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たかし
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たかしはシチューが好きだ。
こんな寒い冬の日は、シチューを作ったら喜ぶだろう。
本当はビーフシチューを作りたかったけれど、バイトをクビになったのもあって、牛肉より安い鶏肉でホワイトシチューにする。そのかわり、バターと小麦粉でベシャメルソースから作ろう。
ぼくはいつも持っている小さなノートを広げて、クリームシチューのレシピを見て買い物をする。
こういう小さなノートを、ぼくはたくさん持ち歩いている。
料理のレシピのノートには、ぼくが作る事のできる料理とその材料、大体の予算、そしてたかしがどれだけその料理を好きかがハートの指標でメモされている。クリームシチューは♡5つ、大好きって事だ。
その他に、バイト用のノート、自分についての情報、知っている人のリスト。
何かが思い出せない時は、ノートを順番に見ていく。そうしたら大抵の事は思い出せる。
ぼくは中学生の頃に事故で両親を亡くして、その時に記憶も無くした。だから、中学を卒業する頃までの記憶が無い。
憶えているのは、気付いたらベッドの上で色々な管に繋がれていた事、そしてそれから何日もの間ひっきりなしに何が起こったのかと質問された事。
「何があったのですか?」
「名前は?」
「どこからきたのか分かる?」
ぼくはどの質問にも答えることができなかった。1人の女の人と何人もの男の人の写真を見せられたけれど、誰だか全く分からなかった。
中には同じくらいの歳の中学生の男の子の写真があった。ぼくはやっぱりその子の事も誰だか分からなかったけれど、何となくその子には会ったことがあるような気がした。でも、どこでどうやって会ったのかは全く分からなかった。
ぼくが何も分からないと知ると、今度は質問していた人達がぼくにいろんな事を教えてくれた。知っているのならなぜ聞いたのだろう。疑問ばかり募った。
それから一年位、またあまり記憶が無い。病院に入院していた事は覚えている。夜になると訳もなく苦しくなって、喉元から迫り上がってくるように恐怖で心がいっぱいになった。そうなるともう訳がわからなくなり、ぼくは暴れて自分で自分を傷つけた。なぜ自分がここにいるのか、ここはどこなのか、自分は誰なのか、これからどうなるのか。何も分からない恐怖に叫び出すしかなかった。
病院の先生や看護師さん達は辛抱強く治療してくれた。一年経つ頃にはようやくぼくは、自分が記憶を無くしたという事を理解した。自傷癖やパニックの回数が減り、穏やかに過ごせる日が増えると、次第に日常生活を普通に送りたいという欲求も出てきた。
ぼくは日常生活に必要なルールや知識をまた覚えなおした。新たな手順を覚えるのが酷く困難になったり、ワーキングメモリーに問題が生じたりした。記憶障害自体は根治する事は難しいと言われて、適応するために作業療法士に教わってリハビリもした。
おかげで何とか日常生活を送る事ができるようになり、突発的な記憶喪失によるパニック発作やフラッシュバックは減ってきて、退院して施設に入所し高校に通う事ができたけれど、勉強がスムーズにできるようにはならなかった。どんなに勉強しても記憶になかなか残らずいつも赤点スレスレで、何とか卒業した。
2年遅れで高校に通っている時から、ぼくは孤独だった。両親を亡くして、友達もなく、いつも高校と施設を行き来するだけの毎日だった。施設の人は親切だったけれど、声の大きなおじさんで、ぼくはずっと慣れる事ができず少しだけ怖かった。施設の他の入居者の人とも、打ち解ける事はできなかった。
ぼくは自分の部屋で本ばかり読んで過ごした。
卒業して就職した工場では、半年もしないうちにいじめられるようになった。挨拶をしても全員から無視され、ロッカーにはゴミを入れられた。なぜそのような事をされるのか、ぼくが何をしたのか、全く分からなかったけれど、ぼくは記憶が失くなる時があるから、何か悪い事をしてしまってその記憶が無いだけかも知れなかったから、黙って耐えた。施設を出て会社の寮に入っていたから、会社を辞める訳にはいかなかった。仕事を教えてはもらえず、いつも怒られて、会社に行くのが怖くて朝は必ず吐いた。それでも行くアテが無いから耐えるしかなかったけれど、ある日呆気なく解雇された。
その後何とかアパートを借りて、コンビニでバイトをしながらほとんどその日暮らしをしていた時に、たかしと出会った。たかしは毎日そのコンビニで、昼と夜にお茶を買って行った。その度にぼくに話しかけてくれた。
ぼくは対人恐怖があって、特に男性が怖い時が多いのに、たかしに話しかけられるとぼくはなぜか心が弾んだ。
「バイト、何時までですか?良かったら、終わってから夜ご飯でも食べませんか?」
そう言われた時はびっくりしたけれど、嫌ではなかった。嬉しかった。
「ごめんなさい、夜ご飯は無理です。朝までだから。」
「え?お昼から働いてて、朝まで?」
「えーと、9時から3時まで働いて、それから帰って9時まで寝て、10時から5時までなんです。」
「え!?ハードですね、シフト。」
「そうですか?ちゃんと寝る時間あるし。そんなにハードでもないですよ。ここのオーナー、ゆるいから廃棄のお弁当もらえるし。」
「そっか。休みの日は?」
「今、引っ越したばかりで金欠だから、休みないんです。アパート借りるのに前借りしちゃってるから。」
「そっか。身体壊さないように、気をつけて下さいね。」
「ありがとうございます!!」
「あのさ、花森。入力システム変わったって言ったよね。おまえ、俺より先にバイト入ってて何でそんなに仕事できない訳?」
「すみません。もう一度教えてもらえないですか?」
「昨日まで出来てて何で急に出来なくなるの?てか、そんな簡単な事、メモんなくてもできるでしょ、普通。」
「すみません。お願いします。もう一回だけ教えてもらえませんか?」
「あのキモいメモどうしたんだよ!?」
「失くしてしまって。すみません。」
「チェッ!!お前さ、歳幾つよ?24だろ?やばくない?5つも下のやつにこんな事言われて、よく生きてられんな。」
「すみません…」
「お前、もうこれから花森じゃなくてハナクソな。おいハナクソ。返事しろ、ハナクソ。」
「はい。」
「もう一回だけ教えてやるから、そのかわり、もうお前永久にトイレ掃除やれよ。」
「はい。分かりました。すみません。」
「記憶障害だか何だか知らんけど、そういうのに甘えてるから障害者は害悪なんだよ!ハナクソ!」
「はい…すみません。」
ぼくはそのコンビニでも後から入ってきた歳下のバイトの男の子にきつく当たられた。でも、もう仕方がないと思った。ぼくは仕事の手順を覚えるのが難しく、覚えた事が不意に消えてしまう時もある。うっかりミスも多い。
いつも怒られてばかりだった。
でも、たかしに会いたくて、ぼくはそのコンビニをやめなかった。毎日たかしの顔を見られる事だけが、ぼくの生きる目的だった。
そして、たかしはぼくをそこから救い出してくれた。
毎朝5時に、たかしは店から少し離れたところでぼくを待っていてくれた。ぼくはそこで、たかしとおしゃべりしながらコーヒーを一杯だけ飲む。
その時間のために生きていると言っても過言ではなかった。どんなにバイトの同僚に罵倒されても、お客さんに理不尽なことで怒られても、たかしの顔を見ながらコーヒーを飲むその時間があれば、ぼくは心が温かくなれた。
ある日、たかしは僕に言った。
「あの、僕と一緒に住みませんか?僕のマンション、会社が税金対策で借りてる寮なんですけど、広いんです、無駄に。そしたら家賃無くなるし、そんなに無理して働かなくても良くなるんじゃないかな。」
「いや、そんなのは悪いです。
ぼく、仕事できないから。記憶障害があるんです。子供の頃、事故で。だからか、仕事のミスも多くて、覚える事も苦手で。あ、すみません。だめですよね、そういうのに甘えちゃ。ぼくがしっかりしてないからなんです。頭悪いし。
だから、せめてたくさん働かないとね。迷惑かけてる分、シフトはたくさん入ろうと思って。」
「でも、記憶障害はあなたのせいじゃないから。もし良かったら、1カ月お試しで一緒に住むってのはどうですか?そのかわり、ちょっと家事をやってもらえたら僕も助かります。バイト減らすとかして、簡単な掃除と夜ご飯とか…
難しい…ですよね?すみません!」
「お試し…」
「はい、その1ヶ月の分のそちらの家賃は僕が払います!!考えてみてもらえないですか?」
そうやって、僕とたかしは同棲し始めた。
こんな寒い冬の日は、シチューを作ったら喜ぶだろう。
本当はビーフシチューを作りたかったけれど、バイトをクビになったのもあって、牛肉より安い鶏肉でホワイトシチューにする。そのかわり、バターと小麦粉でベシャメルソースから作ろう。
ぼくはいつも持っている小さなノートを広げて、クリームシチューのレシピを見て買い物をする。
こういう小さなノートを、ぼくはたくさん持ち歩いている。
料理のレシピのノートには、ぼくが作る事のできる料理とその材料、大体の予算、そしてたかしがどれだけその料理を好きかがハートの指標でメモされている。クリームシチューは♡5つ、大好きって事だ。
その他に、バイト用のノート、自分についての情報、知っている人のリスト。
何かが思い出せない時は、ノートを順番に見ていく。そうしたら大抵の事は思い出せる。
ぼくは中学生の頃に事故で両親を亡くして、その時に記憶も無くした。だから、中学を卒業する頃までの記憶が無い。
憶えているのは、気付いたらベッドの上で色々な管に繋がれていた事、そしてそれから何日もの間ひっきりなしに何が起こったのかと質問された事。
「何があったのですか?」
「名前は?」
「どこからきたのか分かる?」
ぼくはどの質問にも答えることができなかった。1人の女の人と何人もの男の人の写真を見せられたけれど、誰だか全く分からなかった。
中には同じくらいの歳の中学生の男の子の写真があった。ぼくはやっぱりその子の事も誰だか分からなかったけれど、何となくその子には会ったことがあるような気がした。でも、どこでどうやって会ったのかは全く分からなかった。
ぼくが何も分からないと知ると、今度は質問していた人達がぼくにいろんな事を教えてくれた。知っているのならなぜ聞いたのだろう。疑問ばかり募った。
それから一年位、またあまり記憶が無い。病院に入院していた事は覚えている。夜になると訳もなく苦しくなって、喉元から迫り上がってくるように恐怖で心がいっぱいになった。そうなるともう訳がわからなくなり、ぼくは暴れて自分で自分を傷つけた。なぜ自分がここにいるのか、ここはどこなのか、自分は誰なのか、これからどうなるのか。何も分からない恐怖に叫び出すしかなかった。
病院の先生や看護師さん達は辛抱強く治療してくれた。一年経つ頃にはようやくぼくは、自分が記憶を無くしたという事を理解した。自傷癖やパニックの回数が減り、穏やかに過ごせる日が増えると、次第に日常生活を普通に送りたいという欲求も出てきた。
ぼくは日常生活に必要なルールや知識をまた覚えなおした。新たな手順を覚えるのが酷く困難になったり、ワーキングメモリーに問題が生じたりした。記憶障害自体は根治する事は難しいと言われて、適応するために作業療法士に教わってリハビリもした。
おかげで何とか日常生活を送る事ができるようになり、突発的な記憶喪失によるパニック発作やフラッシュバックは減ってきて、退院して施設に入所し高校に通う事ができたけれど、勉強がスムーズにできるようにはならなかった。どんなに勉強しても記憶になかなか残らずいつも赤点スレスレで、何とか卒業した。
2年遅れで高校に通っている時から、ぼくは孤独だった。両親を亡くして、友達もなく、いつも高校と施設を行き来するだけの毎日だった。施設の人は親切だったけれど、声の大きなおじさんで、ぼくはずっと慣れる事ができず少しだけ怖かった。施設の他の入居者の人とも、打ち解ける事はできなかった。
ぼくは自分の部屋で本ばかり読んで過ごした。
卒業して就職した工場では、半年もしないうちにいじめられるようになった。挨拶をしても全員から無視され、ロッカーにはゴミを入れられた。なぜそのような事をされるのか、ぼくが何をしたのか、全く分からなかったけれど、ぼくは記憶が失くなる時があるから、何か悪い事をしてしまってその記憶が無いだけかも知れなかったから、黙って耐えた。施設を出て会社の寮に入っていたから、会社を辞める訳にはいかなかった。仕事を教えてはもらえず、いつも怒られて、会社に行くのが怖くて朝は必ず吐いた。それでも行くアテが無いから耐えるしかなかったけれど、ある日呆気なく解雇された。
その後何とかアパートを借りて、コンビニでバイトをしながらほとんどその日暮らしをしていた時に、たかしと出会った。たかしは毎日そのコンビニで、昼と夜にお茶を買って行った。その度にぼくに話しかけてくれた。
ぼくは対人恐怖があって、特に男性が怖い時が多いのに、たかしに話しかけられるとぼくはなぜか心が弾んだ。
「バイト、何時までですか?良かったら、終わってから夜ご飯でも食べませんか?」
そう言われた時はびっくりしたけれど、嫌ではなかった。嬉しかった。
「ごめんなさい、夜ご飯は無理です。朝までだから。」
「え?お昼から働いてて、朝まで?」
「えーと、9時から3時まで働いて、それから帰って9時まで寝て、10時から5時までなんです。」
「え!?ハードですね、シフト。」
「そうですか?ちゃんと寝る時間あるし。そんなにハードでもないですよ。ここのオーナー、ゆるいから廃棄のお弁当もらえるし。」
「そっか。休みの日は?」
「今、引っ越したばかりで金欠だから、休みないんです。アパート借りるのに前借りしちゃってるから。」
「そっか。身体壊さないように、気をつけて下さいね。」
「ありがとうございます!!」
「あのさ、花森。入力システム変わったって言ったよね。おまえ、俺より先にバイト入ってて何でそんなに仕事できない訳?」
「すみません。もう一度教えてもらえないですか?」
「昨日まで出来てて何で急に出来なくなるの?てか、そんな簡単な事、メモんなくてもできるでしょ、普通。」
「すみません。お願いします。もう一回だけ教えてもらえませんか?」
「あのキモいメモどうしたんだよ!?」
「失くしてしまって。すみません。」
「チェッ!!お前さ、歳幾つよ?24だろ?やばくない?5つも下のやつにこんな事言われて、よく生きてられんな。」
「すみません…」
「お前、もうこれから花森じゃなくてハナクソな。おいハナクソ。返事しろ、ハナクソ。」
「はい。」
「もう一回だけ教えてやるから、そのかわり、もうお前永久にトイレ掃除やれよ。」
「はい。分かりました。すみません。」
「記憶障害だか何だか知らんけど、そういうのに甘えてるから障害者は害悪なんだよ!ハナクソ!」
「はい…すみません。」
ぼくはそのコンビニでも後から入ってきた歳下のバイトの男の子にきつく当たられた。でも、もう仕方がないと思った。ぼくは仕事の手順を覚えるのが難しく、覚えた事が不意に消えてしまう時もある。うっかりミスも多い。
いつも怒られてばかりだった。
でも、たかしに会いたくて、ぼくはそのコンビニをやめなかった。毎日たかしの顔を見られる事だけが、ぼくの生きる目的だった。
そして、たかしはぼくをそこから救い出してくれた。
毎朝5時に、たかしは店から少し離れたところでぼくを待っていてくれた。ぼくはそこで、たかしとおしゃべりしながらコーヒーを一杯だけ飲む。
その時間のために生きていると言っても過言ではなかった。どんなにバイトの同僚に罵倒されても、お客さんに理不尽なことで怒られても、たかしの顔を見ながらコーヒーを飲むその時間があれば、ぼくは心が温かくなれた。
ある日、たかしは僕に言った。
「あの、僕と一緒に住みませんか?僕のマンション、会社が税金対策で借りてる寮なんですけど、広いんです、無駄に。そしたら家賃無くなるし、そんなに無理して働かなくても良くなるんじゃないかな。」
「いや、そんなのは悪いです。
ぼく、仕事できないから。記憶障害があるんです。子供の頃、事故で。だからか、仕事のミスも多くて、覚える事も苦手で。あ、すみません。だめですよね、そういうのに甘えちゃ。ぼくがしっかりしてないからなんです。頭悪いし。
だから、せめてたくさん働かないとね。迷惑かけてる分、シフトはたくさん入ろうと思って。」
「でも、記憶障害はあなたのせいじゃないから。もし良かったら、1カ月お試しで一緒に住むってのはどうですか?そのかわり、ちょっと家事をやってもらえたら僕も助かります。バイト減らすとかして、簡単な掃除と夜ご飯とか…
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