この学園には図書委員がいない!

空飛ぶ桂川

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ある日の朝。

「コーちゃん、おはよう!」
神沢が軽いノリで挨拶をする。
「そのあだ名はお前にも当てはまるからお前もコーちゃんだろうが。まあ、おはよう。」
「いや~、同じ名前だから呼び方困るじゃん?」
「苗字で呼べばいいだろ?」
「それだと他人行儀じゃん?あ、じゃあ車は英語でカーだからカーちゃんにする?」
「お前を産んだ覚えはねーよ。」

こんな感じの中身の無い会話ではじまるのがいつもの朝。恒例の朝。
多分、こいつは最初に選ぶ友達を間違えてると思う。
これだけの社交性があれば、もっと他に友達できただろうに・・・。

「それにしてもコーちゃんさ・・・図書委員のペア、桜山さんとなんだろ?」
「神沢、あいつのこと知ってんのか?」
「そりゃ知ってるとも!神沢的1年生美少女ランキング2位の女子だからね!」
「なんだよその下心全開のランキングは・・・」
「んで・・・2人はどこまでいったの?」
「ブフォ!!」
水筒のお茶を吹き出してしまった。
「ど、どこまでもねーよ!そもそもお前が思ってるようなやつじゃないぞ?口悪いし!」
あと、メガネかけてないし。
「・・・っていうか神沢・・・そのランキングの2位が桜山なら1位は誰なんだよ?」
「1位?1位は我がクラスの学級委員、森下 琴子(もりした ことこ)ちゃんに決まってんだろ!!」
「森下・・・?誰だ?」
「コーちゃん・・・さすがに自分のクラスの学級委員は覚えておこうよ・・・森下さんはあの子だよ。」

神沢の視線の先にクラスの女子が4人で仲良く喋っている光景がうつる。
その中で1人、段違いに美人・・・髪はサラサラで目鼻立ちはクッキリしていて人の良さそうな明らかに勝ち組オーラが滲み出ている女子がいた。

「あの子か・・・確かに美人だな。」
「だろ?容姿端麗、文武両道、おまけに学級委員まで・・・弱点がひとつも見つからない完璧な女子・・・それが森下 琴子なんだよ!」

んー・・・まあ、でもメガネかけてないんだよなー・・・とか思いながらその(裸眼の)美人を見ていると突然その(裸眼の)美人が振り返り、目が合ってしまった。
「・・・!?」
何故か目をそむけてしまった。
俺ともあろう者が裸眼の女子と目が合ってドキッとしてしまうなんて一生の不覚だ。

そんなことを考えていたらチャイムが鳴り、授業がはじまる。
教師が授業を進めていく中、俺は机に肘をついてボーっとしていた。
「・・・メガネかけてないんだよなー。」
誰にも聞こえないくらいの独り言。
ふと森下を見る。
確かに綺麗ではあるが、メガネをかけていなければ俺の中のランキング1位にはなれな・・・

メガネをかけていた。
美人が!
メガネを!
かけていた!

うおぉぉぉぉぉ!!
授業の時だけメガネかけるタイプなのか!!
俺的メガネ女子の好きな仕草トップ3には入るであろう『何かを読んだり書いたりする時にだけメガネをかける。』がこんなところで・・・しかもこんな美人でお目にかかれるなんて!!

しかも似合うではないか!
メガネが!
なんて美しいメガネ女子!

下心全開だった。
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