『スキルの素』を3つ選べって言うけど、早いもの勝ちで余りモノしか残っていませんでした。※チートスキルを生み出してバカにした奴らを見返します

ヒゲ抜き地蔵

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第1章

第24話 アラクネ

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 蜘蛛は糸を使い空中からも攻撃ができる。そうなると俺達の攻撃は届かない。
 この広い空間で戦闘するのはマズいな。

「急いで来た通路に戻るんだ!」

 ミアに声をかけ先に行かせる。
 俺も自分を包むように『心の壁』バリアを張りながら、来たときの通路に向かう。
 途中で、いくつかの攻撃を受けるが、バリアで全て弾く。

 俺達はなんとか来た時の通路に戻れた。

 ここには逃げるために来たんじゃない。戦うために来た。
 通路は直径3メートルぐらい。天井にいる魔物にも攻撃は届くだろう。
 俺達は振り返り追ってきた蜘蛛たちへと向き合う。

「僕が前に出る。ミアは僕が討ち漏らした蜘蛛を頼む! SPを大切に!」

「わかりました」

 俺とミアのSPに余裕はあまりない。長期戦になるとマズい。
 地形を利用して、効率よく戦うにはどうする……

 ライトセーバーの光刃をSP10で3メートル伸ばす。
 グリップを身体の中心に構え、その位置を支点として扇風機のように円を描くようくるくる回した。
 子蜘蛛の大半は、天井、壁、地面にいる。そこをなぞるようにひたすら回す。
 SP10の光刃は子蜘蛛を触れるだけで蒸発させ、黒い煙と変えた。
 
 討ち漏らした子蜘蛛は、後方にいるミアが退治してくれる。
 余裕が無いため後ろを見ることはできないが、ブィン、ブォンと音がしているので大丈夫なんだろう。
 正直、光刃が自分に当たるんじゃないかと不安と恐怖で気が気でないのは、ミアに内緒だ。

 乱戦の中、ときどき太い糸がものすごい勢いで飛んでくる。
 アラクネの遠距離攻撃だ。
 バリアがなければ簡単にやられていただろう。だが、今の俺達には脅威じゃない。
 
 子蜘蛛を大方倒したとき、大きい方のアラクネがものすごい速さで天井を移動してきた。
 だが、この狭い通路では悪手だぞ。ライトセーバーの光刃は天井まで届くからな。

 俺は扇風機のように回しているライトセーバーを、アラクネが突っ込んでくるタイミングに合わせる。

 ブォン ズババババババ

 アラクネは両手をクロスにして防ごうとする。
 しかし、防御した腕ごと上半身は水平に切断され、黒い霧になった。

 俺はもう一匹のアラクネの位置を確認する。
 俺と目があったアラクネは身体を反転し逃げ出した。

 そのとき、アラクネの後頭部に小さな穴が空く。
 ミアがスリングショットで攻撃したのだ。

 まだ黒い煙にならない。
 俺は怯んだアラクネに迫り、ライトセーバーを腹に突き刺し、切り上げる。
 縦に真っ二つとなったアラクネは、黒い煙となって消えた。

 これで残りの魔物は子蜘蛛が10匹ぐらいだ。
 そろそろSPの残量が厳しいから、後はミアにお願いした。

 ――戦闘終了後

「お疲れ様。採掘場の広い空間で戦っていたら危険だったかもね」

 ミアは疲れ切った表情で頷く。

「バリア無しで倒せる人いるんでしょうか? あの糸、盾や剣で防ごうとすると糸を絡められて動けなくなりますよね。かなりランクの高い魔物だったんじゃ……」

 確かにミアの言うとおりだ。
 まともに戦うと、あの糸はかなりやっかいだよな。俺達の装備は相性が良かったから、勝てたけど。
 冒険者ギルドへの報告は、少し考えた方がいいかもな。
 
 俺達は魔石を回収した後、街へ帰ることにした。

 ◇

 バーセリーの街に戻って来た。
 街に入る前にぬいぐるみポケットから、クエストの完了報告に必要な魔石を取り出した。大鼠の魔石が大量にあったため、魔石の詰まった袋は4つになった。
 
 アラクネの魔石は目立ちそうなので、買取りに出すか悩むところだ。

 冒険者ギルドに入る。
 受付の女性にクエストの完了報告と魔石の買い取りをお願いした。
 すると魔石の詰まった袋4つを見た受付の女性は、頬をピクピクさせながらドン引きしていた。

「あ、あの…… これはお二人で倒されたんですか?」

「はい。ゴブリン30匹と大鼠10匹の魔石、これはクエスト分です。それとは別に大鼠の魔石300個ぐらいあります」

「300個! これは全て廃坑の大鼠ですか?」

 俺は頷く。アラクネのことは黙っておく。

「廃坑で大鼠を狩っていたら仲間を延々と呼ばれてこうなりました」

「……この量だと、廃坑の大鼠を殲滅したのかもしれません。今までのEランククエストの完了分と、大鼠殲滅の実績でDランクに上がれるかと。上司に確認して参りますので少々お待ち下さい」

 しばらくすると、ギルドマスターが直接話したいのでと、2階の通路一番奥の部屋に案内される。

「アレンジの皆様をお連れしました」

 部屋に入ると、金髪のエルフの男が執務机の椅子に座っていた。
 身に着けているものは、どれも上質で高級そうだ。
 どうやら、このエルフの男がギルドマスターらしい。
 
「ご苦労。お前はもういいぞ」

 受付の女性は部屋から出ていった。

 部屋の中は、ギルドマスターと俺達の3人だけになった。
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