雨上がりには

Two-dragon

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第二章 未来

24話 一新(1)

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(あれから2年かぁ…)

涼一は海を眺めて思った。
今年の夏も砂浜は水着姿の人で賑わっている。

2年前、里奈から別れを告げられ一人になった。律子には公園で会って以来連絡していない。里奈は今年の初め会社を辞めた。別れてしばらくしてから見合いをしたらしく、その相手との結婚が理由だった。

退職前、会社のエレベーターで里奈と偶然一緒になり少し話した。

「涼ちゃん…元気?」

「うん。元気だよ」

「年が明けたら私結婚するんだよー」

「え?そうなの?」

「うん。別れたあと親が私を心配して見合いを勧められたの。で、渋々合ってみたら凄くいい人で」

「そうだったんだ…」

「うん。涼ちゃんと別れてから凄く辛かったけど、今は幸せだよ」

「そっか…おめでとう」

「ありがとう。涼ちゃんは?律子さんと?」

「いや、俺が勝手に想ってるだけだから…」

「そっか…私は連絡してみたらいいと思うけどな…。それと涼ちゃん。もう遅いけど、涼ちゃんに隠してたことがあるの」

「え?何?」

「涼ちゃんが入院してた時、高橋さんって人が見舞いに来たの覚えてる?」

「ああ、覚えてるよ、花束の」

「そう。私あの時涼ちゃんに嘘をついたの」

「ん?どういうこと?」

「たぶん、高橋さんって律子さんだったと思う」

「え?」

「看護師さんに聞いた特徴が律子さんだった。涼ちゃんがそのことを知って律子さんに連絡取るのが怖くて嘘をついたの…。でも、結局ダメだったけどね…」

「里奈、ごめん…」

「え?嘘をついたの私だよ?涼ちゃんは悪くない…」

「いや、俺が不安にさせてたんだ…里奈を幸せにできなかった…ごめん」

「私も…涼ちゃんに相応しい彼女になれなかった…ごめんさなさい」

「里奈。幸せになってね…」

「うん、ありがとう…涼ちゃんもね!」

ふたりの気持ちは間違いなく本当だったと涼一は思った。

「じゃあね涼ちゃん」

「うん。じゃあ」

里奈は笑顔で手を振った。





里奈が言ったこと思い出し、さんざん迷って律子に電話をかけてみることにした。

(この電話番号は現在使われておりません)

「はぁ…」

上手くなった溜息をついて車は走り出した。

涼一も新しい生活に馴染んできていた。仕事も順調で春の人事で主任になった。今まで住んでいた1Kの部屋も1LDKに引っ越した。エアコンが壊れる外車はやめて、国産のセダンに乗り換えた。全てが順調に流れていく時間の中で律子の事だけが気になっていた。

(電話番号が変わってるし、もう会えないかもしれないな…)

国産車のエアコンは素晴らしく、夏の暑さを忘れさせてくれる。

(律子にも里奈にも随分辛い思いをさせてしまった…だからこそ誰よりも幸せになって欲しい
そう…誰よりも)

涼一はそう思った。
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