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78話 黒曜石村の殺人 ⑥:2
ここは黒曜石村旅館・宴会場。
和室で炎を使った為、火災報知器が作動した。
「そりゃそうだよなぁ……ッ!!」
火災報知器が鳴り、スプリンクラーが作動。
幸いなことに食事は各自部屋に持ってきてくれる予定だった。
食べ物が駄目にならなくて済んだが……。
「何事ですか!?」
旅館の女将さんが慌てて駆けつけてくれた。
どういうか困っていると憧礼神具がヘドロに耳打ちした。
誤魔化せ、ということらしい。
「すみません……煙草を吸ったらスプリンクラーが作動して」
「え!?あ、喫煙はその……あれ?」
女将が壁に日焼けの跡がある箇所を見つめた。
あそこに禁煙って書いてなかったか?
誰かが緊急で外したのかも。魔法で。
「どうされました?」
「禁煙の看板がありません、もしかしたら地震で取れてしまったのかも」
「うちのバカ医者が騒ぎ起こしてすみません!!」
「いえいえ!?こちらこそ禁煙の看板に不手際があり申し訳ありませんでした。皆さま、お部屋のクローゼットには必ず浴衣が入っておりますので遠慮なく使って下さいね」
「進行役として言うぞ、全員一度着替えて来い、それから続きな」
こうしてシングと共に天の部屋へ。
先ほど言われた通りクローゼットを開けると浴衣。
万が一のことを考えて動きにくい浴衣は避けて持って来た服に着替える。
「浴衣着ねぇの?」
「……今度はお前を咄嗟に止められる服でいたいから」
シングに銃を向けられた時、動けなかった理由がある。
驚いたのもあるが浴衣ですぐ立ち上がれなかった。
事件だったらと考えると恐ろしい。
※大元正義は浴衣のサイズを2段階上のサイズと間違えて着ていた為、自分の浴衣を踏んでしまっただけ
「ん?」
「どうしたシング?」
「お前、荷物多いな……」
「そもそも二泊三日だし着替えだけでもかさばるからな」
「着替えだけ?」
「一応、万が一の為に警察官の制服も持って来てはいる」
「……そんじゃ、着替えたし戻ろうぜ」
パンッッッ!!!!!!!!!!!!!
突如、庭のほうから音がした。
耳が正しければ銃声に近い。
「え!?」
「は!?」
「……何をした?」
「俺じゃないけど!?」
この反応、本当にシングっぽくない。
部屋は庭に出られる作りになっている。
本当でも嘘でも銃声だったらまずいと思いシングを連れて外へ。
枯山水を踏み越えてその向こうを確認。
崖だが、なにやら時計と……。
「これ何だ?紙?」
「クラッカーだな」
アナログ時計を利用した音爆弾。
怪我人さえいないイタズラでほっとした。
イタズラの犯人には怒りが湧いたが相手がフォロワーズ、文句を言うのも控えるほうが無難である。
もしかして憧礼神具がこれをやった犯人をつきとめるのを期待しているのかも。
隣の部屋にいたヘドロ、さらにその隣にいたプッシーとチーターも集まってきた。
「何があった!?」
「銃声!?」
「警官か!?」
俺たちはあきれた感じでクラッカーを見せた。
「イタズラだよ」
「やったとすればパンドラやノイズの可能性が高そうだね~」
つまり、プッシーではない?
「あいつらシングの推理してるところ見たくて仕方ないって感じだもんな」
チーターも苦笑い、彼もどうにも違う。
というかイタズラだし別に俺は暴かなくても良いか。
何ならシングも、あきれ顔でヘドロのポケットにゴミをつめこんだ。
「こんなのの犯人捜しとかどうでもいいでしょ、宴会場戻ろ?」
プッシーの意見には皆賛成だった。
「そういやヘドロってアディクションと同じ部屋だよな?」
確かに、いないな?
「アディクションならさっさと着替えて宴会場に戻った」
「男なんて【普通】ならそんなもんか」
各自部屋に一度戻った。
シングが頭を抱えている。
痛い訳ではない様子。
「まさか……」
「どうした?」
「いや、パンドラの荷物が気になって」
「荷物?」
「出会った時、今つきましたって状態だったろ?」
「俺らを出迎えた感じだったな」
「良子さんとパンドラって仲いいと思うか?」
「いや……」
パンドラは何というか全体的にあまり良く思われてなさそう。
さっき泥棒を告白されたから。
二人で一緒だったとはいえ、相手は良子さん。
良子さんと誰かの仲が良くなることは無さそう。
だからどうという話が見えん。
「良子さんのスーツケースは普通だ、二泊三日だからな」
「そりゃ二泊三日だから」
「パンドラは二泊三日する気がまるで無い荷物じゃなかったか?」
「あっ!?」
まさかさっきの音爆弾はおとり……!?
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