この学園には図書委員がいない!

空飛ぶ桂川

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「こうやって2人きりで夜の海を並んで見て・・・私達がカップルだったら・・・キスとかするのかな・・・?」

・・・・・え?・・・えーーー!!!・・・と、とんでもないものを見てしまったーーー!!!


~数分前~

「琴子ちゃん・・・海見にいくって出ていったけど、さすがに1人は心配ね・・・夜だし・・・。」
「・・・確かに・・・咲音ちゃん・・・追いかけてみたら・・・?」
「・・・そうね!琴子ちゃんが悪い男に捕まってる可能性もあるから楓ちゃんはここでいつでもケータイ出れるようにしておいて!」
「りょ・・・了解・・・。」

海まで来てみたけど・・・暗いし・・・さすがに1人は怖いなー・・・あいつか神沢君を連れてくるべきだった・・・。
っていうか琴子ちゃんはこんな暗い中、大丈夫なのかな・・・あ、琴子ちゃんだ!
「おーい・・・っ!?」
琴子ちゃんが・・・男といる!?もしかして・・・悪い男に捕まってるのかも・・・ど、どうしよう・・・と、とりあえず近くまで行って会話の内容を聞かないと・・・。

近くまで行ってみると琴子ちゃんと見覚えのある男がそこにはいた。
・・・あ、そういうことか・・・これは邪魔しちゃダメだなー・・・そっと帰ろう・・・。


~数分後に戻る~

えーーー!!!ど、どうしよう!!!絶対聞いちゃダメなやつだよね・・・こ、これって・・・だって・・・告白・・・だよね・・・。
・・・なんだろう・・・今、なんか・・・息が苦しい・・・気がした・・・。
いや、でも今はそれどころじゃない!!告白なら返事はどうなんだろう!?

こっそり2人の方を見る・・・と琴子ちゃんがものすごいスピードで駆け抜けていった。
・・・え?しまった!!動揺しすぎてそのあとの会話を全く聞いていない!!
あと今、琴子ちゃんが部屋に戻ったら私がここに居たことが楓ちゃんの口からバレてしまう!!

私は急いで部屋に戻った。
部屋に入るとパジャマに着替える琴子ちゃんとグッスリ寝ている楓ちゃんがいた。
「しー。・・・疲れちゃったみたいだよ?」
セーフ!!楓ちゃんが寝つきよくて良かったー!!
「あれ?っていうか咲音ちゃんは何してたの?」
「えっ!?あ・・・ト、トイレ!も、漏れそうで急いじゃったの!」
「あ、そうなんだ!ダメだよ!我慢は体に良くないよ!」
・・・お、乙女の恥だ・・・。

「こ、琴子ちゃんは・・・1人で海見に行ってたの?」
いや、何を聞いてるんだ私は・・・。
「えっ?い、いや・・・実は・・・く、車道君と・・・」
「そっか・・・なんの話したの?」
あー!絶対聞いちゃダメなやつを聞いてしまったー!
「・・・えーっと・・・こ、告白を・・・しようと思ったんだけど結局ごまかしてできなかったんだ・・・恥ずかしながら・・・。」
あ・・・あのあと、結局ごまかしてたんだ・・・。
「そ、そうなんだ・・・。」
「でもね・・・私、頑張ろうと思う。今年中には告白できるように!」
「うん・・・応援する!」
「ありがとう!」

・・・なんで私・・・ごまかしたってこと聞いたとき・・・ホッとしたんだろ・・・。
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