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124話 遊園地ダンジョン7
しおりを挟む「変身のスキルで相手を変身させりゃいいとでも思ってんだろ?」
どうやら、【スキルカード:変身】はあくまで仮の姿に変身するだけであり戻ってしまう。
相手が魔物などなら制限なく使えることもあるが、3日もあればまず間違いなく変身前の状態になるとのこと。
確かにレイニーとの旅行では顔を変身させても長持ちしないって聞いた気がする。
「だから、削ぎ落としちゃえばいいじゃん余計についた肉なんて」
「娘の身体きり刻むつもりか!?」
「どっちにせよクリアしないと帰れないわ」
ティラノの言葉に二人は一旦、黙ってついてきてくれることに。
遊園地っぽい普通のメリーゴーランドとかもある。
超がつくほど大きいけれど乗ってるだけで良さそう――
「あんたレイニーから目を離すんじゃないわよ」
既にメリーゴーランドの馬にのってるレイニー。
でも、今回はただメリーゴーランドに乗ればいい。
説明に『メリーゴーランド耐久、30分間乗るだけ!!』って書いてあるのでこれならクリアできそう。
「これなら俺とレイニーだけで充分かな」
「ならいくつかグループで行動しましょう、待ってたら日が暮れるわ」
というわけで俺たちは馬を選んで座った。
『メリーゴーランドにようこそ~♪』
ちょっと楽しそう。普通の遊園地のメリーゴーランドに耐久するだけなら余裕でクリア可能と踏んでいる。あれ、何故か嫌な予感がしてきた。
メリーゴーランドってもっと遅いものじゃないのか?
「……なんか速くなってね?」
「これ楽しいですよ、馬の2倍ぐらいぐらいの速さで『わーっ』てなるんです」
既に馬にしがみ付かないと振り落とされそうだ。
「『わーっ』の威力じゃないッ!!」
どちらかといえばジェットコースターの体験を30分間させられた。
体感速度は200キロぐらい、メリーゴーランドそのものが大きいのでそこまで酔うようなことはなかった、怪我もなく、ちょっと楽しめたのでよしとする。
『お土産いります?』
魔物が屋台でお土を産売っているだと……!?
「普通に土産屋あるのここ!?」
「ダンジョンでお金と引き換えに物を商売する魔物はけっこういます」
「へー」
土産屋で買い物、遊園地にありがちなバニーガールがつけているうさ耳などを買う。
「これって俺が頭につけても大丈夫かな?」
「大した害はないですね」
そんなこんなして皆と再び合流した。
けっこう皆がクリアできている。
何よりチートだったのがホンイツだ。
「え、あそこクリアしたの?人数足りなくないかしら?」
「人数なんか人形で合わせたよ」
「わん!」
「自分の立場を考えればツッコミ入れるべきではないのは分かりますが――」
「まぁ気になるよね?」
「何故、カドマツ国王殿は下半身がパンツ1枚なのですか?」
俺はうさ耳に紳士服にパンツ1枚という恰好をしている。分かる、俺もこの姿を見たらつっこむもん。
「土産屋物を売ってる店で買ったうさ耳をつけたらズボンが吹き飛びました」
「そんな怪しいもの普通は着ないわ」
「だって、レイニーがつけても大した害はないですって言うから――」
「服がなくなるのは何時ものことですし」
「アンタそっちの趣味もやっぱりあるの?」
「尻処女って訳じゃねぇし、完全に否定はできねぇな」
「え!?」
まぁレイニーが驚くのは分かる。
別に悲惨な過去などはない。
でも、経験はあるし嘘をつくようなことでもない。
「あ、いや今は違うか?」
「アンタ襲われたことあるの!?」
「そうじゃなくて」
あれは日本人だった頃。
祖母の遺産で風俗三昧していたら、新しい店の視察を頼まれた。
男の娘が働く店で興味は元々なかったが頼まれて仕方なく行ってみた。
入り口に超美しい人がいた。背が高くて金髪、青目で巨乳のオネェさん。
「俺は『坊やのこと、待ってるわね♡』と頭をなでられ気付いた時には指名していた」
他はいいがホンイツも引いている。
理由があろうがロリショタに手ぇお前だけはその顔する権利ねぇだろ。
あとでコーヒー飲んだ瞬間に驚かせてやる。噴き出して服とか大変なことになってしまえ。
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