この学園には図書委員がいない!

空飛ぶ桂川

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「車道君・・・あのね・・・」

ヤバい・・・その先の言葉はもう・・・そういう・・・。

「私・・・今日、皆に来てもらえて良かったと思ってる・・・」
「あ、ああ・・・」
当たり障りのない言葉を探してしまったせいで少し素っ気なくなってしまった。
「とくに車道君には本当に感謝してるの・・・。」
「それは・・・なんでだ?」
なんで誘導するみたいなことを言ってしまっているんだ俺は・・・頭と言葉がリンクしない・・・。
「私ね・・・恥ずかしながら中学の頃はね・・・本ばっかり読んでて友達あんまりいなかったんだ・・・でも車道君のおかげで咲音ちゃんや楓ちゃん、神沢君も・・・素敵な友達が沢山できたんだ。」
「それは俺のおかげなんかじゃねーよ。森下がいい奴だから・・・だと思うぞ・・・?」
「そんなことないよ・・・車道君のおかげ・・・私、車道君に会えて良かった。・・・私ね・・・車道君のことが・・・好き。」
「・・・・・。」
「友達とかじゃなくて・・・1人の男性として・・・好き・・・。車道君も・・・同じ気持ちだったらいいな・・・って思ってる・・・。」
「・・・ごめん。・・・俺は・・・その気持ちには応えてやれない。」

森下の方を見れなくて、思わず顔をそむけてしまった。
・・・最低だ。
ただ、視線の端に入る森下の肩が震えていたのと耳に入る音で泣いていることだけはわかった。
・・・わかってしまっていた。

それからのことはあまり覚えていない。
というか思い出したくない俺は記憶を閉ざそうとしてしまっていた。
その後は森下とほとんど会話をすることなく森下のおじいちゃんの家に戻り、森下とほとんど会話をすることなく次の日になり、森下とほとんど会話をすることなく家に帰ってきたことだけは確かだ。
そして帰宅した俺は荷物を部屋に置き、ベッドの上に座る。
気持ちのやり場がわからず、思わず壁にあたる。
その手に痛みが走る。

どうして断ってしまったんだろう。
俺の気持ちとはなんなんだろう。
俺は自分がわからなくなってしまっていた。
本当に情けないし、本当に最低だった。
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