宇宙人との規格外恋愛をした~愛されてるのは彼だけです~

宝者来価

文字の大きさ
35 / 50

35話 再会と再会

しおりを挟む

 進勇気が宇宙船のホテルみたいな場所に監禁され4か月。

「んー流石に退屈だな部屋」
「え」
「……ボヤいてるだけだ、安心しな」

 食事はくれるし人質も生きてるまま。
 でも部屋の一室に閉じ込められるとストレスは溜まる。
 たまには出かけたくもある。

「……プールならいいよ」
「マジ!?」
「うん、カナちゃんには幸せになってほしいんだ」

 俺のことクロノまでカナちゃんって呼び出した。
 まぁ呼び名ぐらいどうでもいいっちゃいい。
 どうにも俺は元からカナちゃんと呼ばれていたようだ。

 人質(?)も俺のことカナちゃんって呼ぶし。

 こうしてタコ足に縛られつつ移動。
 本当に屋内プールにつれてきてもらった。
 脱ごうとしたらとめられた。

「ほら水着あるから!!」
「これだけのこと(誘拐監禁)しておいて裸は見ない配慮がすごい」

 可愛い女子用の水着に着替えた。
 部屋にこもりきりだったので軽く準備運動してゆっくりと入る。
 このプール深い、水深が4メートルぐらいないか?

「……浮き輪ある?」
「え?ヒコ、浮き輪って何?」
「☆地球人は水中で息ができないから浮くための道具だな☆」
「なら作るか」

 作るんだ、いや俺の世界にも3Dプリンターとかあった。
 浮き輪なら楽に作れそうだよね。
 そして渡されたのが酸素ボンベ。

「いやまぁ分かるけども」
「浮き輪だと溺れるかもしれないじゃん?」
「いや、いいわ――もらう」

 酸素ボンベつけてプールに潜った。
 重みとか不安だったけど、水中ではあまり感じない。
 そしてしばらく泳いでいたらクラゲがいた。

 顔と熊のような耳を持った愛嬌のあるナニか。

「カナ殿、久しぶりでござるよ」


 俺は慌てて地上に出てきてクロノのタコ足を握りしめた。
 もし何かあれば掴めとというSOS時のとりきめ。
 プールからタコ足で引き揚げられた。


「……どうしたの?」
「クラゲぇ!!いるならいるって言っておけよクラゲぇ!!」
「くらげ?」
「ほんと驚いたっていうかサムライ語?なにあの喋るクラゲ」
「☆クラスメイトだな☆」

 プールから上がってきたクラスメイトのクラゲ(?)。
 さっきより大きい、水を吸って膨らんだらしい。
 動きづらそう。

「水は苦手でござるぅ……」
「どうして君、ここに」
「クロノ殿こそどこに行ってたでござるか、というかここは何処でござるか?」
「君も分かってないのにきただけってことか」
「学校の【プリント】をカナ殿の家におしこもうとしたらここにいたでござる」
「テンシの野郎……」
「え?」

 ミコ・テンシさんのこと?

「☆多分家になにかした瞬間にこの船にテレポーテーションするな☆」
「人間のバチスケやギョロメ星人なソウジならともかく、こいつ――か」
「動けないでござるよー!!助けてほしいでござるよ!!」

 水吸い過ぎて大きくなりすぎて頭が天井につっかかってる。
 可愛そうだけど、涙目の見た目がちょっと可愛い。
 どうするんだクロノと横目でみる。

 監禁うんぬんいぜんに彼、このままじゃ――

「このままでいいか?」
「なんででござるか!?助けて……ママぁ!!」
「え?」
「ママァママっ!!」

 巨大なクラゲがママママと泣いてる、なんだろう、状況わかんないけど――

「泣かせたら駄目だろ」
「ああそうだお前もまだ500歳未満だった……ご、ごめん」
「えーん!!えーん!!」
「☆落ち着け、今助けてやるから、な?☆」
「頭いたいぃッ!!」
「カナちゃ……勇気さんは廊下に出てて」
「え、いいのか?」
「この部屋にいたら溺死する、急いで」

 プールの部屋から出る、宇宙が見える廊下。
 こんな自由にさせていいのかよ今まで閉じ込めていたのに。
 いや、でもなんていうかクロノの奴もヒコの奴も邪悪さは感じないんだよな。

「こんにちは」

 その声は【外】からだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

狼隊長さんは、私のやわはだのトリコになりました。

汐瀬うに
恋愛
目が覚めたら、そこは獣人たちの国だった。 元看護師の百合は、この世界では珍しい“ヒト”として、狐の婆さんが仕切る風呂屋で働くことになる。 与えられた仕事は、獣人のお客を湯に通し、その体を洗ってもてなすこと。 本来ならこの先にあるはずの行為まで求められてもおかしくないのに、百合の素肌で背中を撫でられた獣人たちは、皆ふわふわの毛皮を揺らして眠りに落ちてしまうのだった。 人間の肌は、獣人にとって子犬の毛並みのようなもの――そう気づいた時には、百合は「眠りを売る“やわはだ嬢”」として静かな人気者になっていた。 そんな百合の元へある日、一つの依頼が舞い込む。 「眠れない狼隊長を、あんたの手で眠らせてやってほしい」 戦場の静けさに怯え、目を閉じれば仲間の最期がよみがえる狼隊長ライガ。 誰よりも強くあろうとする男の震えに触れた百合は、自分もまた失った人を忘れられずにいることを思い出す。 やわらかな人肌と、眠れない心。 静けさを怖がるふたりが、湯気の向こうで少しずつ寄り添っていく、獣人×ヒトの異世界恋愛譚。 [こちらは以前あげていた「やわはだの、お風呂やさん」の改稿ver.になります]

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...