2 / 6
第一章 ユミハ 入学試験編
1 気弱少女、試験に向かう
しおりを挟む
異世界【バシレイア】。
神と魔法と科学が共存する世界。
唯一神を信仰する【ハギオス教教会】が人類社会を導き、
魔王率いる【魔のモノ】と戦う【聖徒戦士】たちが人々を守っていた。
その【聖徒戦士】を目指す少女――
主人公の一人、<ユミハ・H・ハスキン(15)>も、例外ではなかった。
#####
(……試験、行きたくないな)
鏡を見つめながら、私は「はぁ~」と息を吐く。
今日だけで何度目のため息だろう。
鏡の中の私は眉がハの字のままで、蒼い瞳もやけに薄く見える。
いつもなら心地よい朝のそよ風も、白金色の髪をただ不安に揺らす。
私は“先生”にもらった白い鳩の髪留めをそっとつけた。
お気に入りのはずなのに、今はその鳩さんも沈んでいるように見える。
今日は【聖徒戦士養成学校】の入試の日。
けれど私は、ここへ来て急に怖くなっていた。
三歳の頃から夢の中で聞いてきた“あの声”がなければ、きっと選ばなかった道だ。
本当は―― いや、むしろできることなら聖徒戦士になんてなりたくない。
なぜなら、聖徒戦士の戦場は魔界。
つまり【魔のモノ】と命を賭けて戦う仕事だ。
そんなの怖くて無理だ……
それでも私が聖徒戦士を目指すことになったのは、幼い頃から夢の中で暖かな光に、『ユミハよ。聖徒戦士になり、世界と人々を救うのだ』
――そう、何度も囁かれ続けてきたから。
でも、今にして思えばあれは“導かれた”というより、“誘導された”のかもしれない。
その後、十歳の時に神様から与えられる【ギフト】が原因で、これ幸いと母親と同じ司祭になろうと考えなおした。私の夢を叶えるには、この方法でも大丈夫だとこの時は思っていたからだ。
でも、突如“信託を受けてやってきた”という男性に諭され、私は男性を先生と仰ぎ【聖徒戦士】になるための指導を受けてきた。ちなみに鳩さんの髪飾りは、その“先生”からもらったものだ。
でも、今にして思えばあれも“諭された”というより、“誘導された”気がする……。
そして、その成果を試す日が、とうとうやって来たのである。
(先生は今の私なら大丈夫だと言っていたけど……)
鍛錬のおかげで、それなりに自信がついたのは確か。
でも、それ以上に不安のほうが大きく―― そのため私の足は、なかなか玄関へと向かない。
(でも、主(神様)が私に聖徒戦士になれって言っているし……)
“聖徒戦士になれ”
この神託こそ、私がどうしても聖徒戦士になることから逃げられずに悩み続けている、いちばん大きな理由だった。
しかし――!
ここで悩める私の体に、電流のようなものが走る!!
(そうだ! お腹が痛いことにしよう……! お腹が痛いなら、さすがに休んでも仕方ないよね……?)
病欠―― いや、仮病。
それが、私が思いついた“試験から逃げるための最終手段”だった。
――が、その瞬間。
私の自宅である司祭館に、けたたましいチャイムが鳴り響いた!!
それはまるで、私の企みを見透かした“主の雷”のようだった。
「ひゃうぅ!!」
後ろめたさで胸がきゅっとなる私は、あまりに絶妙すぎるタイミングに涙目になりながら変な声を上げてしまう。
……だが、その正体にすぐ気づいた。
なぜなら――
私が出てこないせいで、ピンポーン! ピンポーン! ピンポーン!と、容赦なくチャイムが連打されたからだ。
この小さな村で、司祭館のチャイムをこんな鳴らし方をする無作法な子は一人しかいない。
親友のリズちゃんだ。
チャイムの連打が一旦止む、私が出くるか様子見に入ったようだ。
その間に私は二階の自室から、静けさを取り戻した司祭館を玄関へ向かって駆け下りた。
ドアを開けると、リュックを背負った小柄な少女が立っていた。
<エリザベス・ピケット(15)>。みんなからは“リズ”と呼ばれている。
「おはよう、ユミハちゃん。早く出かけよう」
彼女は私より少し背が低く、淡い青色の髪はパッツンと切り揃えられている。
外に広がらない直線的なボブを揺らしながら見上げると、ジト目気味の琥珀色の瞳で私を見つめ、無言のまま出発を催促してきた。
(来た!!)
私は例の秘策を決行する。
「お、おはよう…… リズちゃん。あのね、今日はね…… その…… 朝からお腹が痛くて…… それで……」
腹部を押さえて“お腹痛い痛いアピール”をしながら、私は歯切れ悪くリズちゃんに言い訳する。
(うまくいったかな?)
しかし、私のお腹痛いアピールを、リズちゃんはジト目気味の視線で黙って見つめ返してくる。その無言の圧に、私は思わず唾を飲み込む。
胸が不安でぎゅっと縮まる中、私は親友の次の反応を固まったまま待ち続ける。
永遠にも感じられる沈黙の時間――。
……しかし、その静寂はわずか五秒で破られた。
リズちゃんが突然、背をぐっと伸ばし、腕を上げ――
またチャイムを鳴らし始めたのだ。
「いいから、早く行こう! カレンさんが待ってる!!」
再びピンポンを連打しながら、容赦ない催促を続けてくる。
その音は、私の仮病に対する抗議と圧力そのものであった。
つまり――。
(仮病がバレてる~~!!)
リズちゃんとは四年の付き合い。
お互いの考え方も性格も、だいたい分かっている。
だからこそ、彼女には“怖気づいた私の仮病”なんて、即バレだったのだ。
そして私は知っている。
こういう時のリズちゃんは、絶対に引かないこと。
そして―― 私がズルをしようとしたことを、あえて口に出して責めたりしない優しさも。
「わかったから、チャイムを連打するのをやめてよ~。 すぐに荷物をとってくるから~」
慌てて自室に引き返し荷物をつかむと、私は踵を返して玄関へと急いだ。
リズちゃんが待っている場所へ。
「リズちゃん、お待たせ」
「バス停に急ごう。カレンさんが待っている」
「うん!」
玄関の扉に鍵をかけると、私達は駆け足で家を飛び出しバス停へ向かった。
この村では、リズちゃんの家、私の家、バス停、そしてカレンちゃんの家の順に並んでいる。
そのため、カレンちゃんとはいつも通りバス停で合流することになっていた。
聖徒戦士は体力勝負。そのため普段から鍛錬しているので、私とリズちゃんが走ればバス停までは五分もかからない。
バス停に近づくと、カレンちゃんがすでに私たちを待っていた。
その隣には男の人の姿――いや、もう少し近づいてみると誰だかわかった。
二歳年上の<榎森宙弥(えのもりちゅうや)(17)>、宙(ちゅう)ちゃんだ。
遠くて会話の内容までは聞こえなかったけれど、どうやら何か話しているらしい。
「カレンちゃん、宙ちゃん、おはよう~~」
「カレンさん、宙弥さん、おはようございます」
私たちが声をかけると、まず宙ちゃんが挨拶を返してくれた。
「おはよう、ユミハちゃん、リズちゃん」
続いてカレンちゃんも、ぱぁっと笑顔でこちらを向く。
「ユミハちゃん、リズちゃん、おはようぅ~~!」
その明るい声につられて、私も自然と笑顔になる。
カレンちゃん――本名は<井原花蓮(いはら かれん)(15)>。
おしゃれが大好きな女の子で、淡いピンク色の髪を肩にかかるくらいまで伸ばし、横の髪だけを細く三つ編みにして後ろでまとめている。三つ編みハーフアップボブというらしい。
私はおしゃれに疎いのでよくわからないが、服装も可愛いということだけはわかる。
「僕のギフトなんて、大したものじゃなかったのに…… それでも受かったんだ。みんななら絶対大丈夫だよ。頑張って!」
宙ちゃんは苦笑しながら励ましてくれるが、私はその笑顔に少し引っかかりを覚える……
「宙弥君、そう自分を卑下するのは良くないわ――よぉ?」
そんな宙ちゃんにカレンちゃんが、私の胸の中のもやっとした気持ちをそのまま言葉にしてくれた。
「きみってぇ、ギフトで人生を決める人が多い中でぇ、その恩恵がなくても聖徒戦士を目指してぇ…… 努力で合格と卒業まで掴んだんだもん、カレンはすっごく偉いと思うよぉ?」
宙ちゃんは頑張って聖徒戦士になれたんだから、卑屈にならずに自信を持ってほしいと思ったのだ。
「そうだよ、宙弥さん!私だったら、別の職業を目指しているよ! 何を目指したかわかんないけどっ!」
(リズちゃんの言う通りだよ! 私も五年前にそれで諦めようと考えたんだもん……)
私も五年前のギフト授与で外れギフトを与えられ、諦めて司祭になろうと考えた。
怖かったのもあるけど……
それでも、私がもう一度聖徒戦士を目指そうと思った理由の一つは……
「宙ちゃんが、ハズレギフトでも聖徒戦士になるために、毎日毎日鍛錬を頑張っている姿を見たから…… 私も頑張ろうって思ったんだよ!」
今まで言えなかった感謝の気持ちを、思わずそのまま口に出していた。
「みんな、ありがとう……」
宙ちゃんは少し照れくさそうに微笑むと、頭を掻きながら言葉を続ける。
「それにしても、みんなを励ますつもりが、逆に励まされるなんて……」
その言葉に、まずカレンちゃんがすかさず入る。
「確かに、そこは年上としてもっと配慮のある会話ができるべき―― だと思うよぉ?」
容赦がない。
そして続くリズちゃん。
「それは、宙弥さんがヲタクで、会話慣れしてないから仕方ないんだよね!」
トドメの一撃だった。
「あっ…… はい。なんか…… ごめん……」
カレンちゃんの遠慮ゼロの指摘と、リズちゃんのフォローになってないフォローが重なって、宙ちゃんのメンタルはみるみる削られていくのだった。
神と魔法と科学が共存する世界。
唯一神を信仰する【ハギオス教教会】が人類社会を導き、
魔王率いる【魔のモノ】と戦う【聖徒戦士】たちが人々を守っていた。
その【聖徒戦士】を目指す少女――
主人公の一人、<ユミハ・H・ハスキン(15)>も、例外ではなかった。
#####
(……試験、行きたくないな)
鏡を見つめながら、私は「はぁ~」と息を吐く。
今日だけで何度目のため息だろう。
鏡の中の私は眉がハの字のままで、蒼い瞳もやけに薄く見える。
いつもなら心地よい朝のそよ風も、白金色の髪をただ不安に揺らす。
私は“先生”にもらった白い鳩の髪留めをそっとつけた。
お気に入りのはずなのに、今はその鳩さんも沈んでいるように見える。
今日は【聖徒戦士養成学校】の入試の日。
けれど私は、ここへ来て急に怖くなっていた。
三歳の頃から夢の中で聞いてきた“あの声”がなければ、きっと選ばなかった道だ。
本当は―― いや、むしろできることなら聖徒戦士になんてなりたくない。
なぜなら、聖徒戦士の戦場は魔界。
つまり【魔のモノ】と命を賭けて戦う仕事だ。
そんなの怖くて無理だ……
それでも私が聖徒戦士を目指すことになったのは、幼い頃から夢の中で暖かな光に、『ユミハよ。聖徒戦士になり、世界と人々を救うのだ』
――そう、何度も囁かれ続けてきたから。
でも、今にして思えばあれは“導かれた”というより、“誘導された”のかもしれない。
その後、十歳の時に神様から与えられる【ギフト】が原因で、これ幸いと母親と同じ司祭になろうと考えなおした。私の夢を叶えるには、この方法でも大丈夫だとこの時は思っていたからだ。
でも、突如“信託を受けてやってきた”という男性に諭され、私は男性を先生と仰ぎ【聖徒戦士】になるための指導を受けてきた。ちなみに鳩さんの髪飾りは、その“先生”からもらったものだ。
でも、今にして思えばあれも“諭された”というより、“誘導された”気がする……。
そして、その成果を試す日が、とうとうやって来たのである。
(先生は今の私なら大丈夫だと言っていたけど……)
鍛錬のおかげで、それなりに自信がついたのは確か。
でも、それ以上に不安のほうが大きく―― そのため私の足は、なかなか玄関へと向かない。
(でも、主(神様)が私に聖徒戦士になれって言っているし……)
“聖徒戦士になれ”
この神託こそ、私がどうしても聖徒戦士になることから逃げられずに悩み続けている、いちばん大きな理由だった。
しかし――!
ここで悩める私の体に、電流のようなものが走る!!
(そうだ! お腹が痛いことにしよう……! お腹が痛いなら、さすがに休んでも仕方ないよね……?)
病欠―― いや、仮病。
それが、私が思いついた“試験から逃げるための最終手段”だった。
――が、その瞬間。
私の自宅である司祭館に、けたたましいチャイムが鳴り響いた!!
それはまるで、私の企みを見透かした“主の雷”のようだった。
「ひゃうぅ!!」
後ろめたさで胸がきゅっとなる私は、あまりに絶妙すぎるタイミングに涙目になりながら変な声を上げてしまう。
……だが、その正体にすぐ気づいた。
なぜなら――
私が出てこないせいで、ピンポーン! ピンポーン! ピンポーン!と、容赦なくチャイムが連打されたからだ。
この小さな村で、司祭館のチャイムをこんな鳴らし方をする無作法な子は一人しかいない。
親友のリズちゃんだ。
チャイムの連打が一旦止む、私が出くるか様子見に入ったようだ。
その間に私は二階の自室から、静けさを取り戻した司祭館を玄関へ向かって駆け下りた。
ドアを開けると、リュックを背負った小柄な少女が立っていた。
<エリザベス・ピケット(15)>。みんなからは“リズ”と呼ばれている。
「おはよう、ユミハちゃん。早く出かけよう」
彼女は私より少し背が低く、淡い青色の髪はパッツンと切り揃えられている。
外に広がらない直線的なボブを揺らしながら見上げると、ジト目気味の琥珀色の瞳で私を見つめ、無言のまま出発を催促してきた。
(来た!!)
私は例の秘策を決行する。
「お、おはよう…… リズちゃん。あのね、今日はね…… その…… 朝からお腹が痛くて…… それで……」
腹部を押さえて“お腹痛い痛いアピール”をしながら、私は歯切れ悪くリズちゃんに言い訳する。
(うまくいったかな?)
しかし、私のお腹痛いアピールを、リズちゃんはジト目気味の視線で黙って見つめ返してくる。その無言の圧に、私は思わず唾を飲み込む。
胸が不安でぎゅっと縮まる中、私は親友の次の反応を固まったまま待ち続ける。
永遠にも感じられる沈黙の時間――。
……しかし、その静寂はわずか五秒で破られた。
リズちゃんが突然、背をぐっと伸ばし、腕を上げ――
またチャイムを鳴らし始めたのだ。
「いいから、早く行こう! カレンさんが待ってる!!」
再びピンポンを連打しながら、容赦ない催促を続けてくる。
その音は、私の仮病に対する抗議と圧力そのものであった。
つまり――。
(仮病がバレてる~~!!)
リズちゃんとは四年の付き合い。
お互いの考え方も性格も、だいたい分かっている。
だからこそ、彼女には“怖気づいた私の仮病”なんて、即バレだったのだ。
そして私は知っている。
こういう時のリズちゃんは、絶対に引かないこと。
そして―― 私がズルをしようとしたことを、あえて口に出して責めたりしない優しさも。
「わかったから、チャイムを連打するのをやめてよ~。 すぐに荷物をとってくるから~」
慌てて自室に引き返し荷物をつかむと、私は踵を返して玄関へと急いだ。
リズちゃんが待っている場所へ。
「リズちゃん、お待たせ」
「バス停に急ごう。カレンさんが待っている」
「うん!」
玄関の扉に鍵をかけると、私達は駆け足で家を飛び出しバス停へ向かった。
この村では、リズちゃんの家、私の家、バス停、そしてカレンちゃんの家の順に並んでいる。
そのため、カレンちゃんとはいつも通りバス停で合流することになっていた。
聖徒戦士は体力勝負。そのため普段から鍛錬しているので、私とリズちゃんが走ればバス停までは五分もかからない。
バス停に近づくと、カレンちゃんがすでに私たちを待っていた。
その隣には男の人の姿――いや、もう少し近づいてみると誰だかわかった。
二歳年上の<榎森宙弥(えのもりちゅうや)(17)>、宙(ちゅう)ちゃんだ。
遠くて会話の内容までは聞こえなかったけれど、どうやら何か話しているらしい。
「カレンちゃん、宙ちゃん、おはよう~~」
「カレンさん、宙弥さん、おはようございます」
私たちが声をかけると、まず宙ちゃんが挨拶を返してくれた。
「おはよう、ユミハちゃん、リズちゃん」
続いてカレンちゃんも、ぱぁっと笑顔でこちらを向く。
「ユミハちゃん、リズちゃん、おはようぅ~~!」
その明るい声につられて、私も自然と笑顔になる。
カレンちゃん――本名は<井原花蓮(いはら かれん)(15)>。
おしゃれが大好きな女の子で、淡いピンク色の髪を肩にかかるくらいまで伸ばし、横の髪だけを細く三つ編みにして後ろでまとめている。三つ編みハーフアップボブというらしい。
私はおしゃれに疎いのでよくわからないが、服装も可愛いということだけはわかる。
「僕のギフトなんて、大したものじゃなかったのに…… それでも受かったんだ。みんななら絶対大丈夫だよ。頑張って!」
宙ちゃんは苦笑しながら励ましてくれるが、私はその笑顔に少し引っかかりを覚える……
「宙弥君、そう自分を卑下するのは良くないわ――よぉ?」
そんな宙ちゃんにカレンちゃんが、私の胸の中のもやっとした気持ちをそのまま言葉にしてくれた。
「きみってぇ、ギフトで人生を決める人が多い中でぇ、その恩恵がなくても聖徒戦士を目指してぇ…… 努力で合格と卒業まで掴んだんだもん、カレンはすっごく偉いと思うよぉ?」
宙ちゃんは頑張って聖徒戦士になれたんだから、卑屈にならずに自信を持ってほしいと思ったのだ。
「そうだよ、宙弥さん!私だったら、別の職業を目指しているよ! 何を目指したかわかんないけどっ!」
(リズちゃんの言う通りだよ! 私も五年前にそれで諦めようと考えたんだもん……)
私も五年前のギフト授与で外れギフトを与えられ、諦めて司祭になろうと考えた。
怖かったのもあるけど……
それでも、私がもう一度聖徒戦士を目指そうと思った理由の一つは……
「宙ちゃんが、ハズレギフトでも聖徒戦士になるために、毎日毎日鍛錬を頑張っている姿を見たから…… 私も頑張ろうって思ったんだよ!」
今まで言えなかった感謝の気持ちを、思わずそのまま口に出していた。
「みんな、ありがとう……」
宙ちゃんは少し照れくさそうに微笑むと、頭を掻きながら言葉を続ける。
「それにしても、みんなを励ますつもりが、逆に励まされるなんて……」
その言葉に、まずカレンちゃんがすかさず入る。
「確かに、そこは年上としてもっと配慮のある会話ができるべき―― だと思うよぉ?」
容赦がない。
そして続くリズちゃん。
「それは、宙弥さんがヲタクで、会話慣れしてないから仕方ないんだよね!」
トドメの一撃だった。
「あっ…… はい。なんか…… ごめん……」
カレンちゃんの遠慮ゼロの指摘と、リズちゃんのフォローになってないフォローが重なって、宙ちゃんのメンタルはみるみる削られていくのだった。
0
あなたにおすすめの小説
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
R・P・G ~転生して不死にされた俺は、最強の英雄たちと滅ぼすはずだった異世界を統治する~
イット
ファンタジー
オカルト雑誌の編集者として働いていた瀬川凛人(40)は、怪現象の取材中、異世界の大地の女神と接触する。
そのまま半ば強制的に異世界へと転生させられた彼は、惑星そのものと同化し、“星骸の主”として不死の存在へと変貌した。
だが女神から与えられた使命は、この世界の生命を滅ぼし、星を「リセット」すること。
凛人はその命令を、拒否する。
不死であっても無敵ではない。
戦いでは英雄王に殴り倒される始末。しかし一つ選択を誤れば国が滅びる危うい存在。
それでも彼は、星を守るために戦う道を選んだ。
女神の使命を「絶対拒否」する不死者と、裏ボス級の従者たち。
これは、世界を滅ぼさず、統治することを選んだ男の英雄譚である。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる