文字の大きさ
大
中
小
5 / 50
5話 自分の死因
頭を撫でられつつ、先ほどとは違ってもう嫌ではなくなった自分に現金な奴だと呆れつつも話を聞くことに
「えーと、さっき随分と大きなテントから出てきましたよね?」
「うん」
「ラウさんは朝が来ないっていうけど、僕……夜だからか眠くて」
「オジジの家に泊まらせてあげようか?」
「え、いいんですか?あっでも……襲ってきたりとか」
「してほしい?」
「止めて下さい」
「ま、眠いなら少し寝るべきだね若いのはすーぐ頑張り過ぎる」
そして竿や木で出来たバケツを横に片付け、恭平の竿も纏めて置き
手招きするので家までついていった
中に入ればラウとは打って変わって散らかっている
「オジジちょっと整理整頓って苦手でさ?でもオジジのお家広いしお布団も二つあるから」
ぽんぽんと布団を叩くので有難く入らせてもらった
目を閉じて眠ると夢のように生前を
自分が死ぬ直前の状況が思い出された
確かに海を見に行こうとはしていたが、自分は諦めて自殺などしていない。
==========================
海を見に行って、初めての遠出に満足して帰ろうとしていた時だった
比喩でも何でもなく世界が揺れたのだ
とても立っていられない、割れていくガラス
死ぬ勇気も無かったが、これで自分が死んでも誰が悲しむのかと達観していた。
やがて押し寄せてきたのは『津波』
2011年の3月、あのとき確かに自分は
『助けて』
自分ではない、女性の声が聞こえた気がした
==========================
飛び起きた、日が昇った様子も変わった様子も無い
隣では天井からさがるランプの灯で古い本を読む入江
「おはよ」
「……あの時、僕は」
今はこれ以上思い出せない、けれど、溺れて死んだのは確かで
死にたくなかった、ホモだと罵倒されるような生活でも
好きなアーティストがいたしアニメだってあの日は帰ってから楽しみで
生きたかった
「人生、お疲れ様」
泣いた恭平にてぬぐいを差し出す入江
恭平は受け取らずに泣きながら抱き着いた
よしよしと撫でられる頭、『生きたかった』と小声で言い続け
「まだっ何かを……」
「うん?」
「最後に女性の声がしたん、ですっ」
「そっか」
「助けてって、聞こえて、あのあと僕はッ何したか覚えてなくてっ!!」
「……」
騒がしくしているが入江は特に怒ったりおおきなリアクションをとらずに、茶を入れた
恭平の目はお茶の葉を缶から取り出して急須に入れてという一連の動作の流れを眺め
ふと我に返った
「あ、僕っごめん、なさい」
「おかしでも食べて落ち着いて」
「何ですか、これ」
「ひ」
感想 0
あなたにおすすめの小説
孵化から始まる転生もふもふヒナ日記〜弟が◯◯でも、兄ちゃんは気づかない〜
葉津緒ファンタジーBL(転生系)
ほのぼの✕執着愛
転生したら鳥だった俺。
転生前のことや転生した理由、神様に会ったかどうかも不明。たぶん前世は人間だったはず、程度のことしか分からない。ここが地球なのか異世界なのかも分からない。でもまあ難しいことは考えず、今は鳥として頑張ろうかな。
真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~
水凪しおんフェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。
アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。
氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。
「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」
辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。
これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!
最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。
はやしかわともえのんびり書いていきます。
2023.04.03
閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m
お待たせしています。
お待ちくださると幸いです。
2023.04.15
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
更新頻度が遅く、申し訳ないです。
今月中には完結できたらと思っています。
2023.04.17
完結しました。
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます!
すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーンギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
恋愛偏差値ゼロの若きエリート財務官、今世の有能さが過ぎて冷徹王太子と天才魔術師に全力で外堀を埋められています
雪平もち前世は三十代、今世は二十代の若きエリート財務官・シリル。
恋愛偏差値ゼロのまま予算だけを愛してきた彼は、その並外れた有能さゆえに、王宮の超大物たちからロックオンされていた!
胃痛と腰痛に耐えながら、無自覚天然な財務官が、二人の凄まじい執着の狭間で右往左往する、異世界王宮溺愛BLコメディ!
血のつながらない弟に誘惑されてしまいました。【完結】
まつも☆きらら突然できたかわいい弟。素直でおとなしくてすぐに仲良くなったけれど、むじゃきなその弟には実は人には言えない秘密があった。ある夜、俺のベッドに潜り込んできた弟は信じられない告白をする。
【完結】だから俺は主人公じゃない!
美兎ある日通り魔に殺された岬りおが、次に目を覚ましたら別の世界の人間になっていた。
しかもそれは腐男子な自分が好きなキャラクターがいるゲームの世界!?
でも自分は名前も聞いた事もないモブキャラ。
そんなモブな自分に話しかけてきてくれた相手とは……。
主人公がいるはずなのに、攻略対象がことごとく自分に言い寄ってきて大混乱!
だから、…俺は主人公じゃないんだってば!
オメガだと隠して魔王討伐隊に入ったら、最強アルファ達に溺愛されています
水凪しおん前世は、どこにでもいる普通の大学生だった。車に轢かれ、次に目覚めた時、俺はミルクティー色の髪を持つ少年『サナ』として、剣と魔法の異世界にいた。
そこで知らされたのは、衝撃の事実。この世界には男女の他に『アルファ』『ベータ』『オメガ』という第二の性が存在し、俺はその中で最も希少で、男性でありながら子を宿すことができる『オメガ』だという。
アルファに守られ、番になるのが幸せ? そんな決められた道は歩きたくない。俺は、俺自身の力で生きていく。そう決意し、平凡な『ベータ』と身分を偽った俺の前に現れたのは、太陽のように眩しい聖騎士カイル。彼は俺のささやかな機転を「稀代の戦術眼」と絶賛し、半ば強引に魔王討伐隊へと引き入れた。
しかし、そこは最強のアルファたちの巣窟だった!
リーダーのカイルに加え、皮肉屋の天才魔法使いリアム、寡黙な獣人暗殺者ジン。三人の強烈なアルファフェロモンに日々当てられ、俺の身体は甘く疼き始める。
隠し通したい秘密と、抗いがたい本能。偽りのベータとして、俺はこの英雄たちの中で生き残れるのか?
これは運命に抗う一人のオメガが、本当の居場所と愛を見つけるまでの物語。