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食べることは生きること

第三話

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話を最後まで聞くとこんな感じだった。

筋肉バキバキ王子ことジョン・バーベルナはすげぇ強い力で呪われておりそれを解くには私を「真の力」(聖女の力ってやつだね)に目覚めさせたいらしい。

んでその真実の力に導くためにはとりあえず私は筋肉バキバキにならないといけないらしい。

嫌だな。

前にテレビで見たことがある。

体操選手やボディビルダーのバキバキの身体は必要最低限の栄養や厳しい食事制限を何年もやって手に入ったものらしい。

大体のモデルやアイドルには吐きだこがついている。

この世界にはドーピングとかないんかな。

「エミ、僕と一緒なら大丈夫だよ!僕もエミと一緒に頑張らせてほしい。いいかな?」

「あ、えぇ…まぁ…はぁ…」

「それは僕のことを助けてくれるって返事で受け取っていい?」

陽キャだ。こいつ女子だけじゃなくて親とかからも「イケメンだ」「かっこいい」って言われたり二軍グループでいじめられてる男子を「やめときなよ」とか言っていいとこ持ってくタイプの陽キャだ。

絶対仲良くなれないけど営業スマイルだけは作っておこ。なろう系のいつも通り・・・・・・に従おう。

「 …はい。よろしくお願いします。正月太りも気になってたので助かります。」

ジョンさんはパァァっと向日葵のように明るい笑顔になった。

うた○リか?女子はこういうのに惚れるのか?残念な事に私は元バンギャでホスト(黒髪死んだ目メンヘラ製造機)みたいな見た目をしたヒモみたいなイケメンが好みだ。

爽やかイケメンは好みではなかった。

「そしたら今日は疲れただろうし明日から特訓だね!今日はゆっくりおやすみ!」

明日から、かぁ…

食べることは生きることだけど、生きることに殺されたなぁ。
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