【魔法使い】と【死にたがり探偵】~マイナス千点のミステリー~

宝者来価

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19話 高橋さんは一般人

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『五角島で起きた殺人事件、犯人が自殺していたことが分かりました』

 テレビのニュースが流れる、私は愛する猫の『メリゼ』を撫でる。

「もー二度とめりちゃんが恐い目に遭わないようにするからねぇ!!」
「にゃー」
「あれ、テレビに写っている人……」

 メリゼを見つけた探偵さんだ。まさか彼が犯人を特定したのだろうか。まるでミステリー小説の探偵。でもそんなまさか。

「いやいや」

 高橋桜子(たかはしさくらこ)は思った【ある訳ない】と。
 働いているスーパーのバックヤードで人々が話す。
 島で何があったのか、超人気な芸能人が入院した原因はなんだったのかと噂はつきない。

「銃で自殺したらしいよ」
「中田さんいつもその情報網どうなってるの?」
「ちょとコネ、現場にいた探偵に追い詰められたかもしれないって」
「憧礼さん?」
「そう、っていうより探偵を殺そうとしたけど銃が暴発したらしい」
「……憧礼さんに怪我とかって」
「あるわけないよ」

 あるわけない?まるで憧礼神具さんは怪我をしないかのような言い方だ。実は憧礼神具さんは現場にいなかった可能性もある。
 噂ばかりでどれが真相か分からない。鵜呑みはよくない。

「えーと、憧礼さんと友達とかなの?」
「会ったことあるけど違うかな、高橋さん憧礼さんの知り合い?」
「んー昔お世話になった人、かな」
「聞かせて!!」
「え、いや……それはちょっと」

 探偵の仕事を言いふらさないことを約束している。
 実際は地味でポスターやSNSの活用により探す。
 あとは【軽犯罪】にも手を出して探している。
 盗聴器のこととか簡単に口を割ったりできない。

「どーしても、駄目?」
「あ、これなら言えるよ」
「え?」
「親戚のやってる喫茶店があるんだけど、クーポンあげた」
「捜査のこととかは~?」
「約束だから駄目」
「どうしても?」
「駄目」

 家に帰る途中で憧礼さんの事務所を見たが【売地】に。ちょっと心配になり電話しようか悩んだが自分はただ顧客の一人である。やめるべきか否か。しかし引っ越しの理由どころかホームページさえもう無いのは気になる。生きてる……よね?駄目だ気にしなりすぎる。電話して心配し過ぎですよーと言ってもらおう。


『はい、憧礼です』
「あ、以前お世話になりました高橋桜子です」
『猫のメリゼちゃんを捜索依頼された飼い主さんですね』
「前の事務所が売地になっていたので、移転先?を聞こうかと」
『……』
「憧礼さん?」
『実は探偵業をたたみました』
「え?」
『五角島の事件については?』
「3人死んで犯人も自殺だと」
『実はウィザードの社長のこと狙っていた女が、社長がゲイで俺に夢中だって知って暴れた結果でして』
「えぇ!?……いや、えぇ!?」

 噂は色々聞いたけど、当事者から聞く事実が一番すごい。

『そういう訳で今はウィザードの関係者です』

 つまりウィザードに転職。足とか怪我して探偵廃業したりしてはいないのか。本当に良かった。

「すみません不躾なことをきいて、では失礼します」
『ちょっと待って下さい』
「え?」
『メリゼちゃんお元気ですか?』
「はい!!」
『それは良かった、ではまた何かあればご連絡下さい』

 家に帰って、喫茶店を最近始めた親戚のお姉さんから売れ行きが好調であることを告げられた。
 そのうち行きたい、でも今はまだ忙しいかな?
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