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glass:64 ~完~
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1年生として学校に来る最後の日。
桜もうっすら咲きはじめていて、通学路が綺麗に染まりつつある。
そんなことを思いながら歩いていると後ろから声をかけられる。
「コーちゃん、おはよう!」
「なんだ神沢か・・・おはよう。」
「コーちゃんは相変わらずクールだなー・・・少しは親友とバッタリ会ったことに喜んでくれよー!」
「残念ながらそんな趣味がないからな・・・。」
そう言いながら神沢がいるであろう後ろを見る。
神沢の後ろに森下、鶴里、桜山の姿があった。
「なんだよ・・・4人で登校かよ・・・親友とか言っておきながら危うく俺だけ1人ぼっちになる可能性あったじゃねーかよ。」
「いや、3人ともたまたま会ったんだよー!でも5人で登校するのって意外と初めてじゃない?」
「言われてみると確かにそうだな。」
5人で学校への道を歩いていると前方からものすごい形相をした柴田が走ってくる。
そして俺達の前で立ち止まる。
「・・・なんだ?このタイミングで忘れ物か?」
「いや、違うっすよ!いつも5人は仲良くやってて私を置いてきぼりにするっすよ!だから私は無理やり仲間に入るっすよ!」
大丈夫だぞ柴田・・・俺もさっきまではそっち側だったからな。
改めて6人で学校に向かって歩いていると柴田が俺の隣に来てヒソヒソと話しはじめる。
「そういえば、あれからどうだったんすか?上手くいったっすか?」
「お前はどんだけ策士なんだよ・・・まあ、上手くいったっちゃいったんじゃねーの?」
「おー!とうとう2人は結ばれたっすね!柴田の策略どうりっすね!」
そう言って柴田は微笑む。
それぞれの教室に入り、その後体育館に移動する。
体育館でメガネ美少女・・・もとい生徒会長の話を聞き、下校時間になる。
桜山と帰ろうかと教室を覗くと桜山が居なかったので今日は何かしら用事でもあったのだろうと思い下駄箱へ向かう。
下駄箱へ向かう途中で神沢と会う。
「お前も1人か・・・せっかくだし、飯でもいかないか?」
「あー・・・すごい魅力的な提案だけど今日は楓ちゃんと帰る約束してるから無理なんだよ!」
「楓ちゃん・・・?あ、鶴里のことか・・・ん?お前、鶴里のことそんな呼び方してたっけ?」
「あ、言い忘れてた!俺達付き合うことになったんだよ!」
「付き合・・・え!?いつからだよ!?」
「バレンタインの日からかな?」
あー・・・あの時か・・・。
「ということで今日はすまんよ!また今度!」
と言いながら神沢は去っていった。
このリア充め・・・とか思いかけたが、よく考えたら俺も世間一般的にはリア充なのか・・・。
仕方なく1人で帰ろうと下駄箱で靴を履き替えようとすると自分の靴の上にメモの切れ端が置いてあるのに気づく。
切れ端には「図書室で待つ」とだけ書いてあった。
誰が書いたものかはなんとなく察しがついていたので、俺は図書室に向かう。
扉を開けると図書室の奥の方・・・窓際にメモを書いた張本人が読書をしながら木漏れ日に照らされている。
「お前、置き手紙をするならもうちょっと女の子らしいものに書けよ・・・。」
「・・・そんなもの常備してないわよ・・・仕方ないじゃない・・・。」
桜山が本から目を離し、俺の方を見る。
「・・・あれ?・・・お前・・・それ・・・」
顔を上げると桜山がメガネをかけていた。
「その・・・こ、この方が・・・あんたが喜ぶかなと・・・思って・・・っていうかせっかくかけてあげたんだから感想くらい言いなさいよ。」
少し恥ずかしそうに桜山が言う。
「いや・・・に、似合ってると・・・思うぞ・・・。」
「そ・・・そう・・・ありがとう・・・。」
「・・・そういえば、図書室って今日は使われてないんじゃないのか?また閉じ込められるぞ?」
「そこはさすがに抜かりないわよ。」
桜山が持っていた鍵を俺に見せる。
「そうですか・・・それで、なんでこんなところに呼んだんだよ。」
「だって・・・誰かが居るところで一緒に帰ろうとか言うの・・・恥ずかしいから・・・」
「・・・思ってた以上にお前らしい理由だったよ。」
「うっさいわね・・・っていうかそんなところに突っ立ってないでこっち来なさいよ!」
「お前はそれをもう少し可愛くは言えないのかよ・・・」
「悪かったわね・・・」
俺は桜山の隣に並ぶ。
「・・・初めて会ったのもこの場所だったな・・・。」
「そうね・・・1年・・・色々あったわね・・・。」
「・・・そうだな。・・・じゃあ、そろそろ帰るか。」
「ちょっと待っ・・・」
一歩前に出た俺の腕を桜山が掴む。
俺が振り返った瞬間、少し開いていた窓から入り込んだ風にカーテンが舞って俺達を包んだ。
春の風が吹いていた。
桜もうっすら咲きはじめていて、通学路が綺麗に染まりつつある。
そんなことを思いながら歩いていると後ろから声をかけられる。
「コーちゃん、おはよう!」
「なんだ神沢か・・・おはよう。」
「コーちゃんは相変わらずクールだなー・・・少しは親友とバッタリ会ったことに喜んでくれよー!」
「残念ながらそんな趣味がないからな・・・。」
そう言いながら神沢がいるであろう後ろを見る。
神沢の後ろに森下、鶴里、桜山の姿があった。
「なんだよ・・・4人で登校かよ・・・親友とか言っておきながら危うく俺だけ1人ぼっちになる可能性あったじゃねーかよ。」
「いや、3人ともたまたま会ったんだよー!でも5人で登校するのって意外と初めてじゃない?」
「言われてみると確かにそうだな。」
5人で学校への道を歩いていると前方からものすごい形相をした柴田が走ってくる。
そして俺達の前で立ち止まる。
「・・・なんだ?このタイミングで忘れ物か?」
「いや、違うっすよ!いつも5人は仲良くやってて私を置いてきぼりにするっすよ!だから私は無理やり仲間に入るっすよ!」
大丈夫だぞ柴田・・・俺もさっきまではそっち側だったからな。
改めて6人で学校に向かって歩いていると柴田が俺の隣に来てヒソヒソと話しはじめる。
「そういえば、あれからどうだったんすか?上手くいったっすか?」
「お前はどんだけ策士なんだよ・・・まあ、上手くいったっちゃいったんじゃねーの?」
「おー!とうとう2人は結ばれたっすね!柴田の策略どうりっすね!」
そう言って柴田は微笑む。
それぞれの教室に入り、その後体育館に移動する。
体育館でメガネ美少女・・・もとい生徒会長の話を聞き、下校時間になる。
桜山と帰ろうかと教室を覗くと桜山が居なかったので今日は何かしら用事でもあったのだろうと思い下駄箱へ向かう。
下駄箱へ向かう途中で神沢と会う。
「お前も1人か・・・せっかくだし、飯でもいかないか?」
「あー・・・すごい魅力的な提案だけど今日は楓ちゃんと帰る約束してるから無理なんだよ!」
「楓ちゃん・・・?あ、鶴里のことか・・・ん?お前、鶴里のことそんな呼び方してたっけ?」
「あ、言い忘れてた!俺達付き合うことになったんだよ!」
「付き合・・・え!?いつからだよ!?」
「バレンタインの日からかな?」
あー・・・あの時か・・・。
「ということで今日はすまんよ!また今度!」
と言いながら神沢は去っていった。
このリア充め・・・とか思いかけたが、よく考えたら俺も世間一般的にはリア充なのか・・・。
仕方なく1人で帰ろうと下駄箱で靴を履き替えようとすると自分の靴の上にメモの切れ端が置いてあるのに気づく。
切れ端には「図書室で待つ」とだけ書いてあった。
誰が書いたものかはなんとなく察しがついていたので、俺は図書室に向かう。
扉を開けると図書室の奥の方・・・窓際にメモを書いた張本人が読書をしながら木漏れ日に照らされている。
「お前、置き手紙をするならもうちょっと女の子らしいものに書けよ・・・。」
「・・・そんなもの常備してないわよ・・・仕方ないじゃない・・・。」
桜山が本から目を離し、俺の方を見る。
「・・・あれ?・・・お前・・・それ・・・」
顔を上げると桜山がメガネをかけていた。
「その・・・こ、この方が・・・あんたが喜ぶかなと・・・思って・・・っていうかせっかくかけてあげたんだから感想くらい言いなさいよ。」
少し恥ずかしそうに桜山が言う。
「いや・・・に、似合ってると・・・思うぞ・・・。」
「そ・・・そう・・・ありがとう・・・。」
「・・・そういえば、図書室って今日は使われてないんじゃないのか?また閉じ込められるぞ?」
「そこはさすがに抜かりないわよ。」
桜山が持っていた鍵を俺に見せる。
「そうですか・・・それで、なんでこんなところに呼んだんだよ。」
「だって・・・誰かが居るところで一緒に帰ろうとか言うの・・・恥ずかしいから・・・」
「・・・思ってた以上にお前らしい理由だったよ。」
「うっさいわね・・・っていうかそんなところに突っ立ってないでこっち来なさいよ!」
「お前はそれをもう少し可愛くは言えないのかよ・・・」
「悪かったわね・・・」
俺は桜山の隣に並ぶ。
「・・・初めて会ったのもこの場所だったな・・・。」
「そうね・・・1年・・・色々あったわね・・・。」
「・・・そうだな。・・・じゃあ、そろそろ帰るか。」
「ちょっと待っ・・・」
一歩前に出た俺の腕を桜山が掴む。
俺が振り返った瞬間、少し開いていた窓から入り込んだ風にカーテンが舞って俺達を包んだ。
春の風が吹いていた。
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