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第一章 乱世到来
豹変
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ある方によく似ている――。
月光の下、冷たい色をしたシンの頬が一瞬こわばった。
「……ばかばかしい」
それだけつぶやくと、シンは立ち上がった。馬につけてあった荷から縄を取ってきてファーリアの手首に巻く。
「わたしは逃げないわ」
「信用できない。こうでもしないと、俺が眠れない」
シンは縄の端を輪にして自らの手首に巻き付け、もう片方の腕に剣を抱いて、ファーリアの隣に横になった。
「寝ろ。すぐ夜が明ける」
シンの言葉通り、二時間もすると空が明るくなってきた。
目を閉じても様々な思いが渦巻いて、ふたりともあまり眠れないまま朝を迎えた。
その小さな集落に着いたのは、昼過ぎのことだった。
オアシスのまわりにはささやかながらナツメヤシなどの植物が生え、牧畜も行われていた。住民はそれらの作物を糧にしながら、交易路を行き来する旅人相手に宿や食事を提供していた。
宿の主人は、駱駝に乗ったファーリアの縄を巻かれた手元をちらりと見て言った。
「奴隷は馬屋でいいですかい?」
「いや、二人用の部屋にしてくれ」
「はいよ」
宿の主人は訳知り顔でにやりとした。そういう目的で、若い女の奴隷を連れている旅人は少なくない。
と、にわかに通りが騒がしくなった。ざわめきに混じって、取り乱して泣き叫ぶ声も聞こえる。
見ると、二台の荷車が近づいてくるところだった。泣きながら追いすがる女と、それをなだめるように付き添う女たちが目立っているが、他にも何人もの村人が荷台を取り巻いている。皆一様に沈痛な面持ちだ。
「……あれは?」
「ああ、気味悪いもんを見せちまって。ゆうべ、サバクオオカミにやられたんでさ。次の市で売るはずの羊をやられちゃかなわねえってんで見回りに出たらしいんだが、群れのほうがでかかった」
宿の主人が説明するうちに、荷車は宿のすぐ横の空き地に停まった。
その荷台の上に積まれたものを見て、シンは突然、胃が締め付けられるような不快感に襲われた。荷台には、あちこち血の滲んだ袋が幾つも積まれていたのだ。
「ひでえ有様でさ。七人も喰い殺していきやがった。なに、夕方には引き取り手が来まさあ、気にしないでくだせえ」
袋の中身がなんなのか、宿の主人は言わなかった。だがそれだけ聞けば容易に想像がつく。
「なんで……袋に……?」
シンの問いに、宿の主人は苦い顔で首を振った。
「……とても見られたもんじゃねえ」
シンはふらりとよろめいて、そのまま壁に寄りかかった。息をうまく吸い込めずに、何度も深呼吸する。
「どうしたの?」
異変に気づいたファーリアが声をかけたが、シンの耳には届いていないようだった。
「お客さん?ちょっと」
宿の主人の呼びかけにも当然反応せず、ふらふらとシンは空き地へと向かった。どこか虚ろな眼と投げやりな足どりは、なにかに操られているようにも見えた。群がる人々を乱暴にかきわけ、荷台に近づいていく。
「おい」
「なんだ、あんた」
シンに押しやられた村人たちが声を上げたが、シンはやはり何も聞こえていないかのように進んだ。
シンは暗闇の中にいた。
周囲を敵に囲まれている。彼らは身長がシンの倍ほどもあり、皆うるさいほどの声で何か言っているが、自分の鼓動の方が大きくて聞き取れない。
敵兵たちの向こうに、大きな袋が見える。
その袋の中身を確かめなければ。
シンは人の波を押し分けて、泳ぐように進んだ。なかなか進まないのがもどかしい。
ようやく袋にたどりつき、袋の口を縛った紐に手をかけた。が、兵士たちの手が無数に伸びてきて、シンの邪魔をしてくる。兵士の一人がシンを羽交い締めにした。
そこで、シンは気がついた。自分の両手がぬめりのある液体で濡れていることに。
シンは自分を取り押さえている腕を振り払い、無我夢中で袋に取り付いた。
袋は、血にまみれていた。中には、何かやわらかくてあたたかいものが入っている。
シンは知っている。その中身を。もはや原型を留めていないであろう、ぐんにゃりとつぶれ、やぶれた皮膚から内臓と体液をはみ出させ、あらゆる骨が折れて不自然に折れ曲がった――。
「……ぅあああああ!!!」
シンは叫びながら、荷台に積まれた遺体の袋を次々に開けだした。
「おい!お前、何してる!?」
「やめろ!!おい、誰か!」
「やめてえぇ!いやぁあ!」
男たちが慌てて制止し、女たちは金切り声を上げた。
シンは数人がかりで取り押さえられた。
「あああ、なんてことを……!」
頭を抱えた宿の主人の横を、ファーリアがすり抜けた。
「きゃあっ!!」
空き地から女の叫び声がした。シンが剣を抜いたのだ。
シンを囲んでいた男たちも、一斉にシンから距離を取った。
「なんだてめえ……どういうつもりだ!」
「おい、誰か自警団呼んでこい」
武装した自警団を呼ぶために駆け出した男を、ファーリアが止めた。
「その必要はない」
ファーリアはするりと人垣を抜けてシンの背後に回り込むと、縛られたままの両手をまっすぐ合わせて、シンの首筋に手刀を打ち込んだ。鮮やかな一撃だった。
「――っ」
がくんと膝を折ったシンを抱きとめてその場に寝かせ、落ちた剣で縄を切る。
「わたしの連れだ。すまなかった」
ファーリアは詫びを言ったが、村人たちの憤りは収まらなかった。
「ふざけるな!死者をなんだと思ってる!」
「そいつをたたき起こして説明させろ!」
気絶したシンとファーリアに向けて罵声が飛ぶ。
「その男は頭がおかしいんだよ。魔物に取り憑かれているんだ!」
そんなことを言い出す年寄りまで出てきた。
「彼は――」
言いかけて、ファーリアは疑問に思った。どうしてシンはあんなことをしたのだろう。
「――ずっと砂漠を旅してきて、少し朦朧としていたんだ。許してくれ」
ファーリアはあたふたと現れた宿の主人と共に、シンの両肩を担ぎあげた。
「逃げる気か!?」
空き地を去りかけた三人に村の男が怒鳴った。
「ああ、それと――」
ファーリアがふと思い出したように振り向いた。
「昨夜わたしたちの野営地がサバクオオカミの群れに襲われて、半数以上は殺した。数頭逃したが、小さかったからどれも子供だと思う」
ざわ、と動揺が広がり、村人たちは互いに顔を見合わせた。サバクオオカミ数匹ならまだしも、巨大な群れは集落の天敵になりかねない。それを撃退したというならば本来大いに感謝すべきところだが、たった今起きたできごとへの怒りとの折り合いがつけられない。村人たちは戸惑い、そのすきに三人は足早にその場を離れた。
「やれやれ、あんた一体、何者だい」
失神したシンを部屋に運び入れると、宿の主人は呆れた顔でファーリアをまじまじと見た。
「昔、軍にいたことがあるだけだ」
「じゃあ、サバクオオカミをやっつけたってのも?」
「疑うなら、死骸がまだ残っているはずだ。ここから南西に五時間ほど行ったところだ」
それを聞いた宿の主人は、ため息をついて首を振った。
「まったく、とんだ騒ぎを起こしてくれたもんだ。このぶんだとすぐに噂になっちまうよ。ああ困った」
「明日の朝には出ていく。お願い、朝まではここに置いてほしい」
気絶したシンは間もなく目覚めるだろう。だがファーリアは、先程のシンの様子が気になっていた。
(荷車を見てからだ……一体何が、彼を突き動かしたのだろう)
明らかに様子がおかしかった。魔物に取り憑かれている、と言った者がいたが、確かになにかに憑かれたようだった。目覚めたからといって、すぐに正常に行動できるかどうかもわからない。
「宿代なんていらないから、すぐにでも出ていってくれって言いたいところだけどねぇ」
宿の主人はちらりと寝台の上のシンを見た。
「まあ、あの様子じゃそうもいかないだろうからね。くれぐれも外には出るんじゃないよ。死者を穢されて気が立った奴らが何するか、わかったもんじゃない」
「……わかった」
ファーリアは素直にうなずいた。宿の主人はそそくさと出ていきかけて、ドアのところでためらいがちに振り返った。
「必要なもんがあったら、代わりに買ってきてやるから」
「ありがとう」
ファーリアは軽く微笑んだ。
月光の下、冷たい色をしたシンの頬が一瞬こわばった。
「……ばかばかしい」
それだけつぶやくと、シンは立ち上がった。馬につけてあった荷から縄を取ってきてファーリアの手首に巻く。
「わたしは逃げないわ」
「信用できない。こうでもしないと、俺が眠れない」
シンは縄の端を輪にして自らの手首に巻き付け、もう片方の腕に剣を抱いて、ファーリアの隣に横になった。
「寝ろ。すぐ夜が明ける」
シンの言葉通り、二時間もすると空が明るくなってきた。
目を閉じても様々な思いが渦巻いて、ふたりともあまり眠れないまま朝を迎えた。
その小さな集落に着いたのは、昼過ぎのことだった。
オアシスのまわりにはささやかながらナツメヤシなどの植物が生え、牧畜も行われていた。住民はそれらの作物を糧にしながら、交易路を行き来する旅人相手に宿や食事を提供していた。
宿の主人は、駱駝に乗ったファーリアの縄を巻かれた手元をちらりと見て言った。
「奴隷は馬屋でいいですかい?」
「いや、二人用の部屋にしてくれ」
「はいよ」
宿の主人は訳知り顔でにやりとした。そういう目的で、若い女の奴隷を連れている旅人は少なくない。
と、にわかに通りが騒がしくなった。ざわめきに混じって、取り乱して泣き叫ぶ声も聞こえる。
見ると、二台の荷車が近づいてくるところだった。泣きながら追いすがる女と、それをなだめるように付き添う女たちが目立っているが、他にも何人もの村人が荷台を取り巻いている。皆一様に沈痛な面持ちだ。
「……あれは?」
「ああ、気味悪いもんを見せちまって。ゆうべ、サバクオオカミにやられたんでさ。次の市で売るはずの羊をやられちゃかなわねえってんで見回りに出たらしいんだが、群れのほうがでかかった」
宿の主人が説明するうちに、荷車は宿のすぐ横の空き地に停まった。
その荷台の上に積まれたものを見て、シンは突然、胃が締め付けられるような不快感に襲われた。荷台には、あちこち血の滲んだ袋が幾つも積まれていたのだ。
「ひでえ有様でさ。七人も喰い殺していきやがった。なに、夕方には引き取り手が来まさあ、気にしないでくだせえ」
袋の中身がなんなのか、宿の主人は言わなかった。だがそれだけ聞けば容易に想像がつく。
「なんで……袋に……?」
シンの問いに、宿の主人は苦い顔で首を振った。
「……とても見られたもんじゃねえ」
シンはふらりとよろめいて、そのまま壁に寄りかかった。息をうまく吸い込めずに、何度も深呼吸する。
「どうしたの?」
異変に気づいたファーリアが声をかけたが、シンの耳には届いていないようだった。
「お客さん?ちょっと」
宿の主人の呼びかけにも当然反応せず、ふらふらとシンは空き地へと向かった。どこか虚ろな眼と投げやりな足どりは、なにかに操られているようにも見えた。群がる人々を乱暴にかきわけ、荷台に近づいていく。
「おい」
「なんだ、あんた」
シンに押しやられた村人たちが声を上げたが、シンはやはり何も聞こえていないかのように進んだ。
シンは暗闇の中にいた。
周囲を敵に囲まれている。彼らは身長がシンの倍ほどもあり、皆うるさいほどの声で何か言っているが、自分の鼓動の方が大きくて聞き取れない。
敵兵たちの向こうに、大きな袋が見える。
その袋の中身を確かめなければ。
シンは人の波を押し分けて、泳ぐように進んだ。なかなか進まないのがもどかしい。
ようやく袋にたどりつき、袋の口を縛った紐に手をかけた。が、兵士たちの手が無数に伸びてきて、シンの邪魔をしてくる。兵士の一人がシンを羽交い締めにした。
そこで、シンは気がついた。自分の両手がぬめりのある液体で濡れていることに。
シンは自分を取り押さえている腕を振り払い、無我夢中で袋に取り付いた。
袋は、血にまみれていた。中には、何かやわらかくてあたたかいものが入っている。
シンは知っている。その中身を。もはや原型を留めていないであろう、ぐんにゃりとつぶれ、やぶれた皮膚から内臓と体液をはみ出させ、あらゆる骨が折れて不自然に折れ曲がった――。
「……ぅあああああ!!!」
シンは叫びながら、荷台に積まれた遺体の袋を次々に開けだした。
「おい!お前、何してる!?」
「やめろ!!おい、誰か!」
「やめてえぇ!いやぁあ!」
男たちが慌てて制止し、女たちは金切り声を上げた。
シンは数人がかりで取り押さえられた。
「あああ、なんてことを……!」
頭を抱えた宿の主人の横を、ファーリアがすり抜けた。
「きゃあっ!!」
空き地から女の叫び声がした。シンが剣を抜いたのだ。
シンを囲んでいた男たちも、一斉にシンから距離を取った。
「なんだてめえ……どういうつもりだ!」
「おい、誰か自警団呼んでこい」
武装した自警団を呼ぶために駆け出した男を、ファーリアが止めた。
「その必要はない」
ファーリアはするりと人垣を抜けてシンの背後に回り込むと、縛られたままの両手をまっすぐ合わせて、シンの首筋に手刀を打ち込んだ。鮮やかな一撃だった。
「――っ」
がくんと膝を折ったシンを抱きとめてその場に寝かせ、落ちた剣で縄を切る。
「わたしの連れだ。すまなかった」
ファーリアは詫びを言ったが、村人たちの憤りは収まらなかった。
「ふざけるな!死者をなんだと思ってる!」
「そいつをたたき起こして説明させろ!」
気絶したシンとファーリアに向けて罵声が飛ぶ。
「その男は頭がおかしいんだよ。魔物に取り憑かれているんだ!」
そんなことを言い出す年寄りまで出てきた。
「彼は――」
言いかけて、ファーリアは疑問に思った。どうしてシンはあんなことをしたのだろう。
「――ずっと砂漠を旅してきて、少し朦朧としていたんだ。許してくれ」
ファーリアはあたふたと現れた宿の主人と共に、シンの両肩を担ぎあげた。
「逃げる気か!?」
空き地を去りかけた三人に村の男が怒鳴った。
「ああ、それと――」
ファーリアがふと思い出したように振り向いた。
「昨夜わたしたちの野営地がサバクオオカミの群れに襲われて、半数以上は殺した。数頭逃したが、小さかったからどれも子供だと思う」
ざわ、と動揺が広がり、村人たちは互いに顔を見合わせた。サバクオオカミ数匹ならまだしも、巨大な群れは集落の天敵になりかねない。それを撃退したというならば本来大いに感謝すべきところだが、たった今起きたできごとへの怒りとの折り合いがつけられない。村人たちは戸惑い、そのすきに三人は足早にその場を離れた。
「やれやれ、あんた一体、何者だい」
失神したシンを部屋に運び入れると、宿の主人は呆れた顔でファーリアをまじまじと見た。
「昔、軍にいたことがあるだけだ」
「じゃあ、サバクオオカミをやっつけたってのも?」
「疑うなら、死骸がまだ残っているはずだ。ここから南西に五時間ほど行ったところだ」
それを聞いた宿の主人は、ため息をついて首を振った。
「まったく、とんだ騒ぎを起こしてくれたもんだ。このぶんだとすぐに噂になっちまうよ。ああ困った」
「明日の朝には出ていく。お願い、朝まではここに置いてほしい」
気絶したシンは間もなく目覚めるだろう。だがファーリアは、先程のシンの様子が気になっていた。
(荷車を見てからだ……一体何が、彼を突き動かしたのだろう)
明らかに様子がおかしかった。魔物に取り憑かれている、と言った者がいたが、確かになにかに憑かれたようだった。目覚めたからといって、すぐに正常に行動できるかどうかもわからない。
「宿代なんていらないから、すぐにでも出ていってくれって言いたいところだけどねぇ」
宿の主人はちらりと寝台の上のシンを見た。
「まあ、あの様子じゃそうもいかないだろうからね。くれぐれも外には出るんじゃないよ。死者を穢されて気が立った奴らが何するか、わかったもんじゃない」
「……わかった」
ファーリアは素直にうなずいた。宿の主人はそそくさと出ていきかけて、ドアのところでためらいがちに振り返った。
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