この学園には図書委員がいない!

空飛ぶ桂川

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「ごめん・・・私のせいであんたまで・・・」
「気にすんなよ。神沢に連絡しといたからあいつならなんとかしてくれるさ。」

俺達が図書室に閉じ込められて1時間以上が経った。
おそらく学校内の職員が全員帰ったあと、用務員の人が施錠をしに部屋の中を確認した際に奥の方で掃除をしていた俺達に気づかなかったんだろう。
そして、職員室に繋がるであろう学校の電話番号に連絡をしたが誰も出なかったので俺は神沢に連絡をしてみた。

「もしもし?コーちゃん?どうしたのー?」
「なんか俺達、図書室に閉じ込められたっぽいんだよ・・・なんとかならないか?」
「図書室に閉じ込められるとか初めて聞いたよー!でもそれは緊急事態だろうしとりあえず相生山先輩に連絡してみる!」
「悪いな・・・よろしく!」

という経緯があって今は神沢がなんとかしてくれるのを待っているわけだ。
桜山は隣でうつむいて今にも泣き出しそうになっている。

「・・・あんまり気にすんなよ。お前だけのせいじゃないだろ。」
「でも私が毎回図書室の鍵を先生に開けてもらってその鍵を預かってなかったから・・・」
「だったら鍵を預けなかった先生にも問題がある・・・くらいに思っておけよ。そんな感じでいるのお前らしくないから調子狂うんだよ。」
「・・・それもごめん・・・。」
「だから謝るなよ・・・でも前にもこんなことあったよな。」
「・・・え?」
「ほら、お祭りの時にさ・・・お前が迷子になって俺が探して・・・みたいなことあったろ?」
「そういえばそんなこともあったわね・・・。」
「なんだよ。忘れてたのかよ。」
「忘れるわけないじゃない・・・だってあの時から・・・」

桜山の言葉を遮るように雷が鳴る。
図書室のカーテンを閉め切っていたのでわからなかったが、いつの間にか雨が降っていたらしい。
桜山は悲鳴をあげ、俺に抱きつく。
「そういえば、雷苦手だったもんなお前・・・」
「だって・・・ただでさえ閉じ込められてて不安なのに大きな音が鳴るんだもん・・・」
「・・・ったく・・・近くにいてやるからそんな不安そうな顔するなよ・・・。」
「あんたってたまに優しい瞬間あるわよね・・・。」
「たまにってなんだよ・・・あと、女子と2人きりの時にそいつが雷に怯えてたら誰だって優しくするだろ。」
「でも・・・あのお祭りの時だって・・・優しかったし・・・。」
「あれもあの状況ならああするだろ・・・あ、そういやお祭りの時の話が途中で終わってたな・・・あの時からのあとは何言おうとしてたんだ?」
「そ、それはもういいでしょ!その話はおしまい!」
「いや、あんな中途半端にされて終われるかよ!気になるだろ!」
「じゃあ、気にならないでよ!」
「無茶言うなよ!余計気になるわ!何を言うつもりだったんだよ?」
「もういいでしょ!あの時から私があんたのこと好きになったって話は!」
「・・・え?」
「・・・あっ・・・いや、ちょっと待って!今の無し!嘘!冗談!つい出ちゃったやつ!」
「・・・つい出ちゃったなら本音じゃねーかよ・・・。」
「いや、だから・・・あの・・・えーっと・・・」

その時、扉が開き神沢と相生山先輩が図書室に入ってきた。
その音に驚いた桜山がまた悲鳴をあげて俺に抱きつく。
「えーっと・・・一応助けに来たつもりだったんだけど、なんかお楽しみ中だったかな?」
「いや、ちげーよ!音に驚いて引っ付いてただけだ!」
「2人は校内で不純異性行為を・・・」
「先輩!違います!変なこと言うのやめてください!」
桜山が慌てて俺から離れる。

その後、2人にお礼を言って4人で駅まで向かう。
神沢と相生山先輩が前を歩き、傘を持ってきてなかった俺は桜山の持ってきていた折りたたみ傘に入れてもらいながらそのうしろを歩く。

「まあ・・・一件落着だな。」
「そんなわけないでしょ!こっちはあんな恥ずかしいこと言わされてんだから!」
「それはお前が勝手に言ったんだろ・・・。」
「勝手にってなによ!・・・しかも返事もしてもらってないし・・・。」
「なんだよ・・・やっぱり本音なんじゃねーかよ・・・。」
「もう誤魔化しようがないでしょ・・・それで・・・その・・・返事はいつもらえるのよ・・・。」
「そうだな・・・俺は文化祭の時だっけな・・・。」
「・・・え?」
「お前を好きになったの。」
「なによそれ・・・私より後じゃない・・・なんか悔しい・・・。」
「悔しいってなんだよ・・・これから・・・その・・・恋人になるんだったら・・・関係ないだろ・・・。」
「・・・うん。」
桜山は小さく頷いた後、うつむいて微笑んだ。
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