この学園には図書委員がいない!

空飛ぶ桂川

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とある日の夜のこと。
部屋にいると森下から着信があった。
「あ、もしもし?車道君?」
「おう。どうした?」
「あの・・・来週の月曜って学校休みなんだけど・・・」
「あー、敬老の日だもんな。それがどうしたんだ?」
「あの・・・その・・・日曜から月曜にかけておじいちゃん家に泊まりに来てほしいんだけど・・・空いてないかな?」
「泊まり!?いや・・・お前・・・さ、さすがに2人で泊まりは・・・ハードル高くないか!?」
いかん・・・我ながら動揺し過ぎている。いや、でも泊まりはマズいだろ。
「え・・・あ!い、いや!へ、変な意味じゃなくて!・・・おじいちゃんがね・・・病気で・・・もしかしたらもうそんなに長くないかもしれないの・・・。それでね・・・私、おじいちゃんに友達会わせたことないから・・・喜んでくれるかな・・・と思って・・・。」

・・・そういうことか。
森下・・・おじいちゃんに将棋教えてもらったって言ってたし、おじいちゃんっ子だったんだろうな。
「もちろん、咲音ちゃんと楓ちゃんと神沢君も誘うつもり!・・・ダメかな・・・?」
「・・・ったく、しゃあねーな!行ってやるよ!」
「ありがとう!」
そうして、俺は森下のおじいちゃんの家に行くことになった。

「わー!森下さんのおじいちゃんのお家って立派だねー!」
「別荘持ってる神沢君が言うと説得力ないよー!」
森下のおじいちゃんの家は昔ながらの感じがする二階建ての割と大きな家だった。
玄関でインターホンを押すと森下の叔母にあたる『さや子』さんが迎え入れてくれた。
「さや子さん、お久しぶりですねー!」
「本当ねー!琴子ちゃん、見ないうちに大人っぽくなって綺麗になったわねー!私に似たのかしら!お友達も綺麗な子ばっかりで・・・私に似たのかしら!」
森下の親戚とは思えないようなキャラの人だなー・・・と思いながら廊下を歩く。
「・・・強烈なキャラの方ね・・・。」
桜山が俺の耳元で囁く。
多分、鶴里も同じこと思ってるんだろうな・・・。

そして、俺たちは廊下の奥に進み、森下のおじいちゃんがいる部屋に入る。
部屋には70歳くらいの白髪の男性が椅子に座っていて、扉が開くのに合わせてこちらを見る。
「おー!琴子!よく来たなー!また一段と綺麗になって・・・よし!ワシの再婚相手にしてやろう!」
なるほど・・・さや子さんはこの人に似たんだな・・・。
「再婚相手にしなくていいから!・・・久しぶり、おじいちゃん!」
「おー!久しぶりじゃな!その子たちが電話で言ってたお友達の子か!」
森下のおじいちゃんが俺たちの方を見る。
「孫がいつもお世話になってます。これからも仲良くしてやってくださいね!」
なんだ・・・ちゃんとした人じゃないか・・・。
「それにしてもお友達の女の子2人もすごく可愛い子じゃの!・・・よし!ワシの再婚相手にしてやろう!」
「おじいちゃん!!私の友達に何言ってんの!!怒るよ!!」
「はっはっはっ!冗談じゃよ!」
「・・・もう!」

いや、このエロジジイは本当に病気なのか!?
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