囲まれた殺風景な屋上の風景。中央には背中を向けて立つ人物がおり、そこが重点的に描き込まれている。メインは人物デッサンだ。背景は控えめに、シンプルなタッチで表現されていた。
鉛筆みたいに先が尖った、レンガ屋根の時計台。この場所で描いたものだということはたやすく分かるはず。ただ気を付けなければならないのは、構内には同じような時計台がもう一棟あるということだ。
俺が通っている、ユカリノ美術大学のキャンパスには。
「見たことはありますが、やっぱり上手ですね」
画面を眺めたまま、ゆっくりと歩き出す。何かされるかと思ったのか、蝶野が一瞬だけ怯えた表情をした。もちろん手を出したりはしない。彼の隣を通り過ぎると、屋上を囲う柵の前に立った。
上半身を傾け、前のめりで柵に体重を預ける。特に面白いものは見えないのだが、これが最も楽な姿勢だ。長時間じっとしていられる。
「どうです? 同じに見えますか? ちょっと位置はズレていますが」
顔だけ振り返り、蝶野の方を見た。彼はスマホの画面と俺を見比べ、口をぽかんと開けている。同じコートを着ていることに気付いてもらえただろうか。絵の中の人物は背中を向けている。顔は見えないし、髪の長さも違う。だから今までは想像もつかなかったのかもしれないが――
「その絵のモデル、俺なんですよ」
ついに俺は、真相を述べた。
ミズキと知り合いだったわけではない。俺がモデルになったのは、必要性と偶然が重なった結果だ。ミズキはデッサンのモデルを探していて、俺はたまたま時間が空いていた。それだけのこと。
「キャンパスを高校生が歩いていたんです。慣れない場所で不安そうでしたし、何か困りごとがあるんだろうな、と思って注視していました。声を掛けるべきか迷っていたら、向こうから呼び止められて。スケッチブックを片手に」
デッサンのモデルになってほしい、という依頼。理由は説明されなかったが、だいたいの想像はついた。入学試験の練習だろう。ということは高校二年生くらいか。わざわざ見ず知らずの相手に頼むということは、完全に独学なのか――様々な想像が過った後、時間が空いていたので了承した。
「ただ、俺としても顔を使われると困りますから。後ろ姿だけにしてほしいと頼みました。その結果がこの絵です。もちろん、完成後に見せてもらいましたよ。だから知っていたんです」
四枚目の作品として、どんな絵が届くのか。そこに描かれているのは誰で、背景はいったいどこなのか。ミズキがあのときの高校生だと気付いた瞬間から、俺には先が読めていた。
その記憶を呼び起こすきっかけになったのが、三枚目の絵だ。
エメラルドグリーンのモルフォ蝶。彼が俺を描いている間、ひとつ前のページに描かれたそれが、ずっと俺の方を向いていたのだ。
「節約のためでしょうか、彼は裏面も使って描いていました。スケッチブックは使用済みのページを後ろに回しますから、ひとつ前に描いた絵がこちらを向くことになります。当然、背を向けている間は見えませんが、その前や後には対面していました。どうしても目に入ります」
こんな感じになりました、とデッサンを見せてくれたときも。俺は、どちらかといえば裏側にある絵の方に気を取られていた。宝石のような色遣い。翅を広げてじっとしている姿なのに、今にも動き出しそうだった。蝶といえば標本じみた姿を描く人間が多い中、何かが違うと感じたのだ。
これこそが「光るもの」だったのかもしれない。
上手く言葉にできないし、当たり障りのないお世辞だと受け取られてしまいそうだが。でも、そこには確かに何かがあった。
「俺にとって、三枚目と四枚目はセットなんです。同じ日に、同じ場所で、同じ人物に見せられた。だから、モルフォ蝶の絵が送られてきた瞬間……十日前くらいだったかな、あの瞬間に俺は、ミズキさんの正体が分かった。それどころか、次に送ってくる絵についても予想ができたんですよ」
そしてつい、花房にそのまま口走ってしまった。優しい友人は、俺が一線を越えてしまったのかと案じてくれたが、そんなことはない。あのときの高校生とミズキが同一人物だと分かったところで、俺は本名も居場所も知らないのだから。
「でも、不思議なんですよ。どうしてもおかしい部分があって」
しらばっくれた口調で告げると、蝶野もようやく言葉を返した。
「時間軸がずれているね」
「そうです。三枚目の絵が送られてきたとき、俺は彼が次に描く絵の内容を知っていた。つまり、既に人物デッサンは完成していたし、俺はモデルとして彼本人と接触していたことになります。最後の課題を出す前に」
「でも、ユカリノ美術大学の過去問は毎年ほぼ同じ内容だ。ちょっとずるいけど、先回りして描いておくことはできるんじゃない?」
「理屈としてはあり得ますね。モルフォ蝶の絵を描いた直後、ミズキさんは次の課題も済ませておこうと考えた。過去問によると、四問目は人物デッサン。モデル探しが難航し、苦肉の策として志望校のキャンパスに向かった。美大生なら自分の夢に協力してくれるだろうと期待して――といった流れでしょうか」
「うん。それで筋は通っていない? ……と、言いたいところだけど」
不意に蝶野が俯く。その肩が細かく震え始めた。笑っているのだ。話している内容が馬鹿らしくてたまらないのだろう。いまさら筋を通そうとしたところでどうにもならない、決定的な証拠が横たわっていると知っているから。
先回りをして描いただとか、そんな小手先のことで解決するズレではない。
俺は大きく息を吸い、全てをぶち壊す発言をした。
「俺がデッサンのモデルになったの、三年前のことなんですよね」
もう何もかもが済んだことだったのだ。三年前の時点で、ミズキは四問目の課題まで終わらせていた。他ならぬ俺自身が証人だ。俺が課題を出すまでもなく、チャットの相手の元には全ての作品があった。
モルフォ蝶の絵と人物デッサンは俺がこの目で見たし、冥王星が含まれている模型の絵も、三年前に描いたものなら辻褄が合う。最初の鉛筆デッサンだけは確証が持てないが、きっと同時期の絵だろう。
「ソラくんがキャンパスで会った少年は当時中学生。発育が良いので高校生に見えただけ。何らかの事情で今は絵が描けなくなり、昔の作品を引っ張り出しながら課題に応えていた……っていうのはどう?」
「どう? って言われましても。蝶野さんは答えをご存知でしょう。今は描けないというのなら、美大進学の相談をしている場合じゃないですよ。チャットでやり取りしていた相手がミズキさん本人であろうと、彼を騙った別人であろうと、妙なことが起きているのは事実です。真相を確かめなければならない」
それに、ミズキが蝶野であることは確認済みだ。彼は目の前で最後の作品を送ってきたのだから。チャットルームは幹部メンバー全員が覗けるが、ミズキのアカウントを使えるのは彼本人だけ。振り返ってみれば、ミズキはメッセージの削除をしたことがあった。あれは操作手順が難しいのに。
かつてのアラクネは、相談者と一対一でやり取りすることが当たり前だった。蝶野もチャットルームは使い慣れているはずだ。メッセージが消されたのは、この地域で地震が起きたときのこと。突然の揺れに手元が狂い、間違った文章を送ってしまったのか。それとも、うっかり揺れに言及し、近くにいることを明かしてしまったか。内容は分からないが、その通知は俺に違和感を与えた。
「地震が発生したのとほぼ同時に、ミズキさんからメッセージが届いたことがあったんですよね。偶然でしょうけれど。あのとき、俺は風見さんの実験を手伝っていました。だから彼はミズキさんではない。マリアさんは、揺れの直後に実験室を覗きに来てくれて……事務所の方では物が落ちたりした、と教えてくれました。他のスタッフもいる中で、悠長にメッセージを送ってくることは考えづらいです」
「そして、最初のやり取りのとき隣についていたるりちゃんも違う、と……。消去法だね。じゃあ、ふじのんは?」
「花房は絵の違和感について教えてくれました。冥王星があるのは変だ、って」
さすがにあれが演技だったとは思えないし、演技をする意味もない。ミズキの代わりになれるのは、蝶野だけなのだ。美大進学どころか、既にアラクネで地位を築いている。俺が必死になって相談に乗る必要もない。そんな年上の社会人が、高校生のふりをして相談を寄せて……。
「蝶野さん。そろそろ教えてください。三年前に起きたことを」
騙されていた。何もかも。悩み続けた日々が馬鹿みたいだ。ミズキなんて存在しなかった。五冊のスケッチブックも。黒塗りだらけの模試の結果も。緻密に描かれた惑星たちも。全部この目で見たのに、画面の向こうには抜け殻しかなくて。
そこでようやく、彼に背中を向けたままであることを思い出した。デッサンを再現するためとはいえ、もう身体ごと振り返ってもいいだろう。曲げ続けた首が痛い。柵から離れ、蝶野の正面に立つ。二メートルほどの距離が空いていた。
「ソラくん、さ」
視界の中央にある蝶野の顔が、唇が、ゆっくりと動く。無表情というわけでもないのに、何を考えているのか分からなかった。
「僕と最初に会ったとき、どう思った?」
「面接のときのことですか? 変な人だと思いましたよ。弄ばれているような気がしたし、こんなふざけた態度の面接官なんて、こってり叱られてしまえと思いながら見ていました」
「そんなこと思ってたの……」
「でも、半年間で変わりました」
きっと、俺だけではないだろう。誰にとっても蝶野の第一印象はあんな感じだったと思う。自由奔放で、空気を読まない、対応が難しい人。でも、付き合っているうちにみるみる変わっていく。
「蝶野さんは、相手のことを考えられる人です。本当に嫌がることはしない。周りをよく観察している。そして気付いて行動できる。悩んでいることもお見通しだけど、安易に答えは出さずにヒントだけくれる――」
「つまり、良い人?」
「良い人です。蝶野さんは」
言葉にすればたった四音だが。色々と考えてみても、最終的にはそこに帰結するのだ。トウキ大出身の賢い人。なんだかんだレジュメ作りが丁寧な真面目な人。場を和ませることのできる面白い人。挙げればきりがないほどの要素を持っているが、この言葉が最もしっくり来る。
蝶野翡翠は、良い人だ。
でも、彼本人には正反対の詭弁としか思えないのだろうか。お世辞。誤解。外側を眺めて知った気になっているだけ。
「じゃあ、これから、僕が本当は悪い人なんだって話をするね」
縋るような気持ちで伝えた俺の言葉を、彼は静かな笑顔で引き剥がした。
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