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とりあえずハッピー(個人差有)エンド
★おなかの中
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薄暗い部屋の中は、勉強机と、ベッドと、本棚と、触手。
何もかもをベタベタにしながら蠢く触手の中央で、春近ははだけたワイシャツ以外何も纏っていない状態で拘束されていた。
脱力した肢体を支えるように、四肢に太い触手が巻き付き、いつかの夜のような股座を差し出すようなあられもない態勢に固定されている。
ある触手は陰部を飲み込むように覆ったまま蠕動し、ある触手は赤くつんと尖った乳首をこね回しては、時折引き伸ばすように愛撫する。
宙に浮いた指先が、緊張と弛緩を繰り返しながらふらふら揺れる。
性感帯を執拗に愛撫されて、数時間が経過していた。
春近も目を覚ました当初は激しく抵抗していたが、今はうつろな表情で、あへあへ弱々しく喘がされることしか出来なくなっていて。
「はるちか」
「…………ぁう、あ、ぁ、ぁ、」
「疲れたねぇ、……うふふ。トロトロでわけわかんなくなっちゃってる」
そして、春近が捕食される様を眺めるだけだった青年が右手を掲げる。
応じるように緩慢に動いた触手が、青年に差し出すように春近の身体を下降させる。
先刻とは打って変わって、腹にを支えられ、四つん這いに近い態勢で宙吊りにされた春近は、うっすら開いた瞳で青年を見上げた。
「ん、で、ひかうぅ、……うぁ、」
半開きの口からだらりと垂れた舌を、整った指先が摘まむ。
なんで、と弱々しく問いかける春近に、青年──光は、答える代わりに美しい笑みを浮かべる。
割れ物にでも触れるような手つきで、汗や粘液で額に張り付いた黒髪を払った。
蕩けきった涙目のブラウン。まばらに黒子の散った白肌は、桃色に上気している。
生唾を飲み込んで、光は薄い唇を舐めて。
額にうっすらと残った傷に、赤目を細めては唇を落とした。
「はるちかはねぇ、ちゃんといい子になるんだよ」
「ぁえ、」
「いい子になって、幸せになるの」
「しぁ……」
指先で、赤くて小さな舌をくにくに弄びながら、そう、と答える。
「ふわふわで柔らかい女の子とセックスして、気持ちよくなれるようにならなきゃ。じゃないと、お嫁さんも子供もできない。普通の幸せは手に入らない」
「──────……っ、」
「男の子は普通胸だけでイけないんだよ。ちんこ触らずにイったりしないの。おなか撫でられただけでイっちゃうような変態さんじゃ、女の子は抱けないよね」
ぼやけた水晶体の向こう側で、瞳孔が小さくなる。
定まらなかった焦点が、光の相貌へと像を結んで。
「だ、れのせいで…………!」
「おっと」
「お、おまえが、おれのこと変にしたんだろうがぁ!変態はおまえだ!」
ガチンと歯を鳴らして威嚇して、春近はついにボロボロ泣き始める。
光は強張った表情で指先を引っ込めて、またすぐに笑みを張り付けた。
「それに─────むぐぅっ!」
「…………そうだよねぇ」
間延びした声で、今度は春近の口元を無造作に抑え付ける。
「ごめんねぇ。おれのせいだよねぇ」
「んんんーーー!」
「俺がヘンタイでバケモノだから、はるちかの身体は変になっちゃった!」
──────だから責任を取るよ。
耳元に唇を寄せるように囁いて。
春近の唇に這わせた親指に、熱に浮かされたような笑みのまま自らの唇を落とす。
そしてそのまま、人差し指を、春近の震える下腹にくるくると這わせた。
「な、──────ぁうぅ?!」
「練習しようね、はるちか」
熱を持った下腹部に、春近は弾かれたように目を向ける。体勢のせいで良く見えないが、熱い部分が、桃色に淡く発光しているように見えた。
「淫紋だよ」
脳内を読んだような囁きを耳元に吹き込みながら、下腹から、そこに張り付くほどに起立した陰茎に指先を添わせる。
光の手が、てらてら濡れた陰茎の竿をぢゅこ♡ぢゅこ♡♡と容赦なくしごき上げ、爪の先で、鈴口をくるくるとほじった。
繊細で、真っ白な手が、グロテスクな陰茎を扱きあげる光景。剥き出しの性感帯にしっとりと吸い付いてくる、柔らかくて少し体温の低い手の感触。
あまりにも倒錯的な官能に、春近の理性が、どろりと蕩ける。
媚薬漬けになった身体には、到底抗いがたい快楽だった。
ゆらゆら腰が揺れ、薄く開いた唇のあわいから、艶めいた甘い声が漏れる。
うつろな目で喘ぎながら、こみ上げるような快楽を、腰を揺らしながら貪欲に貪って。
「あ、ぁ、なんで、ぇ……っ!」
いつまでも腹に渦巻く快楽を、発散できずに泣き喚いた。
「ああ、泣かないで。ごめんね、辛いよね。でもぜんぶ、はるちかのためだから」
「やあぁ……グリグリ、やめ……ぁ、うううううう!」
「これはね、気持ちよくなるの我慢する練習」
身体を捩る春近の四肢を、触手がさらに強く拘束する。
薄ら笑いで春近の弱いところを責め立てながら、光は頬に伝う涙に舌先を這わせた。
「はるちかはぁ、これからちんこでもおっぱいでもイけませぇん♡」
「快楽によわよわな春近を、つよーい雄になれるよう、おれが再調教してあげる」
毒々しいほどに赤い瞳が、熱に浮かされたようにどろりとたわんだ。
何もかもをベタベタにしながら蠢く触手の中央で、春近ははだけたワイシャツ以外何も纏っていない状態で拘束されていた。
脱力した肢体を支えるように、四肢に太い触手が巻き付き、いつかの夜のような股座を差し出すようなあられもない態勢に固定されている。
ある触手は陰部を飲み込むように覆ったまま蠕動し、ある触手は赤くつんと尖った乳首をこね回しては、時折引き伸ばすように愛撫する。
宙に浮いた指先が、緊張と弛緩を繰り返しながらふらふら揺れる。
性感帯を執拗に愛撫されて、数時間が経過していた。
春近も目を覚ました当初は激しく抵抗していたが、今はうつろな表情で、あへあへ弱々しく喘がされることしか出来なくなっていて。
「はるちか」
「…………ぁう、あ、ぁ、ぁ、」
「疲れたねぇ、……うふふ。トロトロでわけわかんなくなっちゃってる」
そして、春近が捕食される様を眺めるだけだった青年が右手を掲げる。
応じるように緩慢に動いた触手が、青年に差し出すように春近の身体を下降させる。
先刻とは打って変わって、腹にを支えられ、四つん這いに近い態勢で宙吊りにされた春近は、うっすら開いた瞳で青年を見上げた。
「ん、で、ひかうぅ、……うぁ、」
半開きの口からだらりと垂れた舌を、整った指先が摘まむ。
なんで、と弱々しく問いかける春近に、青年──光は、答える代わりに美しい笑みを浮かべる。
割れ物にでも触れるような手つきで、汗や粘液で額に張り付いた黒髪を払った。
蕩けきった涙目のブラウン。まばらに黒子の散った白肌は、桃色に上気している。
生唾を飲み込んで、光は薄い唇を舐めて。
額にうっすらと残った傷に、赤目を細めては唇を落とした。
「はるちかはねぇ、ちゃんといい子になるんだよ」
「ぁえ、」
「いい子になって、幸せになるの」
「しぁ……」
指先で、赤くて小さな舌をくにくに弄びながら、そう、と答える。
「ふわふわで柔らかい女の子とセックスして、気持ちよくなれるようにならなきゃ。じゃないと、お嫁さんも子供もできない。普通の幸せは手に入らない」
「──────……っ、」
「男の子は普通胸だけでイけないんだよ。ちんこ触らずにイったりしないの。おなか撫でられただけでイっちゃうような変態さんじゃ、女の子は抱けないよね」
ぼやけた水晶体の向こう側で、瞳孔が小さくなる。
定まらなかった焦点が、光の相貌へと像を結んで。
「だ、れのせいで…………!」
「おっと」
「お、おまえが、おれのこと変にしたんだろうがぁ!変態はおまえだ!」
ガチンと歯を鳴らして威嚇して、春近はついにボロボロ泣き始める。
光は強張った表情で指先を引っ込めて、またすぐに笑みを張り付けた。
「それに─────むぐぅっ!」
「…………そうだよねぇ」
間延びした声で、今度は春近の口元を無造作に抑え付ける。
「ごめんねぇ。おれのせいだよねぇ」
「んんんーーー!」
「俺がヘンタイでバケモノだから、はるちかの身体は変になっちゃった!」
──────だから責任を取るよ。
耳元に唇を寄せるように囁いて。
春近の唇に這わせた親指に、熱に浮かされたような笑みのまま自らの唇を落とす。
そしてそのまま、人差し指を、春近の震える下腹にくるくると這わせた。
「な、──────ぁうぅ?!」
「練習しようね、はるちか」
熱を持った下腹部に、春近は弾かれたように目を向ける。体勢のせいで良く見えないが、熱い部分が、桃色に淡く発光しているように見えた。
「淫紋だよ」
脳内を読んだような囁きを耳元に吹き込みながら、下腹から、そこに張り付くほどに起立した陰茎に指先を添わせる。
光の手が、てらてら濡れた陰茎の竿をぢゅこ♡ぢゅこ♡♡と容赦なくしごき上げ、爪の先で、鈴口をくるくるとほじった。
繊細で、真っ白な手が、グロテスクな陰茎を扱きあげる光景。剥き出しの性感帯にしっとりと吸い付いてくる、柔らかくて少し体温の低い手の感触。
あまりにも倒錯的な官能に、春近の理性が、どろりと蕩ける。
媚薬漬けになった身体には、到底抗いがたい快楽だった。
ゆらゆら腰が揺れ、薄く開いた唇のあわいから、艶めいた甘い声が漏れる。
うつろな目で喘ぎながら、こみ上げるような快楽を、腰を揺らしながら貪欲に貪って。
「あ、ぁ、なんで、ぇ……っ!」
いつまでも腹に渦巻く快楽を、発散できずに泣き喚いた。
「ああ、泣かないで。ごめんね、辛いよね。でもぜんぶ、はるちかのためだから」
「やあぁ……グリグリ、やめ……ぁ、うううううう!」
「これはね、気持ちよくなるの我慢する練習」
身体を捩る春近の四肢を、触手がさらに強く拘束する。
薄ら笑いで春近の弱いところを責め立てながら、光は頬に伝う涙に舌先を這わせた。
「はるちかはぁ、これからちんこでもおっぱいでもイけませぇん♡」
「快楽によわよわな春近を、つよーい雄になれるよう、おれが再調教してあげる」
毒々しいほどに赤い瞳が、熱に浮かされたようにどろりとたわんだ。
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