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桜亮
失声
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翔太にこの島から逃げようと言ったのは、思えば桜亮の最後の抵抗だった。
このまま、人形になりきってしまう前に、翔太と2人で逃げたかった。
でも、翔太には佐田のばあちゃんがいた。佐田のばあちゃんは呆けかかってはいたが、それでも翔太の事を優しく包んでいた。そして、そんなばあちゃんを翔太が見捨てられないのは、それは、桜亮にはよく分かっていた。
来月、と翔太は約束してくれたけれど、1カ月後に、翔太は自分と一緒に来てはくれないかもしれない。それは仕方のない事だと桜亮は思った。それでも、桜亮は1人でもこの島から逃げようと思っていた。そんな桜亮の決心を、篤太郎は気付いたのだろうか。
ある夜、いつものように桜亮を犯していた篤太郎が、不意に桜亮の髪を引っ張って外に引き摺り出した。桜亮は、なぜ篤太郎が怒り出したのか分からず、恐怖で震えながら謝り続けた。
「おい、咥えろ。」
篤太郎は小屋の外で裸で震える桜亮に命じた。桜亮はすぐさま四つ這いで近づいて篤太郎の性器を口に咥え、必死で吸った。何度も桜亮の腹に射精した篤太郎の性器はもう勃ってはいなかった。ところが急に、篤太郎の性器が柔らかいままにぷっと膨らんだ。そして、篤太郎は桜亮の口に性器を突っ込んだまま、放尿した。桜亮は驚いて反射的に性器を口から出して、尿を吐き出した。
「オエッ、ウェッ!」
もう毎夜のように何度も精液を飲まされている桜亮も、尿を飲み下す事はできず、吐き出してしまった。
篤太郎は怒って桜亮を地下牢に閉じ込めた。桜亮はそのまま、2日半、食事はおろか一滴の水も貰えなかった。
乾きがこれ程辛いものとは、桜亮は知らなかった。
暗闇が、桜亮から時間の感覚を奪った。裸の桜亮は、寒さと恐怖でガタガタと震え、涙がとめどなく溢れた。桜亮は涙を流しながら、誰も見ていないのに歪んで引き攣った笑顔を浮かべた。恐怖がひとりでに彼に笑顔を浮かべさせた。
脱水と空腹で次第に体力が低下し、意識が朦朧とした。水が飲みたくて気が狂いそうだった。汗や尿で自らの身体が不快な臭いを放つのをどうする事もできなかった。
桜亮は、暗闇の中で必死に翔太の顔を思い浮かべた。絵を描く翔太。キラキラとした海を丁寧に塗る、俯いて真剣な眼差しをした翔太を思い浮かべた。そうすると、排泄物と汗の混ざったひどい臭いではなく、潮の匂いがするようだった。波の寄せては返す音まで聞こえる。
翔太、今どこで何してる?
幸せ?
今、翔太が、少しでも幸せだと良いな。
桜亮はそれだけを願った。
もう、オレは死ぬみたいだ。
もうとっくに人間じゃなくなって、死んだみたいなもんだったけど、でも今度こそ本当にダメみたいだ。
翔太。
オレがいなくなっても泣かないでね。オレのことなんか忘れて、幸せになって。
翔太、好きだった。
母が死んだ後、翔太だけがオレの全てだった。
もう涙も震えも止まった。
3日目の昼に、田代がやってきた。
「篤太郎様の言いつけで、お前に渡せる水分はこれだけなのだ。飲まないと、本当に死ぬぞ。」
そう言って田代はズボンの前を寛げ、性器を取り出した。
朦朧とする意識のなかで、桜亮は田代の性器を咥え、放出される尿を飲み下した。夜には篤太郎がやってきて、桜亮は黙って篤太郎の尿も飲んだ。
それからまたどれだけ地下牢に閉じ込めれたか、桜亮にはもう分からない。その間ずっと、桜亮は尿と精液以外の物を口にすることはできなかった。篤太郎や田代、時には息子達がやってきて、桜亮に尿と精液を飲ませた。桜亮は最後には、男達に尿を飲ませて下さいと懇願した。乾きはそのくらい、強い苦痛を桜亮にもたらしたのだ。
「意地を張りおって。最初からちゃんと飲んでいたらこんな目には合わなんだに。」
篤太郎がそう言い、監禁は突然終わった。地下牢から引き摺られるように出されて、使用人の老いた男に外で水で身体を洗われた。
小屋に戻されて、粥を食べさせられた。
それから桜亮は死んだように眠った。
その日の夜篤太郎は、ローションも使わずに桜亮を犯し、痛みに震える桜亮に言い放った。
「あ、そういえば。お前の友達、なんと言ったかな、翔太か陽太か。そいつは海に落ちて死んだぞ。」
「えっ、、、?」
「あそこの耄碌したババアが海に落ちて、もう死んでるってのにあいつは海に入って1人で引き上げようとしての。そんで一緒に死んだわ。
アホやの~、ハハハハ」
桜亮は、叫んだ。
「嘘だ!そんなの嘘だ!
嫌だ!翔太!!翔太!!嫌だよ、翔太!!!」
「うるせー!」
篤太郎は気が触れたように泣き喚く桜亮を足蹴にし、さも愉快そうに笑った。
桜亮はその日、声を失った。
悲しみのあまり、声が出なくなったのだ。
学校に行き、篤太郎が嘘を言っていたと知っても、翔太が一命を取り留め、本土で入院している、退院したら本土の児童養護施設に入所する予定だという事を聞いても、桜亮はもう話せるようにはならなかった。
翔太に会えなくなって、桜亮はもう完全に逃げる気力を失った。
話さなくなった桜亮に、最初篤太郎は反抗していると思って酷く折檻した。でも、どれだけ打擲されても、桜亮は話す事はできなかった。首から下の全身を何度も気を失うほど鞭で打たれても、桜亮は黙って微笑み続けた。
桜亮が、話さないのではなく話せないのだとようやく気付くと、篤太郎は今度は喜んだ。
「これで、お前は本当の人形になったのだな。もうお前は人形だから、俺から逃げられん。お前は俺から逃げる事は許さん。お前の母親は俺から逃げおったからな。今度はそうはさせんぞ。
ああ、お前は本当に、母親に似ておるな。」
このまま、人形になりきってしまう前に、翔太と2人で逃げたかった。
でも、翔太には佐田のばあちゃんがいた。佐田のばあちゃんは呆けかかってはいたが、それでも翔太の事を優しく包んでいた。そして、そんなばあちゃんを翔太が見捨てられないのは、それは、桜亮にはよく分かっていた。
来月、と翔太は約束してくれたけれど、1カ月後に、翔太は自分と一緒に来てはくれないかもしれない。それは仕方のない事だと桜亮は思った。それでも、桜亮は1人でもこの島から逃げようと思っていた。そんな桜亮の決心を、篤太郎は気付いたのだろうか。
ある夜、いつものように桜亮を犯していた篤太郎が、不意に桜亮の髪を引っ張って外に引き摺り出した。桜亮は、なぜ篤太郎が怒り出したのか分からず、恐怖で震えながら謝り続けた。
「おい、咥えろ。」
篤太郎は小屋の外で裸で震える桜亮に命じた。桜亮はすぐさま四つ這いで近づいて篤太郎の性器を口に咥え、必死で吸った。何度も桜亮の腹に射精した篤太郎の性器はもう勃ってはいなかった。ところが急に、篤太郎の性器が柔らかいままにぷっと膨らんだ。そして、篤太郎は桜亮の口に性器を突っ込んだまま、放尿した。桜亮は驚いて反射的に性器を口から出して、尿を吐き出した。
「オエッ、ウェッ!」
もう毎夜のように何度も精液を飲まされている桜亮も、尿を飲み下す事はできず、吐き出してしまった。
篤太郎は怒って桜亮を地下牢に閉じ込めた。桜亮はそのまま、2日半、食事はおろか一滴の水も貰えなかった。
乾きがこれ程辛いものとは、桜亮は知らなかった。
暗闇が、桜亮から時間の感覚を奪った。裸の桜亮は、寒さと恐怖でガタガタと震え、涙がとめどなく溢れた。桜亮は涙を流しながら、誰も見ていないのに歪んで引き攣った笑顔を浮かべた。恐怖がひとりでに彼に笑顔を浮かべさせた。
脱水と空腹で次第に体力が低下し、意識が朦朧とした。水が飲みたくて気が狂いそうだった。汗や尿で自らの身体が不快な臭いを放つのをどうする事もできなかった。
桜亮は、暗闇の中で必死に翔太の顔を思い浮かべた。絵を描く翔太。キラキラとした海を丁寧に塗る、俯いて真剣な眼差しをした翔太を思い浮かべた。そうすると、排泄物と汗の混ざったひどい臭いではなく、潮の匂いがするようだった。波の寄せては返す音まで聞こえる。
翔太、今どこで何してる?
幸せ?
今、翔太が、少しでも幸せだと良いな。
桜亮はそれだけを願った。
もう、オレは死ぬみたいだ。
もうとっくに人間じゃなくなって、死んだみたいなもんだったけど、でも今度こそ本当にダメみたいだ。
翔太。
オレがいなくなっても泣かないでね。オレのことなんか忘れて、幸せになって。
翔太、好きだった。
母が死んだ後、翔太だけがオレの全てだった。
もう涙も震えも止まった。
3日目の昼に、田代がやってきた。
「篤太郎様の言いつけで、お前に渡せる水分はこれだけなのだ。飲まないと、本当に死ぬぞ。」
そう言って田代はズボンの前を寛げ、性器を取り出した。
朦朧とする意識のなかで、桜亮は田代の性器を咥え、放出される尿を飲み下した。夜には篤太郎がやってきて、桜亮は黙って篤太郎の尿も飲んだ。
それからまたどれだけ地下牢に閉じ込めれたか、桜亮にはもう分からない。その間ずっと、桜亮は尿と精液以外の物を口にすることはできなかった。篤太郎や田代、時には息子達がやってきて、桜亮に尿と精液を飲ませた。桜亮は最後には、男達に尿を飲ませて下さいと懇願した。乾きはそのくらい、強い苦痛を桜亮にもたらしたのだ。
「意地を張りおって。最初からちゃんと飲んでいたらこんな目には合わなんだに。」
篤太郎がそう言い、監禁は突然終わった。地下牢から引き摺られるように出されて、使用人の老いた男に外で水で身体を洗われた。
小屋に戻されて、粥を食べさせられた。
それから桜亮は死んだように眠った。
その日の夜篤太郎は、ローションも使わずに桜亮を犯し、痛みに震える桜亮に言い放った。
「あ、そういえば。お前の友達、なんと言ったかな、翔太か陽太か。そいつは海に落ちて死んだぞ。」
「えっ、、、?」
「あそこの耄碌したババアが海に落ちて、もう死んでるってのにあいつは海に入って1人で引き上げようとしての。そんで一緒に死んだわ。
アホやの~、ハハハハ」
桜亮は、叫んだ。
「嘘だ!そんなの嘘だ!
嫌だ!翔太!!翔太!!嫌だよ、翔太!!!」
「うるせー!」
篤太郎は気が触れたように泣き喚く桜亮を足蹴にし、さも愉快そうに笑った。
桜亮はその日、声を失った。
悲しみのあまり、声が出なくなったのだ。
学校に行き、篤太郎が嘘を言っていたと知っても、翔太が一命を取り留め、本土で入院している、退院したら本土の児童養護施設に入所する予定だという事を聞いても、桜亮はもう話せるようにはならなかった。
翔太に会えなくなって、桜亮はもう完全に逃げる気力を失った。
話さなくなった桜亮に、最初篤太郎は反抗していると思って酷く折檻した。でも、どれだけ打擲されても、桜亮は話す事はできなかった。首から下の全身を何度も気を失うほど鞭で打たれても、桜亮は黙って微笑み続けた。
桜亮が、話さないのではなく話せないのだとようやく気付くと、篤太郎は今度は喜んだ。
「これで、お前は本当の人形になったのだな。もうお前は人形だから、俺から逃げられん。お前は俺から逃げる事は許さん。お前の母親は俺から逃げおったからな。今度はそうはさせんぞ。
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