上 下
3 / 4
食べることは生きること

第二話

しおりを挟む
私は死んだ。

食べることは生きることだが食べることに殺されてしまった。

理由はわかってる。

おはぎの食い過ぎだ。

会社の新年会で隠し芸大会というものがあり、ジャンケンで負けた私はそれに出ることになってしまったのです。

正月太りのわがままボディ(体重2kg増量)でやれることと言ったらおはぎの一気食いしかない。

(乃木●46のモノマネを男性社員+私でやるという案を全力で避けた)

最初は楽しかった。

経費でおはぎを楽しく食べて居酒屋の最高記録を越していく、という目的だったのだから。

勿論死ぬほど恥ずかしいけど、アイドルコスプレより何倍もマシだ。

お酒が回りちょっとフラフラになってきた頃だ。

23個目だった。喉に詰まった感覚、酸素が行き渡らない苦しさ。

救急車で運ばれて3時間の苦しみの後、私は息絶えた__




はずだった。




「聖女召喚は成功したはずだよ」

…?

「あぁ…まぁ、そうなんだけどね。」

ここが天国なのかな?天国にしては森の中っぽいけど。

スーツ、土まみれになっちゃった。

神様はずいぶん筋肉質な人だ。
はち切れそうな大胸筋でYシャツもビリッと行っちゃいそうだ。

パーソナルトレーナーみたいなかっこいい女の人(トレーニー特有のヘソだし服)が神様と話している。

「ジョン、この子を#筋肉聖女__セイン
トマッスル__#に育てれば貴方は必ず助かるよ!」

「この子が筋肉聖女って保証はあるのかな?」

びっくりした。これTwitt●rの広告で四万回見たやつだ。まさか私がなるとは。

「筋肉聖女じゃなかったらその辺に売り飛ばせばいい。筋肉聖女になるまでは王宮にはいれないんだからバレないって」

自分がそうなるとは誰も思わないよね。
あれ漫画の中の話だもん。
人生わからんものだなぁ。

え?売り飛ばすって何?

「まぁそうだね。そこの君、いきなりこの世界に連れてこられてびっくりしてるよね。」

連れてこられてって言うか…状況はよくわからないですね…ちょっとパニックです。

「そうだよね、ここは「バーベルナ」って国のちょっと外れの森の中。実は君に頼みたいことがあって召喚したんだ。」

へぇ…そうなんですね…

君に頼みたいことがあって召喚したんだ・・・・・・・・・・・・・・・・・って一生聞かないパワーワードだよ…てかこう言う反応って絶対歓迎されてないタイプじゃん…

しおりを挟む

処理中です...