この学園には図書委員がいない!

空飛ぶ桂川

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「なに?ていうかあんた誰?」
女子生徒は顔をあげ、可愛らしい顔と声からは考えられないくらいキツい口調で言い放つ。
この子が桜山・・・図書委員・・・メガネかけてないのに・・・
「いや、君・・・メガネは・・・?」
「は?なに言ってんのあんた?・・・あ、あなたがシャドウ君?」
「シャドウ・・・?いや、俺の名前はクルマミチだ!車道と書いてクルマミチだ!ということはやっぱり君が桜山・・・」
「そうよ!私は桜山 咲音(さくらやま さきね)!これから1年一緒の委員なんだから覚えておいてよね!」

・・・あれ〈さきね〉って読むのか。いや、そんなことより・・・

「そんなことより・・・メガネは・・・?」
「は?メガネ・・・?なに言ってんのあんた!?メガネの子なんてどこにもいないけど・・・」
「いや、それが問題なんだろうが!!お前図書委員だろ!?なんでメガネかけてないんだよ!!」
「は?なにそれ!?意味わかんないんだけど!」
「図書委員はメガネかけてるんだよ!メガネをかけていなければ図書委員ではない!!」
「なにその持論!?気持ち悪いんですけど!それに私コンタクトしてるし!」
「コンタ・・・お前!視力が悪いというメガネをかけるためのステータスがありながらなんでそれを捨ててくれてんだよ!!」
「は?なにそれ!?ていうか初対面の可憐な女子を相手にお前って言うのやめてよね!」
「その口の悪さで何が可憐なんだよ!!このコンタクト女!!」
「うっさい!この変態メガネ狂い!」

・・・なんだこの女は!!
図書委員なのにメガネはかけてないし、口は悪いし、顔は可愛いけど、態度はでかいし、顔は可愛いけど、ああいえばこういうし、顔は可愛いけど、メガネかけてないし・・・
いや、そもそも俺のメガネ図書委員女子と恋に落ちるという目標をどうしてくれるんだ!!

「こんな変態と1年間も一緒に委員やらなきゃいけないとか本当最悪!」
あきれた顔でため息をつきながらまた椅子に座る桜山・・・
「お、俺だってメガネかけてない偽図書委員みたいなやつと1年間も一緒に・・・え?1年間・・・?」

そうだったーーーーー!!!!!
委員の2人1組のシステムは1年間続くんだった!忘れてた!
こりゃ1年間は素敵なメガネ図書委員女子との恋は諦めなければいけないな・・・と思いながら俺も椅子に座る。

「ちょっと!椅子3つあるんだから1つ間あけて座ってよ!」
「どこだって一緒だろ!」
「隣に座られたら変態がうつる。」
「うつるか!!」
そんなやりとりの後、桜山は先ほどまで読んでいた本にまた視線を戻し読み進めはじめた。

「・・・お前、本好きなのか?」
「だからお前って呼ばないでよ!・・・まあ、本は好きよ。子供の頃からずっと読んでたから図書室にある本は8割くらい読んだことあるやつだったし・・・」

8割・・・!?この広い空間に何冊本があると思ってんだよ・・・っていうか・・・

「おま・・・あ、いや・・・桜山はなんで8割の本が読んだことあるやつってわかるんだよ・・・入学してからまだそんなに日も経ってないのにここにある本軽く読んでまわったのか?」
「違うわよ!私もここに来るのは今日が初めて!さっきあんたが来るまでの間に一通り見て回っただけよ。私、一度読んだ本のタイトルと内容全部覚えてるのよ。」

全部覚えてる!?この図書室の中にある8割の本を!?なにそのチートみたいな能力!歩く図書館かよ!

「なんかでもほとんどが読んだことあるやつで萎えちゃった・・・こんだけ広ければ新しい本に沢山出会えるかも・・・って期待したのに・・・」
「・・・・・でだよ」
「え?」
「なんでだよ!!お前図書委員としてそんなに高いスペック持ってんだからあとはメガネだけじゃないかよ!!」
「は?なにそれ!?喋るな変態!!」

そのあとも何かにつけて言い合いをし、俺たちも下校の時間になった。

「あーあ・・・結局、全然読めなかったじゃない・・・なにかにつけてメガネメガネって・・・どうせ私みたいな可愛くないやつはメガネでもかけてごまかさないとダメですよーだ!」
「なに言ってんだよ・・・お前が可愛いからこそメガネが似合うって話だろ?」
「!?!?・・・・・っさい!この変態!!」
「さっきからお前そればっかだな。」
「お前って呼ぶな!・・・・・バカ・・・」

これがメガネをかけない図書委員、桜山 咲音との出会いだった。
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