この学園には図書委員がいない!

空飛ぶ桂川

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入学式。

着慣れない制服に身を包み、私も今日から高校生。
私は・・・私、森下琴子は今日から変わるのだ!

中学の頃は文芸部で明らかに何かの作品にインスパイアをうけました・・・みたいな小説を書いて妄想ばかりをして過ごしてた・・・。
でも変わるのだ!私は!ビバ!高校デビュー!

校舎の前に貼り出された掲示板を見る。
1-Bか・・・。
教室に向かおうとする。
ふと、1人の男の子が目に入る。
皆が掲示板に目をやり騒いでいる中、1人静かに図書室に目をやる男の子。
か、かっこいい!

思えば一目惚れだった。
なんて名前の人だろう・・・気になる。
なんてことを思いながら教室に入る。
しばらくするとさっきの男の子が教室に入り自分の席であろう場所に座る。
車道・・・なんて読むんだろう・・・。

しばらくすると、先生が教室に入ってきて出席をとりはじめる。
くるまみちって読むんだ・・・
車道君・・・車道 行介君・・・名前もかっこいいな・・・

数日経ち、クラスでは委員を決めることになった。
車道君は図書委員か・・・図書委員は定員1人だなー・・・
いや、ちょっと待った!私は変わる為にこの高校に来たんだった!
「私、学級委員に立候補します!」
・・・心臓爆発するかと思った。
でも、学級委員なんて今までやろうと思ったこともない役職をやり遂げた時、私は1つ大人になれる・・・はず・・・

そして車道君との恋も成就させて私は更に大人になるのだ!
頑張れ琴子!

初めて会った日から数日経った。
日にちが経てば経つほど車道君を目で追っちゃうし、どんどん好きになっていく。
今日は朝、ふと車道君を見たら目があっちゃったし、今日は車道君が図書委員の担当だし、丁度読みたい小説もあったし、距離を縮めるためにも図書室に行こう!
そうだ!図書室へ行こう!

とは言っても緊張はするもので、図書室の外をぐるぐるすること数時間・・・
あ、車道君が図書室に入っていく・・・
あー!もう!こうなったらヤケだ!行ったれーーー!!

私は図書室のドアを開けた。
図書室の中では車道君ともう1人女の子。
・・・すごい可愛い子。
なんか楽しそうに喋ってる・・・もしかして付き合ってるのかな・・・?

あ、2人とも私を怪訝そうに見てる!
何か言わなきゃ!
「あの・・・まだ、空いてますよね?」
「えっ?あ、空いてます!大丈夫です!」
女の子が答える。
「良かった・・・ちょっと読みたい本があって・・・あ!車道君!」

なに言ってんの私!!知ってたくせに!!白々しい!!そして恥ずかしい!!
そこから何を喋ったかは緊張で覚えてないけど、気がついたら小説を手にとって読んでいた・・・なに話したっけ・・・私のバカ野郎・・・野郎じゃないけど・・・

小説を読みながらふと顔を上げる。
2人が楽しそうに話してる。
いいなー・・・私もあんな風に仲良くなりたいなー・・・
「なに話してるんですかー?」
ん!?なに!?私はなに話しかけてるの!?
うわあぁぁぁぁ!!!

と思っていたら車道君が席を外してしまった・・・引かれたのかな・・・ていうか名前も知らない女の子と2人きり・・・気まずい・・・何か喋らなきゃ!

「あ!私、森下 琴子って言います!」
「え?あ、私は桜山 咲音です!」
「あの・・・桜山さんは車道君と付き合ってるんですか?」
わあぁぁぁぁぁ!!!!!何を言っているんだ私はぁぁぁぁぁ!!!!!
「え!?いや、そんなわけないでしょ!!・・・あんな変態!!」
・・・良かった!付き合ってないんだ・・・
「・・・私、車道君のことが好きなの。」
ファイヤーーーーー!!!!!何を言ってるんだ私はーーーーー!!!!!顔から火が出るぞーーーーー!!!!!
「え!?えーーーーー!?」
桜山さんが驚いた顔をしている。
そりゃそうだ・・・初対面の女が突然好きな男の子を暴露したのだから。
「いや・・・あの・・・今のは忘れてーーー!!」
「いや、忘れられるかー!」
「あ、そうだよね・・・こ、これは車道君には内緒で・・・」
「それは大丈夫!絶対言わないから!女同士の約束ね!」
友達ができた気分だ。
「じゃあ、そろそろ私帰るね!」
「そっか!じゃあ、またね!」
「うん!」
みたいな会話をしていたら車道君が息を切らして帰ってきた。
そして突然私の肩を掴んだ・・・顔が!近い!

それからの記憶はほとんどない。
気づいたら家に着いていた。

うわぁ・・・絶対変なこと言ったと思う・・・恥ずかしい・・・

でも私は変わるのだ!頑張れ私!
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